カテゴリ: 講談社ラノベ文庫

今日のラノベ!


5101GJpNKlL



俺はアリスを救わないことに決めた

著者:

清水苺

イラスト:

桜木蓮

レーベル:

講談社ラノベ文庫


【あらすじ】

 立川誠は、かつて孤独の淵で、悪魔的な魅力を持つ少女に救われ、遊び飽きたおもちゃのように捨てられたことがある――彼女の名は遠越有栖。有栖を必ず見返すと心に誓い奮闘していた誠の前に再び現れた有栖は、吸血鬼のような、淫魔とも言える蠱惑的な笑みを浮かべ囁いた――「また昔みたいに遊びましょうよ」――そんな折、誠は気まぐれで一人の少女、葛城りるを助けた。天使のように純真で奔放なりるは、有栖がもたらした極限の快楽に侵され常軌を逸した行動を始める誠に、自らの愛とからだを擲って救いを与えようとするのだが……最凶なまでに美しい悪魔と純潔だが汚れを恐れない天使の、美しく哀れな子羊を巡る興奮と欲望のダークネスサーガここに開幕!



感想:★★★★★


舞台は東神奈川、みなとみらいあたりだよ!







絶対的な美しさで周囲を惑わし"おもちゃ"を取っかえ引っ替えする有栖。
ぽっちゃり時代に救われ遊ばれ捨てられた有栖へ復讐すべく、美少年として振る舞う誠。
美少女だが本音でしか喋ることができず、周囲との関係を築くことが苦手なりる。




主要な3人が3人とも歪さを抱え、その歪さが依存を生み、徐々に噛み合わなくなっていく様が面白かったです!







誠と有栖の関係だけ見ると『政宗くんのリベンジ』みたいな。
ただ決定的に違うのが歪さ
もっと言ってしまえば"壊れて"いるんですよ、誠が。



有栖やりるも、歪ではあるんです。


年頃の女子高生が、教師にすら手を出させない高貴で蠱惑的な雰囲気を醸し出し、他人を「自分を楽しませるおもちゃ」としか思っていない態度をとる。さすがに普通ではないです。


本音を偽る意味を見出せない。その気持ちもよく分かります。ですが、そこに手を差し伸べてきた男子にいきなり肉体関係を迫るほど惚れるのは到底普通ではないでしょう。



ですが、それすらも誠の前では霞み、物語を引き立てる要素でしかありません。
では誠はどう壊れているのか?








……どう壊れているんでしょうね(まさかの)








悪魔に主導権を奪われ、弄ばれることに愛を見出し。
ただただ有栖を信奉し、崇め、穢し、独占しようとし……




そう、作中冒頭では「鏡の中にいる人のよう」「鏡から飛び出してきた」と表現されていましたが、そこから出てきた有栖を前にした誠は、神を前にした信者に近いのかもしれません。

いや、知らんけども(無神論者)






初めから壊れている主人公が、徐々に壊れ直していく物語。
そして、それを救うヒロインの物語。




この読後感はいろんな人に味わってもらいたいなぁ……
そう、例えば純粋なラブコメが好きな人にこそ。

純水自体は毒じゃなくても、過剰摂取するとナトリウム欠乏症になるぞ?って屁理屈こねて読ませたい1冊。





以上!



今日のラノベ!

じゅっさいのおよめさん


じゅっさいのおよめさん

著者:
三門鉄狼

イラスト:
ふーみ

レーベル:
講談社ラノベ文庫


【あらすじ】

「わたしはせいじのおよめさん!」
 僕こと倉敷誠二が終業式を終えて家に帰ると、家の前で待っていた十歳くらいの見ず知らずの少女に、いきなりそう言われてしまった。およめさん宣言のもと、一緒に新婚生活を送ろうとしてくる少女。けれどもちろん、ぼくは十歳の少女と結婚することにした憶えはない。このままでは事案コース……そう思いながら少女に話を聞くと、どうやら彼女はクラスメイトの御殿山みのりで、昨日突然その姿になってしまったらしい。僕は幼女化したクラスメイトと新婚生活を送りながら、彼女が失った時間を取り戻すために奔走するが……!?
 これは、僕の人生を変えた、ある夏の新婚生活の思い出の物語――。




感想:★★★★★





いなくなるかと思いきやいなくならないかと思いきやいなくなる小説










じゅっさいのおよめさんとお風呂に入るお話。
もとい、じゅっさいのおよめさんが現れた経緯やら何やらを探ったりする純愛小説。



まずはふーみ先生の美麗な表紙イラストから十分分かっていたことですが、およめさんが可愛かったです!!!!
……あらすじで名前出してるし、いっか。
みのりがとっても可愛かったです!!!


じゅっさい相応の、あるいはもう少し幼いくらいかもしれません。
「わたし、将来○○のおよめさんになるー!」
という無邪気な宣言、本当に可愛いですよね?
あー、いえいえ、決して性的な意味ではないですよ?
一般論的に微笑ましい方向での「可愛い」です。


その微笑ましさはそのままに、体が小さくなる前に得ていた家事スキルを引き継いだリアルおよめさんムーヴのじゅっさい。

天使か?天使か。


スキルがあっても体が追いつかず包丁を叩きつけることになるシーンとか、なんかもうとりあえず頭ナデナデしたくなりますよね!
したく!!!なりますよね!!!!!!


普段は舌っ足らずな感じをうまいこと表現できるオール平仮名で蕩けさせるのに、頑張れば高校時代の話し方もできるというギャップもね、またね、そそられますよね。
あー、いえいえ、決して性的な意味ではないですよ?
クラスでも家でも決して表に出すことのない本能的な部分での思考が表に出てきているということが、そう、そういう部分でのギャップがそそられるということです。








真面目な話



体はじゅっさい、だけど精神的には高校生なみのり。
フィールドワーカーとしてあちこちフラフラし、自由に思うままに生きる槇村さき。
行動に意味を求め、生活に理論や規則性を欲する誠二。

「人それぞれの違い」と「年齢による違い」
2つの「違い」をうまいこと分かりすぎないように混ぜていたのかなぁ、と思います。



こう……生きているとやっぱり、色んな人と出会うじゃないですか。
その中でも合う合わないだとか好き嫌いは当然あると思うんですけど、じゃぁそれが一面から全て判断するかと言えばそうじゃないですよね。
繋がりが深くなればなるほど上下左右前後表裏、ありとあらゆる角度から見ることになって、その度に「この人のこの一面は共感できる」「この人はなぜこう思うのだろう、理解ができない」とかなんとか、その人についての評価が変わっていきます。


その評価の基準となるもののひとつに「自分との誤差」みたいな尺度が多分あって、生活を送っていくうえでその誤差をすり合わせていくことで円滑な人間関係を築いていて。


で、みのりはみのりでそのすり合わせをじゅっさいとして振舞うことであえて放棄し、誠二は誠二でその放棄を受け入れる。
その理由が序盤は「じゅっさいだから」が大勢を占めているんですが、およめさん=みのりと判明してからは「他人だから」という理由の割合が徐々に増えていくようで。


さきさんに関しても年齢不相応なはしゃぎっぷりを見せられる場面もあれば、真面目にみのりについて考察する場面もあって。
でも、みのりを見たあとだとそんなさきさんのギャップを年齢だけで片付けないように見ることになって、それがまた何というか深く読まさせるというか……



可愛さに震えながらも、そんなこと考えてました。はい。
結論はない。






読書メモ





11p:えー
⇒この作品読んだ日、精神的に癒される系のラノベが読みたくてこの本を持っていったんですが、開幕で生死に関わる結末示唆が出てきて「あぁ、これどうしよう……」ってなったラノベブロガーの図。
読み始めるまであと5分。



42p:まえはへいきだった
⇒あらすじ読んでなかったので、「じゅっさいのおよめさん」の正体について推理しながら読んでいたんですよね。
読後にあらすじ読んだら思いっきり正体書いてあってびっくりしました。
中盤に差し掛かるくらいまでは謎のままでしたし、普通に見所になると思うんですけどねぇ……
およめさんがみのりだと知っているかどうかで、序盤の面白さがだいぶ変わる気がします。
正確には面白さの方向が変わります。
正体を推理する面白さか、元JKによるようじょプレイングの面白さか。
つまり編集部的には後者を意図している中、わたしはうっかり前者してしまったわけですね。
得したと見るべきか、損したと見るべきか……



169p:それよ
⇒そうですよね!!!
神社で神に誓って自分でなんとかするなら神からしたら「勝手にしろ」ですよね!!!!
わかる!!!!!!

神頼みした後に良い事が起こっちゃっても自分の運のおかげにするでしょう。
神頼みした後に悪い事が起こっちゃったら神様のせいにするでしょう。

あるいは逆か。
良い事が起こったら神様のおかげ。
悪い事が起こったら自分のせい。

どちらにしろ不毛じゃないですか。
だから私は神頼みしたくないんです。
大学受験の年、初詣から2週間、センター試験3日前にインフルエンザになってから、私はそうやって生きると決めたんです……



203p:さき姉
⇒挿絵が不意打ちボディブローでノックダウン10カウント



239p:みのり
⇒挿絵が素晴らしいんですが、この続きは美少女文庫から出るということで間違いないでしょうか?
え、出ない?
出ないかー、そっかー……(´・_・`)






まとめ





他人を想う気持ちって温かいですね

みのりの行動って冷静に振り返ると狂気じみているんですよ。


一目惚れして、話しかけられなくて。
そんな相手の死の運命を知ったら、迷わず自分の命を差し出して。
余命でやることはそんな相手との新婚生活。


チグハグなようで「好き」というところで一貫している彼女の行動に、温かさを感じます。




ふーみ先生のイラストも可愛くて綺麗で素晴らしくて、もう本当に一冊通して最高でした!






以上!


今日のラノベ!

公園で高校生達が遊ぶだけ



公園で高校生達が遊ぶだけ

著者:
園生凪

イラスト:
トコビ

レーベル:
講談社ラノベ文庫


【あらすじ】

 瀬川エリカと俺、吾妻千里は小学校3年生からの幼馴染みだ。
 小学校でも中学でも、そして高校でも、瀬川と俺は、公園で遊ぶ。ダベったり、野球をしたり、あ走り回ったり、ちょっと喧嘩したり。
「とりあえず吾妻の中で、わたしを可愛さピラミッドの頂点に設定するといいよ。そうすればわたしを通して“可愛い”がわかる」
「瀬川を可愛さピラミッドの頂点に設定すると、具体的にどうなるんだ?」
「わたしに似てれば似てるものほど、吾妻は可愛いと認識しだすよ」
「じゃあ、電卓とかも可愛く見えんのかな」
「ちょっと待って。吾妻の中でわたし、電卓なわけ?」
 そして今日も公園で、高校生の何気ない日常が紡ぎ出される――。





感想:★★★★★




うわ、本当に高校生達が公園で遊ぶだけの話だ……!










日常かと思いきや、友情と絆に満ち溢れたラブコメ

日常かと思いきや、パニックホラー





そんな例はいくつも見てきましたが、この物語は混じりっけなく本当にびっくりするくらい高校生達が公園で遊ぶだけのお話ですね。
それ以上でもそれ以下でもなく。






例えば主人公の深夜徘徊
近所の人に「謎の不審者」として噂されるほど、毎日のように家を抜け出し公園を散歩。
 +このタイトル

=昼間は何気ない高校生として振る舞いつつ公園の邪気を確認し、夜には邪気を祓うなどして人知れず平和を守っていたら何やら悪の組織が現れて系のお話






例えば幼馴染(女)の親友(女)と2人で恋バナ
「幼馴染(女)との関係はどうなの?」というイジリ
 +このタイトル

=その場では何気ないふうを装いつつ、終盤で段々近づきくっつく二人に「ほらね?」とドヤ顔を決める親友(女)を2人がどつく。







……とか、ありそうじゃないですか!!
ぜんっぜんそんなこと無いの!!!





瀬川と吾妻がちょっと良い雰囲気を醸し出したりするシーンはありますが、
マブダチ以上「友達以上恋人未満」未満みたいな。

で、そこにもどかしさを感じるかと言えばそうでもなく。
「まぁ、瀬川と吾妻だし?」と納得している自分がいるんですよ。




じゃあ、この本って何なのだろう?と考えてみるけど……何なんでしょう?
読んだからには何かを学び取りたいですが、かけがえのない友人?いつかは色褪せる日常?
多分そうじゃない。
そうじゃないんだろうけど、じゃあ何?というところで止まってしまうもどかしさ。









それが青春

これぞ青春









まとめ





ありそうで無かったというか、誰も商業レベルでやらなかったことをやってのけましたよね。
誰にでも書けそうで、誰も書かなかった「ただの日常」。


疲れている時に読む分には最高の小説だと思います。
疲れている時に読んで最高だと思った私が保証します。

重厚な物語を求めている時には……まぁこのタイトルをそんな気分の時に手に取る人は稀でしょう。
歴戦の猛者が裏をかいて手に取るくらいで。





「もっとも軽いライトノベル」を是非に。




以上!




今日のラノベ!


異世界魔王と召喚少女の奴隷魔術 10

タイトル

著者:
むらさきゆきや

イラスト:
鶴崎貴大

レーベル:
講談社ラノベ文庫


【あらすじ】

MMORPGクロスレヴェリのトッププレイヤー坂本拓真は、異世界に招喚され、魔王ディアヴロを演じることに!?大きな戦いを終えたディアヴロだったが、怠惰な日々を送ることは許されなかった。国王陛下から召喚命令が届く。さらに、レムに渡した結婚指輪が、実はシェラの指輪と対になっていることが判明!バレる前に正式なものを用意しなくては!?ギルマスのシルヴィに協力を頼む、魔王らしく尊大に。「許す、我のために存分に働くがよい!」「じゃあ、探検に行こうか―“深緑の大聖堂”へ!」やがて世界を震撼させる魔王(演技)が、絶対的な強さで突き進む異世界冒険譚、第十幕!新展開、開幕!




感想:★★★★★




満を辞してのシルヴィ回!











TVアニメ放送開始しましたね!
早速アニメ効果なのか、Amazonのラノベ売れ筋ランキングでも本作が大量発生中!
7/9の19時時点ではトップ15に既刊全てがランクイン!!凄いw







ではここから感想。


1巻からディアヴロを翻弄し、ギルドマスターという立場からサポートもしてきたシルヴィが表紙に登場!
その薄着とは裏腹にガードの硬かった彼女がついに魔王の毒牙にかかるのか……?と期待していましたがそんなことはありませんでした……
むしろ無意識の誘惑で魔王を翻弄する側でした……!


その薄着で膝枕&耳かきは……天才かっ!!



魔王モディナラームとの戦闘を経て、ギルド全体としては力を持つディアヴロへの警戒を強めなければならない状態になっていますが、シルヴィ本人としてはディアヴロへ信頼を置けると判断しつつある感じでしょうか?
もともと要警戒って程の態度は示していませんでしたが、ディアヴロの個人的な相談のためにギルドの仕事を後回しにしたあたりに、個人的な信頼関係が見えた気がします!







久々の登場となったホルンちゃん&女神ババロンは嬉しかったです!
盗賊としてのレベルは80になったもののその力を引き出しきれずにいる上に、魔術師としての成績も伸び悩む彼女。
真逆の理由から伸び悩む状態にあるために、なかなかコレといった解決策を見いだせないのがですね……
でも今回の事件で生徒会長と繋がりを持てたことですし、もしかしたら急成長をみせるのかも?

頑張れる子で素直に反省もできる子なので、乗り越えた姿を早く見せてほしいものです!


でも王都編が終わったらまた離れ離れになっちゃうんでしょう……寂しい……





ババロンの発言やシルヴィの言う魔女の存在からして、ディアヴロ以外にも異世界召喚されてきた人物がいるのは間違いなさそうです。
むしろレベルアップを司る女神がそういう知識を持っていて当たり前のように例えに用いるくらいですから、そもそも「異世界への召喚」ではないという可能性も無きにしも非ず……




読書メモ




20p:また角か!
⇒また角か!!!
好きだな!異世界、ベッドインの角、好きだな!!!



49p:よがっだよ……
⇒これで本当にササラが剣術の師としての一歩を踏み出すことができます……!
育ての親との決着から魔王討伐と息つく暇もない展開でしたが、父を弔い蕎麦と打つことでようやく気持ちの整理をつけることができるんじゃないかな?とほっこりしました。



122p:ワルイド
⇒……誤字?



158p:血筋
⇒レムの家系が先祖代々受け継いできた魔王。
やっぱり封じられるに足る理由はあったんですね……!
……あれこれ初情報で合ってますよね?既に出されてる情報だとしたらちょっとばかしこのリアクションだと恥ずかしいんですが。
ストーリーに関しては毎巻冒頭で振り返ってくれるので完璧ですが、細かい発言だったり伏線はやっぱり頭から抜け落ちてしまいがち……
長く続くシリーズほどこうした疑心暗鬼が積み重なっていきます。
シリーズが続いていることに喜ぶべきか、楽しみきれないことを嘆くべきか……






まとめ






あちらの世界の「魔王」という絶対的な脅威が取り除かれた今、この作品の次なる目標がどこに定められるのか。
11巻で行われるであろう王との謁見が鍵を握る……のかな?
王宮親衛隊の好戦的な立場も気になりますし、色々と楽しみです!!





以上!



にゃんにゃんにゃーん (。☌ ᴗ ☌。)

スモモちゃんだと思った?
残念、デスカイザーです!


今日は『→ぱすてるぴんく』のプチ聖地巡礼してきました!
もうちょっと回ってみたい場所はありましたが、実在するのか微妙な場所を特定するために歩き回るには今日は暑すぎました……
後々「雑記ブログ」のほうでまとめます~

※7/1追記
聖地巡礼についてまとめましたー!
興味がある方は以下のリンクからどうぞ!

ラノベ聖地巡礼NO.1『→ぱすてるぴんく。』
(デスカイザーの雑記ブログ)







では、そんな本日は当然この作品。
今日のラノベ!



→ぱすてるぴんく 2


ぱすてるぴんく。2

著者:
悠寐ナギ

イラスト:
和錆

レーベル:
講談社ラノベ文庫


【あらすじ】

スモモが引っ越してきたことから始まった“炎上”事件もどうにか収束を迎え、緋色とスモモは穏やかな日常を送り始める。スモモの家でお泊まり会を開いたりと二人のイチャイチャも加速しつつある連休前、緋色のクラスでは遠足に向けた班決めが行われるが―!?―渚と同じ班…だと?成り行きで緋色は渚たちのグループに加えられてしまい、遠足は波乱の展開に。そこで聞かされる、渚の想い。そしてスモモが願う、自分たちの“恋人”としての在り方とは―!?元カノと今カノの想いが混じり合ったその時、再び物語は動き出す。中高生に“刺さる”と話題を呼んだネットネイティブ世代の青春を描く新感覚ラブコメ、再始動の第2巻!




感想:★★★★★




壊れたスマホから始まる、過去の恋の決着。





大人気最先端型新感覚ラブコメ第2弾ということで、先述の通り発売日に合わせて聖地巡礼を敢行するくらいには楽しみにしていました!!
ひとまずその期待が悪い方向に裏切られることはなかったので一安心。
(ここまで盛り上げておいての★3とか洒落にならない)


メインヒロインを差し置いての渚回!!!
……というほどスモモが置いていかれるわけではありませんが、やっぱり最後に持っていくのは渚。
1巻で「空中分解した初恋」をお互いに認め合った2人が、「初恋を終わらせる」ためにどう動くか、というのが1つのメインストーリーでした。
永遠のサブヒロイン・渚の生き様がここにあります……!!

当然メインヒロイン・スモモとのデートや、小悪魔フレンド・檸檬ちゃんのメイドさんスタイルなど、どのヒロインもスポットライトが(表にも裏にも)うまいこと当たり続けていて、そこは1巻以上に良かったと思います!
誰も空気ヒロインにならなかったよ……すごい……
強いて言うならスモモの妹が空気。





和錆先生のイラストは、今回も最高に素晴らしかったです!!
唇がセクシーですよね……!
色合いとかスタイルとかも魅力的ですが、イラストのどこに目が行くかと言われたら唇なんですよ。
すももがあどけないのに大人びて見えたり。
超然とした雰囲気を纏いそうな渚が女子高生のラインに戻ってきたり。

そんなフェチ今まで全く持っていなかったはずなんですが……不思議です。







今回も「写真のクラウド保存」「スマホが無いと連絡が取れない」「戦略的なSNS」など現代の若者が共感できるようなネタと、「デート先で友達とエンカウント」「ぼっちに辛い遠足の班分け」などラノベの鉄板ネタを融合させていくスタイルが読んでいて楽しかったです。


そう、遠足。作中では懇親会という名称でしたが。
1年のスモモと檸檬ちゃんは高尾山へ、2年の緋色と渚は鎌倉へそれぞれ向かいます。
ねー。
普通に学校生活謳歌できていれば楽しいイベントなんですけどねー。






……中学の遠足が鎌倉だったんですよね。私。
いじられ男子三人衆+強気な女子2人の5人でグループ組んでいて、お世辞にも楽しいと言える遠足では無かったなぁってことを思い出しました。
お手洗い行って戻ったら居なくて、誰の連絡先も知らなかった為に小町通りを半泣きで右往左往したり。
お土産の鳩サブレがバッキバキに割れてたり。
そもそもずっと気まずい空気だったり。


緋色くんが悲しい思い出を作ることにならなくて良かったです……
危うくザキさん(柿崎さん)を好きになってしまうところでしたよ……



1巻に続いて2巻でも抉られるとは思いませんでした……やるな、悠寐ナギ先生……コフッ
恋愛に関しては相手も居ることですし渚の叫びを読んで理解した上で「黒歴史」として処理するようなことはしないですが、今回のに関してはガチの黒歴史と読んで差し支えないやつなので困ります。



「あたしとの思い出を黒歴史だなんt「お前は誰じゃアレは黒歴史じゃ!!!!」」

ってやつです。







私の黒歴史の話はここまでにして、「等身大」と「顔」をキーワードにしてネタバレしない程度に踏み込んでいきましょう。



「等身大」と言うと、本心をありのままに~とか、偽りのない姿で~、とかをイメージすることが多いと思います。
少なくとも私はそうで、多分緋色くんもそうなんですよ。
それ自体間違っているわけではありませんが、それが満点回答かというとそうではなく。

「等身大」が1つに収束しなくても良い、というのが緋色くんの見落としていた部分。

それを表現するのに一番良い言葉が「顔」かなぁ、と。




例えば渚なら、

・ザキさん、南雲と3人で居る時の「顔」
・後輩の檸檬ちゃんを前にした先輩としての「顔」
・緋色を前にした時の素「顔」




と、それぞれ微妙に異なる「顔」でそれぞれコミュニケーションを取っていますが、そのどれもが「等身大」の彼女であることに間違いはありません。
檸檬ちゃんもその辺りうまいですよね。
普段マイペースそうなザキさんでさえ、SNS上では「顔」を使い分けていました。


必要な時に適切な「顔」を使い分ける。
その使い分けも含めて「等身大」である。


スモモと平等であろうとすることと、渚と程よい距離感で接すること。
それを同時に行うことの難しさに翻弄されるのが今巻の緋色くんでした。
言ってしまえば1巻の本質もこの「顔」の在り方に帰結するので、実は同じようなところでグルグル回っている緋色犬だったりします。






「緋色くんが犬って可愛いですね!」
すももさん、カットインやめてください。誤字です。







1巻と同じような展開、されど青春ってそういうものだと思います。
特に人間関係について、一回学んだから「はい、次から完璧に直せます!」なんて無理です。
少しずつ、まわりの助けを借りながら、矢印の行き先を少しずつ調節していくんです。
それが青春。それで青春。
振り返りたくない記憶で成長し、振り返りたくない記憶になるかもしれない出来事を積み重ねていくことが青春。





緋色の矢印の向かう先がすももで終わると書いて『→ぱすてるぴんく。』
本当によくできたタイトルですよ……





読書メモ




105:マジ卍
⇒寺だけにね!
……いや八幡宮は神社枠だな!!!



116p:壊れたスマホ
⇒緋色のスマホで渚のアカウントにログインして連絡を取れたのでは……?
いやいや、緋色が気づかなくても渚がそれに気付かなかったとは思えないですから、これは渚らしさの出るシーンということで。



174p:木製の電卓
⇒何ですかそれ欲しいんですけど……
これは聖地巡礼ついでに買えというお導き……?



183p:アンジ……

⇒このカフェ実在するんでしょうか……
西船橋は軽く駅周り一周しただけなので写真とか残してないんですよね……
今度また行ってみます。



210p:ふらふら
⇒なるほど。
これが後のスモモの状態のフラグでしたか!



228p:駅まで10分
⇒うーん……フラワーロードのオ○ジン弁当あたりを右折するのかな……
2巻のほうが特定の手がかり多かったのが今回の聖地巡礼最大の誤算なんですよ……
小岩のあたり歩き回っていた時、まだ2巻の60pくらいしか読んでいなかったので「商店街を抜けて」「自宅から見て駅とは違う方向に中学がある」「公衆トイレとブランコとツツジのある公園」「中学までチャリ通&川沿い?」とかくらいしか手がかり無かったんですよね。






まとめ




なーんかまた気がついたら長い感想になってますねー……
あっちこっちに書き留めたい感想が落ちたので、それを掬い上げていったらこうなってしまいました。

3巻も読みたいですよー!!
檸檬ちゃんについてもっと深く掘り下げた話になりそうな予感がビンビンしますからっ!



最初は「フォロワーさんが受賞してる!読まなきゃ!」から気にしていた作品だったんですが、いつの間にかというか恐ろしいスピードで人生に食い込んでくる作品になってしまっています。

でも、しょうがないですよね。
男の理想を凝縮して生まれたような後輩系彼女と、男の理想を凝縮して生まれたような美女元カノと、男の理想を凝縮して生まれたような後輩小悪魔萌え袖っ子ですよ?
こんなバカ正直に「私はこういうヒロインが好きです」って宣言されたら「私も大好きです」って返礼するしか無いじゃないですか?

ストーリーは見覚えのあることないことズバズバ抉ってくるから心にも深い傷を残していって、記憶に残る可愛いヒロインがいて。

面白い面白くないとかの前に、こんな理想の集大成を忘れろというほうが無理ですよ!
全くもう!!全くもう!!!!




はい!以上!!!




↑このページのトップヘ