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今日のラノベ!

魔術破りのリベンジ・マギア 7


魔術破りのリベンジ・マギア
7.再臨の魔人と魔術破りの逆襲術士

著者:
子子子子子子子

イラスト:
伊吹のつ

レーベル:
HJ文庫


【あらすじ】

 九曜に告げられた「己が何者であるかを知れ」という命題に向き合うべく、晴栄は自身の母親・葉子の足跡を辿っていく。
 幸い、大和へ帰国していたことで調査の足掛かりを掴むが、同行していたティチュを発端に、陰陽寮を揺るがす大事件が発声。その事件の中で、兄・晴雄から語られる真相とは――!?
「この土御門家は、俺が完膚なきまでに終わらせてみせます」
 かつての復讐者と、今もなお憎悪の炎に身を焦がす復讐者。
 二人の邂逅と激突の先に、新たな物語が紡がれる。
 



感想:★★★★★





至極の魔術モノ、堂々完結!










前巻に引き続き舞台は大和、そして完結巻ということでこれまでの伏線を回収したり、展開を汲んだ熱い展開だったりのオンパレード!



そう、例えば1巻のスターホーク事件の儀式による流れで、吸血鬼となり得る要素をティチュが満たしている件とか!(正直忘れかけていた)



直近なら晴栄と九曜の関係だったり、フー・マンチューだったり……


数ページ読んでは既刊を読み返したくなり、耐えては読み進め、読んでは読み返し……





終わっちゃうのかー……(寂しい)






いやいや、しかし。
ラスボスがあの人というのは、実にこの作品らしい終わり方なのかもしれません。

やっぱり主人公が安倍晴明に由来する陰陽師の家系といえば、敵はあの人しかないですよね!

……味方にも家系おるけど。



一方、真の黒幕【邪悪の樹】の第一位は……予想外!
正確には、そういう形で本編に関わっていたのかー、というところで予想外!でした。
果たしてその点について、サブローは気づいているのかいないのか。









見せ場がモリモリだったのでずっとワクワクでしたが、
あえて1つの名シーンを挙げるとするならば……



晴栄がまるで“かつての自分”のような晴雄と対峙するシーンですよねー!



決別ではなく思いやりが生んだ兄弟喧嘩であることはもちろん熱いですし、晴栄がこれまでの学園生活で培ってきた西洋魔術と陰陽術との融合、その総結集な展開であるというのがまた熱い!




あと伝説的シーンを選ぶなら、葉子さんに見せた晴栄スマイル(イラスト込)ですよねー!!
晴栄がこんな可愛くて無垢な笑顔を見せるなんて、1巻開始当初からはとても想像できない……







一人称が可愛すぎる


さすが圧倒的メインヒロイン















感想書くのが久々すぎて全然うまく書けないんですが(ずっとそうでしょ?とか言わない)、胸中は感謝やら何やらでいっぱいです……
圧倒的文献量を誇り、フィクションとノンフィクションを融合させアレンジし、濃い詠唱とスピード感ある魔術バトルで……



魅了されっぱなしでした。

晴栄ちゃんほんと好きだった!




鴨女に芽生えた恋心(?)も、露花の尽きることない対抗心も、フランセスの気高い向上心も、ティチュの笑顔も、狐狼丸と晴栄の名コンビも……みんな好きでした!



個人的にも、コミケで子子子子先生にご挨拶しに行ったり、年賀状という名のファンレターを送ったりと能動的にファンしていました。
更新ツイートに解説入れてくださったりするのもありがたかったです!





終わっちゃったのかー……(寂しい)





またいつか晴栄に会えたらな、って思います。
夢でも走馬灯でもいいから……





ありがとう!
『魔術破りのリベンジ・マギア』!!!







以上!



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今日のラノベ!

魔術破りのリベンジ・マギア 6


魔術破りのリベンジ・マギア
6.九尾の権能と鬼哭の獣

著者:
子子子子子子子

イラスト:
伊吹のつ

レーベル:
HJ文庫


【あらすじ】

 留年の危機に陥ったティチュと鴨女を連れ、補講代わりのレポートを完成させるべく大和へ帰国した晴栄。陰陽寮へ帰還したことで改めて自身の成長を実感するが、その変化は狐狼丸との“契約”に歪みを生じさせていた。
 そして、歪みをきっかけに己の在り様を問う狐狼丸に声がかかる。
「久しぶりよな――いいや、はじめましてと言うべきかのぅ?」
 彼女こそは【邪悪の樹】序列第七位、『色欲』を司る妖婦・九曜。《白面金毛九尾の狐》として知られる、最後の神獣だった――




感想:★★★★★






一人と一匹の絆は新たなステージへ!!







まずは狐のほうの話。コーン


復讐によって繋がっていた晴栄と狐狼丸。
歪にもシンクロした主従として描かれていた二人の関係も、晴栄が復讐とは違う道――改革を選択しようとしていることによって、歪みが表出。

そこに現れる九曜。白面金毛九尾の狐。
人の伝承により悪しき存在へと塗り替えられ人への憎悪に燃える伝説の大妖怪と、両親を殺された憎しみでもって陰陽師を憎み復讐を誓った狐狼丸。
根本的な存在のあり方としてはもちろん血縁として両者が繋がっているのは自然なことで、故にこそ狐狼丸が晴栄の元を去る決断の最後のひと押しになり得たのでしょう……


しかし、しかしですよ。
「復讐の道を違えれば“共犯者”の権利として殺す」と宣言している狐狼丸と、「お前にはその権利がある」と認めていた晴栄が、実際に道を違えた時にああいう戦いをしてそういう着地点になるところが、やっぱり二人の芯の優しさを反映しているな、とニマニマさせてもらいました!










復讐を決意するということは!


それだけの情を捧げる誰かが居て!


それだけの情を持つ人であるということ!!








この点は晴栄というキャラを読み解くにあたって、やっぱり外せないですね!








……では、人への憎悪に燃える九曜は???ということですよ。えぇ。

人の情に助けられ、人の愛を一身に受け、それを返そうとしているだけなのに周囲に悪と断じられ国を傾けることとなってしまう彼女。
狐狼丸へ手を差し伸べたのも自らの血を分ける者と過ごすとか、権能の回収とかの主目的以外にも、狐狼丸に自分と同じ思いを味合わせない為っていうのもあるので、やっぱり憎めない存在です。
いや、物語的にもそういう方向性ではありますが。
それ以前のキャラ造詣、神格形成の段階でそう感じるのが今巻の敵さんであるところの九曜さんでした!









……で、主従の話はめでたしめでたしだったので忘れそうになってますが前半戦の情報量がな!!!!??








……っていう話は一応ネタバレパートですることにしましょう。







『リベンジ・マギア』のリベンジの意味が明確に変わる第6巻!







男装しているハルナちゃんも可愛かったぞ!!

(性別の概念がゆらぐ!)







というところで……



一旦、以上!















~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

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今日のラノベ!

魔王を倒した俺に待っていたのは、2


魔王を倒した俺に待っていたのは、
世話好きなヨメとのイチャイチャ錬金生活だった。2

著者:
かじいたかし

イラスト:
ふーみ

レーベル:
HJ文庫


【あらすじ】

「一緒にバカンス楽しみましょうね、イザヤさん」
 ヨメのお誘いで海辺のリゾートにやって来たイザヤたち。水着、砂浜、温泉とバカンスを満喫し、イザヤとヨメのいちゃラブも加速ぎみ。しかしそこにイザヤの「昔の女」と名乗る錬金術師・ロゼが現れる。かつてイザヤと冒険者生活をともにしていて、イザヤを自分の元へ「連れ戻す」と宣言したロゼに、もうイザヤ無しではいられないヨメはどう立ち向かう?スイート錬金生活、待望の第2巻!




感想:★★★★★





今巻もヨメが可愛いのだぞっ☆










海辺だ!
バカンスだ!!
リゾートだ!!!





ってことで、水着に着替えて地獄の十番勝負に勤しんだり、イザヤが今の生活とかつての生活のどちらを選ぶのかハラハラしたりする物語。




ヨメとイザヤの距離がどう縮まるのか。
すなわち、錬金術のパートナーとして縮まるのか、それとも男女のパートナーとして縮まるのか、これを見守るのが最高に楽しかったです!!



イザヤはぷちあにさん至上主義を掲げているのかなんなのか、動揺はするものの決定的な気づきには至らず。この朴念仁め。


一方のヨメは、イザヤへの好意を自覚しているのかどうか……とても微妙な……ラインを攻めてきますね……!
自覚してるけど恥ずかしさが勝っているから直接は言えていない、BUT、アプローチは欲求を反映して大胆になっていっている……と見るべきかしら……?
隅から隅まで可愛いのでそのままアプローチ頑張ってほしいですね!






新キャラのロゼについて!



バカンス中の一行の前に突如現れた完璧なプロポーションを誇り、魔術剣術錬金術にも秀でた冒険者。
それがロゼ。
魔王討伐前のイザヤにかけられた言葉を忘れず、イザヤを探していたという意外と一途な女の子。
意外とか言っちゃいけないですね、えーっと、えと、とっても一途でかわいい!!

……まぁ、このロゼとイザヤの関係というか因縁というかについては、
「イザヤさん、そこ、土下座。」以上に適切な感想は無いですね。
ロゼがあまりにも不憫すぎます……






ストーリー的な部分の感想



冒険者としてのイザヤ
錬金術のパートナーとしてのイザヤ

その両面を見たヨメが、


「それでも自分の隣に居てほしい」


ではなく、


「(戻りたいと言われたら)止められませんよ」


と言うシーンがとてもヨメらしくて印象的です。

なんというか。
最後の最後まで追い詰められなくても、選択において自分の感情を一歩引いたところに置いているというか。
相手にとっての最善を選べてしまうというか。

だって、イザヤが居なくなったら大掛かりな錬金ができなくなって、それはヨメの連勤生活において誤魔化すことができない弱点で。
多分イザヤが居なくなっても、元に戻るだけと言い聞かせてたりするんでしょうね……。
そんなヨメが健気で、でももっと強欲になっていいんだよ!って声を掛けたくて……ね。








錬金バトルで終わらず、冒険と感動で終えたあたりイチャ錬っぽさを感じました。
人情あってこそのイチャイチャ錬金術です!!




強いて難点を挙げるなら、酔っぱらいシーンがほぼダイジェストだったことですかね……
無くても困らないけどあったら嬉しい、くらいのサービスシーンとして欲しかったです。
温泉シーンで補填されてるので、ほんと強いて挙げるならってくらいです。
ふぁふぁふぁ








3巻はどうなるのでしょう……




結ばれるのかしら?結ばれるのかしら??

お姉ちゃん気になっちゃうわ〜♡















…………以上!


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今日のラノベ!

魔術破りのリベンジ・マギア5

魔術破りのリベンジ・マギア
5.救世の屍王と恩讐の彼方

著者:
子子子子子子子

イラスト:
伊吹のつ

レーベル:
HJ文庫


【あらすじ】

 中華魔術と激突!“邪悪の樹”から鴨女を救え!
 祭宴が終わってすぐ、鴨女が突然姿を消した。彼女の両親の仇が米国内で目撃されたため、復讐を果たしに向かったというのだ。その仇の名はフー・マンチュー。【邪悪の樹】序列第九位『不安定』を司る狂気の道士。
 “救済”を謳い、人類の同時鏖殺を目論む彼の男の圧倒的な力を知った晴栄たちは、謎の包帯美女・リンタンを仲間に加え、鴨女の救出に向かうが……!?
 屍霊渦巻く廃坑の街・セントラリアに魔術の火花が散る!




感想:★★★★★









満を持しての鴨女回!
でもその中身は予想外……!





シナトラ回を挟んでマイルドなイメージも少し付きつつあった『リベンジ・マギア』ですが、今巻は本筋に戻って“復讐”そして“家族の仇”がメインテーマとなっていました。
4巻=ライトという式が成立するのならば、5巻=揺り戻しヘヴィーという式も成立するのです……



鴨女やフー・マンチューの復讐に触れるなかで晴栄の復讐観がどう変わっていくのか……というほど、もう晴栄からガツガツした復讐の意思は見られなくなってきました。

いや、うーん……
目指す復讐が変わってきているんじゃないかな?と思うんですよね。
特に言及されていたわけではありませんが。

「潰す」復讐ではなく、こう、「誰も傷つかない」復讐へ向かっているというか
ティチュとか今巻登場したリンタンとか、辛い目に合いながらも特定の誰かへの慈愛に溢れる人と身近に居ることで変わってきたというかムニャムニャ……
言語化難しい……


ただ、そうして復讐から殺伐とした感じが消えるとするならば、そんな晴栄を見た狐狼丸がどんなリアクションをするのか気になるところではあります。
まさしくその点において同調しているからこそ降神術を高度に扱えているようなところもあるわけですし。
何も無いなら無いでそれで良いんですが、あったらあったで胃が痛くなりそうでワクワクします!






全体的な感想はこのあたりで。
細かいところの感想とかを読書メモで長めに。





読書メモ




39p:貯蓄なら腐るほど
⇒優良物件ハルナちゃん!

……とまでメモしてあったんですが、1冊読み終わった後に見返すと「こんなメモ残してしまい、本当に申し訳ありませんでした」としか言えないです……
何と言っても今巻の魅力って、晴栄がいくら同郷とはいえ他人の事情に後先考えず踏み込んでいる点だとだと思うんですよ。
いや、根は優しいし困ってる人を積極的に見捨てるタイプだとは思ってないですけどね?
助けるにしてももう少し打算的に、冷静に状況を俯瞰したうえで最善手を取るのが今までの彼だったと思います。
それが今巻ではあの学園長どのに「どうして……」と繰り返す思考停止ぶりを見せるわ、資産がそれなりにあるとはいえ法外な請求に二つ返事するわ。

鴨女への愛の告白(仮)に納得感すらあったの、こういう前半の「らしくなさ」があったからでしょうね。



42p:消火困難
⇒言われてみれば炭鉱ですもんね、そりゃ燃え続けますわ……
こういう自然鎮火も消火活動も見込めない場所と言うと、「地獄の門」と呼ばれている有毒ガスを燃やしている場所くらいしか知らなかったので、他にもあったんだなぁと驚きました。
……で、調べたらセントラリア以外にも複数例存在するんですね。

ヘタすりゃ数千年燃え続ける「地下火災」米国セントラリアほか世界のバーストタウン&スポット -BUSHOO ! JAPAN(武将ジャパン)-

今回のメイン舞台・セントラリアってニューヨークから結構近いんですね……



84p:モリー・マグワイアズ
⇒や、ほんと色んなネタを仕込んできますねー!
事前に知ってる話が出てきたら楽しいだろうなぁ、と思いつつWikiを見ていくスタイル。
モリー・マグワイアズ(Wikipedia)




93p:キョンシー
⇒もちろん存在は知っているものの、その詳細はそういえば知らなかったなっていう。
多分キョンシーという存在を知ったのが遊戯王のアレですからね。
達人キョンシー。
そりゃそれ以上の情報が無いわけですよ。
死んでまで階級制度に縛られるあたりに中国っぽさを感じました(小並感)



117p:缶詰
⇒コンビーフから見る世界の缶詰文化
……これ絶対コミケの評論島にあるやつですよね。
コミケの歴史上で10冊くらい出ててもおかしくなさそうというか、多分見かけたことあります……(笑)
逆に当サークルでこういうのやるのも面白いかもしれないですね。
やるとして次の夏コミなので時流を逃すとかいうレベルじゃないですが。



176p:邪悪な笑み
⇒既刊では無邪気というか自由奔放というか、プラスの感情が前面に出ていた彼女が見せる邪悪な“笑み”にゾクゾクしたのは私だけじゃないと信じたい……!



183p:実質プロポーズ
⇒ニヤニヤタイム、スタート!



198p:良い術式
⇒父母成仏真言って、もうまさにこの物語のために存在しているかのよう。
逆説的に考えて、こうした父母の無念が常に人の歴史のすぐ傍にあったということですよね……
切ない。
213pのフー・マンチューの唱えた力ある言葉が、また良い対比として味を出しているんですよねー!



(ここ以下、手元に本が無い状態で思い出しながら書いているので、後ほど見直して訂正するかもです)


235p:這いよる混沌
⇒と言えばニャルラトホテプですが、あの作品群も関わってくるんでしょうか……?



283p:演出
⇒力ある言葉っぽくないところにソワカ付いてるのは演出なのか、次ページのルビがこっちに来ちゃった系の誤植なのか。
これはこれでかっこいいので、逆にアリな気がします!



288p:知ってた
⇒今巻のクライマックス、分かってたのに……こう……いざ挿絵付きでやられるとキますね……!
すごく劇場で見たい。
LiSAのシルシっぽい力強いバラードをながしながらこのシーン来たら泣くよ、みんな泣く。
ほんと、そのくらいのコンテンツ力はあると思うのでHJ文庫さんと全国の書店さんは頑張って売って……!
うちも宣伝がんばるから……!!



311p:ニヤァァ
⇒ニヤニヤタイム、クライマックスで最高潮!

エピローグが端から端まで尊すぎて……
ティチュとかフランとか露花とかシナトラとかついでに学園長どのとか、ヒロインがコンスタントに新登場し続けていましたが、鴨女が正妻すぎてつらい。
エピローグ読んだ後にカラー扉絵の最後の1枚見たら、もうダメ素晴らしい……!




まとめ



【邪悪の樹】がどういう組織なのかが明かされたは良いものの、序列九位であの強さですからね……
攻略法自体はあっさり晴栄が看破していたものの、攻略に必要なピースはとても晴栄だけで補えるものでは無く。
必然今回のように友人たちの力を借りながら戦うことになるのでしょうが……うー……心配ですよ……
具体的には1巻の生首ゴロリが頭を過ぎっていきます……
(メインキャラでは無かったとはいえ)




そんなこんなで6巻も楽しみです!







以上!




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今日のラノベ!


魔王を倒した俺に待っていたのは、

魔王を倒した俺に待っていたのは、
世話好きなヨメとのイチャイチャ錬金生活だった。

著者:
かじいたかし

イラスト:
ふーみ

レーベル:
HJ文庫


【あらすじ】

 かつて魔王を倒した勇者イザヤは、魔王から受け継いでしまった膨大な魔力を隠しひとり暮らしていた。ある日、錬金術師の少女ヨーメリア(ヨメ)を助けたイザヤは、膨大な魔力に気づいたヨメに同居をせがまれる。魔力の少ないヨメにイザヤの魔力を分けて欲しいというのだが、魔力を渡す唯一の方法はスキンシップを繰り返すというもので……!?「じゃ、手握るぞ」「あ、もう、イザヤさんていつも突然なんですから」照れ臭く、恥ずかしく、でも嬉しい日々が始まり―。いちゃラブが強くする、ふたりのスイート錬金生活!!




感想:★★★★★




可愛いなこのやろう
バカ野郎可愛いな!!!!!!









魔王から受け継いでしまった膨大な魔力を持て余し世俗から隠れて暮らしていたイザヤと、錬金術師の家系に生まれ努力を重ねるも先天的な魔力量の少なさにより成長が止まっていたヨメが出会い、イチャイチャしながら共に成長していく物語。



真面目な話を先に少しだけした後に、キャラの魅力を存分に書き連ねていきたいと思います。


孤独を選んで生きてきたイザヤはヨメに無理やり連れ出されることで、「誰かといる」ことの幸せを学びます。
その後に現れる孤独な錬金術師マリー。
かつての自分を見るようなイザヤの複雑な胸中は、語られすぎるほどには語られていませんが十分察することができます。


かつては孤独で良いと思っていた。
でも、孤独でない事にも良いことがある。
だから、周囲を頑なに拒むことで孤独であろうとしないでほしい。


イザヤがそう思うことができるようになったのは、偏にヨメの尽力あってのもの。
人との繋がりの暖かさを幼少の頃の親の背中から知っていたヨメだからこそ、周囲との繋がりをイザヤに示すことができたのかなぁ、と思います。







はい、真面目終わり。

以下、とても可愛いキャラクターたちへの愛をぶちまけた文章です。







まず何といってもヨーメリアという名前が神がかってますよね!
何さ、あだ名「ヨメ」って。何さ。
音声言語と文字言語の認識誤差をうまく使ってますね!
あらすじ読まない派の私は、見事に「嫁」と脳内変換して読み始めていましたよ!!!
タネが分かってからも、ついつい「ヨメ」を「嫁」と変換して読んでしまうせいで、イザヤとヨメの仲がもどかしくてもどかしくて……!





ヨメ嫁トリックを抜きにしても、ヨメが可愛いの。
全方位的に可愛いの。



「魔力供給ですから……」と自分に言い聞かせながら、手を繋ぎ、ハグし、そして……と、どんどん大胆になっていくヨメの行動は王道的に可愛いじゃないですか。




ついつい世話焼きモードを発動させちゃって、イザヤの家を片付けたり、草食と化していたイザヤさんのためにパイを焼いて持ってきたりする男をダメにする系女子としても素晴らしいじゃないですか。




でも思い出してみると、初対面シーンではゼリースラッグ(巨大ナメクジ)に勝手に追い詰められて木にぶら下がるという残念系女子としての顔も持ってるじゃないですか。




亡くなってしまった祖母や母を尊敬して、自分も負けないくらい立派な錬金術師になろうと保有魔力量のハンデを埋めるべく狂ったような勉強していたという過去が立派で尊敬しちゃうじゃないですか。









はぁ~~~~~~~、好き。






イザヤも、魔王を倒すだけの実力を持っていながら趣味が木彫りの人形(ぷちあにさんシリーズ)を作ることとか、考えすぎるせいで言葉を発せず目つきの鋭さも相まって誤解されてしまうところとか、微笑ましくて可愛いです。



ヨメと双璧を成す錬金術師で何かと突っかかってくることになるマリーちゃんも、立派なプライドの裏には彼女なりの努力の積み重ねがあることが分かると、すごく応援したくなります!



ヨメの姉代わりで錬金術師担当の監査役を勤めるエリカさんも、ヨメが関わるとぽんこつに成り果てるけどそれは愛情と心配故なのでしょうがないですね。
ヨメが(少々おせっかいを焼きすぎるきらいがあるとしても)しっかりものとして振る舞えるのはエリカさんが程よくぽんこつであるからで、今後イザヤとの関係が進展するとしたら多少障害になるでしょうが、ヨメの今の性格の形成に少なからず関与する人物としてヨメを心配するのもしょうがないです。
エリカさんの事書くと何故「しょうがない」で締めたくなってしまうのか……







で、ですよ!
さらにですよ!!

こんな素晴らしい美少女のヨメに、ふーみ先生のキュートなイラストが加わることでその破壊力がユニバース級になっているのでとても危険です!
同じHJ文庫から発売されている『造られしイノチとキレイなセカイ』シリーズでもイラストの破壊力は凄まじかったですが、今回も凄いですよー!
1ページ開くとまず目に飛び込むのが、ヨメが酔っ払ってイザヤにのしかかるシーンのカラーイラスト!


「っっっっっっあっ」


ってヘンな声出ましたよね。
えっちだ……



本文中の挿絵で一番好きなのは、39pのヨメがイザヤにパイを差し入れとして持ってきたシーンのイラストです!
「美味しいでしょう?」と言いたげな自信に少しだけ照れが混ざった絶妙なヨメの表情と、食に拘ってこなかったイザヤが初めて口にするパイの美味しさに驚く顔。
二人共生き生きしてて本当に大好き……!






読書メモ




5p:うぇへへ
⇒メインヒロインが冒頭に発して良い笑い声じゃない……!
のだけど、ファーストインプレッションが「こういうダメっぽさがギャップとして存在する美少女」という認識になったので、これはこれで手法としてアリなんですね!
勉強になります。



57p:台風
⇒素朴な疑問なんですけど、この世界にも台風あるんですね。
「嵐」とか「強い雨」とか「天変地異」とかじゃなく、「台風」という名称を使っていることに意味があるのかないのか。
一応気になったのでメモだけ残しましたが、このままだと「台風」という言葉の由来・発祥から世界の台風及び嵐の呼び方・名称特徴を調べないと気がすまないところまでいきそうなので、調べるのは一旦保留ということで。
調べて、うまくまとまりそうだったら「デスカイザーの雑記ブログ」で取り上げるかもしれません。



242p:完!
⇒……とはならなかったですね!

その後の展開とは関係ないですが、監察官のエリカさんはイザヤの過去にも関わってくる「魔王討伐者」の噂を知っていたのに、王様はじめ同席者の方々はそれを知らなかったのでしょうか……?
イザヤさん、思いっきり公衆の面前で魔力の受け渡しをしていましたけど大丈夫なんでしょうか……?
エリカさんが既にこの件について報告を上げていたのだとしても、全くの無反応ということがある……のでしょうか?
んー……気にしすぎ?





まとめ




可愛い可愛い思いながら作品に没入して読んでいたら、とてもあっという間に読み切ってしまいました。
普段同じページの作品を読む時間の半分くらいでしょうか。
2巻はもう少しじっくり読めるように……自分を焦らしていきたいと思います。






以上!



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