カテゴリ: その他のレーベル

今日のラノベ!



バスカビル家の狗


バスカビル家の狗

著者:
糸宮むぎ

イラスト:
シア

レーベル:
オーバーラップノベルス


【あらすじ】

父は宰相、母は前国王妹。兄は宮廷魔術師。代々バスカビル王家に仕える名門・フォーマルハウト侯爵家。その次男であるワイスもまた、最難関の特務級魔術師試験を突破した俊英。将来を有望視されていたが、就職先が見つからず―ニートとなった。日々をぼんやりと過ごしていたワイスは、『親の七光り』で庶民出自の王女・アメリアの近衛騎士を強制的に務めることに。果たしてワイスは首にならずに職務を全うできるのか…!?





感想:★★★★☆




自己評価、海抜マイナス30メートル





自己評価が何故か途轍もなく低い天才魔術師・ワイスが、周りを赤面させまくったり、忍び寄る敵の手から王女・アメリア様を守ったりするお話。






ワイスを周りから見た時の評価は、こんな感じです。



ワイス様ほど総合強化の学力に長け、親和獣の制御に長け、個別学科の魔術に長け……そ、そ、その……容姿にも長け、家柄にも長け、近寄りがたく畏れ多い、声をかけるのも憚られるような、素敵な王立学院の生徒は、一人もおりませんわ。

         本文317pより




これが学院在学中の評価で、このシーンの3~4年後がこの物語の舞台ですから順当に行けば能力面では更に成長していると見て良いでしょう。
……にも関わらず、ワイスの自己評価はとても低いというのが今作最大のポイントです!



綺麗すぎて近寄りがたいのを、怖い顔だからと勘違いしたり。
その甘いマスクから放たれる騎士然とした言葉の破壊力を自覚していなかったり。
生徒会長になったのは侯爵家という家柄のおかげだと信じて疑わなかったり。




序盤はワイスをただのニートだと思って読んでいたので、周りの反応から「……あれ?コイツもしかして物凄く優秀……?」と本当のワイスを探っていく過程が面白かったですし、「そこまで来るといっそ清々しいな!」と思っちゃうようなシーンも度々あり、それに振り回される周りの反応が少しずつそれに慣れていくのも面白かったです。
語彙が面白かったに侵食されていますが、面白かったです。

全く慣れずに赤面し続けるアメリア様もいますが、可愛いのでOKです!!
むしろそのままでお願いしますm(_)m





最初の最初、冒頭3~7pのプロローグで少し苦戦しました。
というのも主要人物ほぼ全員となる10人の名前、爵位、立場などがこの数ページに凝縮されているのです!
読了後の今読み返してもちょっと頭が追いつかないです……(笑)
ただ、逆に言えばこの数ページを読み込んで理解することで世界観にダイブすることができるということでもあり、実際そのおかげで本編を楽しく読むことができたと思います。
もしこれから読むという方がいらっしゃれば、プロローグでめげないでほしいです!





そんなところで読書メモ



読書メモ




7p:どうしよう
⇒上述の苦戦した部分



8p:どうしよう
⇒超美形のワイスを前にしたアメリア様が可愛い……



34p:サンマ
⇒ちょっとお茶目が入ってる王様ラブ。
というかこの世界サンマあるのか……



45p:どうしよう
⇒この家族、意外とノリノリだ……w
プロローグでの会話から物凄く堅く真面目で融通のきかない家庭だと思っていましたが、ワイスへの反応や近衛騎士としての受け答えマニュアルを作ってるところからするに、とても楽しい家庭な気がしてきました……。
能力あって遊びもあるとか最高じゃん……



99p:イラスト
⇒シア先生のイラストはどれも美しくてこの作品の華をより鮮やかなものにしているのだけど、その中でもこのページのイラストは特に素晴らしいです……!
ともすれば幼いかのように読めてしまうアメリア様の言動が多いんですが、そんな彼女がこんなにも美しく女性として完成されているのだと知らしめるかのような一枚。
ワイスの美貌も合わさって絵画として完成されています……!



302:エトワール……
⇒ワイスの朴念仁ぶりに在学中から苦労したであろうことが伺えます……



313p:赤面
⇒序盤から中盤にかけて、ワイスが(無自覚に)相手を赤面させては「体温計が必要か……?」と考える一連の流れがあったので、折角なら最後自分が赤面した時にもそれを使ったオチを作ってくれたらなぁ、という願望。
強いて言うなら、くらいですが。




まとめ




敵であることには間違いないものの、その目的が掴めない『薬指』(アニュール)という組織の動きが気になります。
アルカナを元にしている魔術結社……
うん、まだまだ分からないですね。


年頃の王侯貴族がメインということもあり見合い結婚か、恋愛結婚かというデリケートな話もどんどん出てきます。
願わくば登場人物が皆恋愛結婚してくれるのがベストですが、見合いから始まる恋というのも無くはないですからね。
幸せになってくれたらと切に願います。




以上!






今日のラノベ!



バビロンⅢ-終-

バビロンⅢ -終-

著者:
野﨑まど

イラスト:
ざいん

レーベル:
講談社タイガ


【あらすじ】

日本の“新域”で発令された、自死の権利を認める「自殺法」。その静かな熱波は世界中に伝播した。新法に追随する都市が次々に出現し、自殺者が急増。揺れる米国で、各国首脳が生と死について語り合うG7が開催される!人類の命運を握る会議に忍び寄る“最悪の女”曲世の影。彼女の前に正崎が立ちはだかるとき、世界の終わりを告げる銃声が響く。超才が描く予測不可能な未来




感想:★★★★★




えー、末恐ろしいことにアニメ化決定してしまいました……

文章でさえ劇薬なのに、それをイラストにして動かして声を付けてしまおうというんですから、恐ろしいことを考える人が居たものです。
1巻のあのシーンとかあのシーン、2巻の衝撃のあのシーンとかBPO的に大丈夫なんですかね……?
わたしはしらないぞ!!

TVアニメ「バビロン」公式サイト





ということで劇薬第3巻。
これまでと趣向が変わり、主人公格として動くのはアメリカ大統領・アレックス。

世界中に広がった“自殺法”の影響。
それぞれ自国内で自殺法推進の動きが始まっているG7の首脳が、この問題に対してどんな答えを出すのか。
また、首脳という肩書きを横に置いた一個人としてなら、どう答えるのか。
それが今巻の見所でした。




正崎善は「正義について考えつづけること」を正義としながら、曲瀬愛や自殺法についての判断では感情が主導権を握る場面が多かったように思います。
知り合いが次々と自殺、殺害されているんですから当事者意識が働いて当然です。

一方、今巻のアレックスにとってはまだ“対岸の火事”。
(興味を持って考えたい事案であると同時に)考えなければならない立場にあるとはいえ、その判断基準は感情とは切り離され、理知的に導かれるもの。
他の首脳陣についても同様で、それぞれのお国柄、宗教的背景、成り立ちなどを踏まえて多くの意見が交わされていました。


読者として「自殺法についてどう思うか」という意見をまとめるのは(当事者意識が無いこともあって)とても難しいんですが、今巻で各国首脳がそれぞれの意見を並べてみせたことで分かりやすく選ぶことができるようになりました。
今後の正﨑と曲瀬の対立において間違いなく軸となる「善と悪」についても同様に意見が交わされています。
そういう意味で今巻は解説回と言っても良いかもしれません。

劇薬取り扱い説明書












あー…………

でも、やっぱり、薄々分かっちゃいたけど……

そういう終わり方ですよね…………











以下、ネタバレが少し濃くなる読書メモ




読書メモ




29p:知恵と死
⇒禁断の果実を食べたことで人は知恵を得て、同時に死が付きまとうようになった。
極論「死ぬことこそが生きること」とも捉えられ、そう考えると自殺法の存在にも意味が見いだせる気がします。



109p:!?
⇒正崎善がFBI特別捜査官になっていてビックリ。
アレックスと正崎、二人の主人公が出会い物語が加速してきます……悲しい……



167p:個展
⇒アレックスの妻・エマがとある画家の個展に興味を示しているシーンでふと思ったんですが、曲瀬の催眠のような能力は本当に「直接接触」に限るのかな?と。
「直接接触」と言っても64人の自殺者は(正崎の推測では)すれ違ったりした程度。
仕草や匂いという言葉以外の要素で操ることができるのならば、絵に暗号を仕込んだり、音楽やニュース映像にノイズを混ぜて操ることも可能なんじゃないかな?と邪推してみたり。
2巻の感想で「TVに一瞬映った曲瀬を見た全世界の視聴者は大丈夫なのか」と懸念しましたが、もしかしたら大丈夫ではないのかもしれません……

もっとも今巻のうちではエマには何も無かったので、はずれっぽいですが。




215p:通訳ボランティア
⇒そんなの曲瀬が潜入するに決まってるじゃん……ばかぁ……



231p:バビロン
⇒黙示録の七つの頭の獣の背に乗る「大淫婦バビロン」ですかー……。
このタイトルそういう意味だったんですね。



234p:8人だけ
⇒想定していた最悪のシナリオは、既に曲瀬に操られていたどこかの国の首脳がG7の会議中に突然自殺するというものだったので、それに比べたら今巻の結末は酷いですよね!!!!!
全く油断がならない。



245p:儲けと悪事は夫婦
⇒確かにそういう考えあるかもしれません……。
ブログにアフィリエイト入れることに物凄く申し訳なさを感じたり、適切な給料は貰いたいけど会社からぶん取ろうとまでは申し訳なくて思えなかったり。
でもその割に出費の節約=相手方の儲けの極小化についての罪悪感は一切感じないから、人間の頭って面白いです。





まとめ





2巻の感想で懸念した正崎の家族自殺するんじゃないか問題が、どうやら4巻で発生しそうで今からつらいです……。


もう………もう~~………




以上!






今日のラノベ!


異世界居酒屋のぶ 三杯目

異世界居酒屋のぶ 三杯目

著者:
蝉川夏哉

イラスト:

レーベル:
宝島社


【あらすじ】

古都には雪が舞い、年の暮れが近づいている。居酒屋「のぶ」が異世界に繋がってもうすぐ一年。店の評判が人づてに広まり、ハンスやリオンティーヌといった新たな従業員を迎え入れた店内は、今日も美味い酒と料理を求める客で賑わっている。そんな折、帝国皇帝と東王国の王女摂政宮の間で、“お見合い”話が持ち上がり…。






感想:★★★★★





むふふ





このまま帝国と近隣諸国との微妙な軋轢も「のぶ」の魅力でどうにかしちゃえ!


と前巻の感想で書きましたが、まさか本当に東王国の王宮摂政宮まで虜にしてしまうとは……。
もっとも、国同士の微妙な空気はこれからも残っていきそうなので完全に氷解したわけではありませんが、全くの停滞ではなく後退したわけでもないので一歩前進と見て良いでしょう。
幼王ユーグとセレスの関係が戻る時こそ帝国と王国の間に橋がかかる時、という目星が付いたんですから大きな前進と見てもいいかもしれません。


それにしても、件のセレスとコンラートの偶然の出会い・一目惚れから翌日求婚するに至るまでの流れが好きすぎてつらいです……
「むふふ」って声が自然と出てくるものだと初めて知りました(笑)
そんな初対面の二人が居酒屋のカウンターで語りあって……あぁもう想像しただけですごい……良い……良いよー……セレスの笑顔が良いよー……

現役皇帝が居酒屋に居ることの異常性はもうこの際置いておきましょうね。
先帝が来てるんですもん。現帝だってくるさ。






コンラートの婚約騒動に加えてもう1つ軸になっていたのがハンス一家

料理人の道を志したハンスと、なんだかんだ自分を継いで硝子職人になってほしい父のローレンツ、その間に挟まりつつ見守るハンスの兄のフーゴ。
3人それぞれに職人気質な我が有り歩み寄れないというのは、ある意味男の性なのかもしれませんね……。
(男女差別とかじゃないですよ……?)


ぶっちゃけ生きる目標というか人生の行く末を盛大に見失ってる私からしたら3人とも凄いです。
ローレンツの考えは妻を2人亡くしている故に「息子だけは絶対に立派に育てる」という強迫観念に近い義務感に駆られてのものなのかなぁ、と思います。
もちろん1人の硝子職人として見た時、自分にもっとも近い仕事をするのがハンスであると確信を持っているというのもあるでしょうが。

その確信があったからこそハンスよりも自分に近づく才能が弱いフーゴを、認めつつもどこか認めきれずにいたんでしょう。


そこまで見越しての事なのかそうでないのか、やはりその考えを変えたのは「のぶ」の料理でありお酒であり。
ハンスが親と喧嘩しているという話題はありましたから、あそこで親子丼を出したのはやっぱり“粋な計らい”でしょう。
本当にもう……良いお店だよまったく。




他にも今巻は、ヒルダとマクシミリアンの幼夫婦が仲直りをしたり、ハンスとリオンティーヌの仲が怪しくなったり(邪推)、ゲーアノートの弟が来たり。
お客様が変われどおもてなしは変わらず「その時の最高を」。
やっぱり読んでいてもこの接客は気持ちいいですね……!


読書メモ



16p:お節介
⇒to ニコラウス & エレオノーラ
本人が満更でもなさそうなあたり、あぁんもう最高……



38p:仲良し
⇒しのぶちゃんと信之のオフショット、もっと増えてほしい……!



190p:それでいいのか聖職者
⇒でも食べたいんだからしょうがない。
だって、魚だもの。



208p:むふふ
⇒むふふ


まとめ


ここまで位の高い人の心を掴んでいるからには、そろそろ宮廷晩餐会に招集される日も近いのかもしれませんね……。
それを信之が、しのぶちゃんが受けるかどうかは別として。
しのぶちゃんなら信之のレベルアップのために受けそうな気がします。




ん、そうだ。今巻で登場したお酒をまとめておきます。
抜けがあるかもしれませんが一応メモってる限りで。



9p:黒牛(名手酒造店・和歌山県)
122p:賀茂鶴(賀茂鶴酒造・広島県)
    菊正宗(菊正宗酒造・兵庫県)
152p:竹鶴(竹鶴酒造・広島県)
    鍛高譚(しそ焼酎、オエノングループ)
191p:久保田千寿、萬寿(朝日酒造・新潟県)
    酔鯨(酔鯨酒造・高知県)
    獺祭(旭酒造・山口県)
229p:天狗舞(車多酒造・石川県)
259p:熊野路(天長島村酒造・和歌山県)





以上!


今日のラノベ!



大須裏路地おかまい帖

大須裏路地おかまい帖
あやかし長屋は食べざかり

著者:
神凪唐州

イラスト:
平沢下戸

レーベル:
宝島社文庫


【あらすじ】

名古屋は大須にひっそり佇む小さな神社。そこの駆け出し神主を務める北野諒は、妖怪や神仏といった「あやかし」を見ることができる。そんな諒の副業は、人間にまぎれて暮らすあやかしたちが住む長屋兼居酒屋「なご屋」の雇われ店長。雇い主である鬼の一族、朱音にこき使われながら働く諒の元には、今日も怪異が持ち込まれ……。





感想:★★★★☆




おから入り手羽先が……食べたいです……




タイトル通り、名古屋は大須を舞台にしたご当地作品ですね!

大須に行ったことが無い人には、ここから興味を
大須に行ったことが有る人には、見覚えのある風景と次行く際のポイントを
大須に日常的に行く人には、登場する場所のマニアックさにニヤニヤを


それぞれのポイントで楽しめる作品になっていたんじゃないかなぁ、と思います。
私は1年ほど前に卒業旅行で立ち寄ったのが唯一の大須体験なんですが、そんな私でも207pの「インターナショナルな香り漂うグルメゾーン」や「招き猫の広場」は多分アレだなという記憶があります。


多国籍で雑多で、観光名所だけど生活感もあって、それこそあやかしの1人や2人(単位:人?)が紛れているほうが自然なんじゃないかと思う独特な雰囲気を持っている。
それが大須という地なんでしょう。





ストーリーは、あやかし長屋兼居酒屋の雇われ店長・北野諒が、大須の片隅で迷いあやかしの黒猫・トータを保護するところから始まります。
霊力の枯渇によるのか記憶を失くしていたトータに、あやかしが人間界で生きるために必要な知識やノウハウを教えながら共に生活し、その中であやかしにまつわる騒動に巻き込まれていきます。

トータの成長や失くした記憶にまつわるお話はもちろん、トータと過ごす中で諒や朱音も変化したり過去に縛られたり解き放たれたり。
「親は子供と共に成長する」という言葉がありますが、まさにその通りですね。
あるいは成長というよりは成熟に近いでしょうか?
元々諒の叱り方は要点を突いて最低限に収めていることもありとても上手いんですが、過去のことを冗談めかして念を押したり、ご褒美をわざとらしくなく置いてみたり、トータが不満に思わないような気遣いが増えていたのが印象的でした。




もう1つのポイントたる名古屋めしも、「なごやめし普及促進協議会公認」なだけあって美味しそうでした!
美味しそうというか最早美味しい(強い断定)

特におから入り手羽先ですね……!
奴はいかんよ。いかんよ、やつは。
どう考えてもビールがすすむやつじゃないですか。もう。まったくもう。ビール。


どて煮も食べたいですね……。これは日本酒で。
あと豚の串カツが出てきてましたね……。あれは知多ハイを合わせたい……。
志の田うどん。初耳だったんですがあれは圧倒的〆ですね……。



とりあえずこの感想書き終わったらビール呑むとして。
読書メモです。




読書メモ




5p:北野神社
⇒大須観音の北に位置する実在の神社。
つまりそこから徒歩十秒にあるあやかし長屋兼居酒屋も実在するという雑な名推理はともかく、菅原道真を祀るこちらにも足を運んでみたいものです。



18p:青く染まったドラゴンズブルー


遠い夜空にこだまする
竜の叫びを耳にして
ナゴヤ球場つめかけた
ぼくらをじんとしびれさす
いいぞ頑張れドラゴンズ
燃えよドラゴンズ



(「燃えよドラゴンズ(作詞・作曲:山本正之)」より)


スピードワゴンの「ナゴヤドームに行きましょう」に当てられてる感はある




84p:錦三
⇒「名古屋市中区錦三丁目」の略称で、ここは有名な歓楽街なんですって。



143p:大須の縁日
⇒折角大須行くなら、より多くの人で賑わっている日を狙いたいですよね。
ということで月2回(18日、28日)開かれる骨董市のなかでも縁日として賑わう28日の骨董市に、いつか行ってみてはいかがでしょう……!
丁度今月(2018/4)は土曜日ですし。
私は……ほら……お金が無い。



165p、200p:鬼の過去
⇒多くは語られませんでしたが……諒から見た“先代”に当たる方ですよね……。
このあたりから、どこか浮ついた空気が無くなってピリピリしだしたような感じがありました。
人の死はさすがに重みが違います……



181p:アクアイレブン
カフェ&バーの店として登場した店名ですが、調べた限りでは実在店舗では無いようです。
が、多分この店名の由来は名古屋市を中心に活動するジュニアサッカーチーム「アクアJFC」でしょう。
サッカーは11人競技ですから。
調べなきゃ地元民でないと分からない小ネタですが、ご当地ものはこういうので良いんですよ……!
むしろこういうのが良い……!



訂正
Swind(神凪唐州)先生からリプいただきまして、アクアイレブンは実在店舗由来だそうです。
は、恥ずかしい……


コラボ店舗の1つということなので……左下のWater7さんですね!
大変失礼致しました。



280p:大直禰子神社
⇒こちらは北野神社と同じく実在する神社で、調べてみるとトータがここに居たちゃんとした理由がありました。
面白かったのでリンク張っておきます。
是非、本編を読んだ後に。

大直禰子神社:名古屋神社ガイド





まとめ





「大須に行きたい」
そんなシンプルな気持ちが募っていく小説でした!

面白かったし、美味しかったです!



以上!



今日のラノベ!


信長とセーラー服

信長とセーラー服
時をかける大和撫子

著者:
井の中の井守

イラスト:
ぼに~

レーベル:
美少女文庫


【あらすじ】

「信長くんが好き……」お嬢様学校へ通う一条静香は“時をかける少女”!?
戦国時代を行き来して、恋した相手は織田信長。爺・平手政秀の諌死を嘆く青年信長を慰めて初体験!那古屋で岐阜で安土で、愛する人を追いかけて……身も心も巨乳も捧げる大和撫子!
本能寺の変、恋の奇跡は起きるのか?




感想:★★★★★




最初にこれだけは。


ラスト50pがやばい!







美少女文庫の戦国モノと言えば!な井の中の井守先生の最新作ですね!
帯にて「新代表作」とまで謳う自信、読み終わった今となっては納得です。




全寮制のお嬢様学校に通う元陸上選手の一条静香が、祖母の形見の懐中時計と信長ゆかりの地を特異点として過去と現代を行ったり来たりしながら自分の性格と向き合い、そして信長と恋する物語です。

静香があまり日本史に興味がなかったというのもありますが、戦国モノとしての濃度は薄めです。
ただ的確に要点を突いているので、「要素薄いなら戦国じゃなくてもいいんじゃない?」ということには全くなりませんでした。
必要な事前知識は「織田信長が現在の愛知県で育った戦国時代のキーマン」くらいですね。
メジャーでないのは平手の爺の諌死くらいですが、それも本文読んでいれば十分把握できるようになっているので大丈夫でしょう!



本質的なテーマは、「自分の意見を恐れず言おう!」でしょうか。
内向的な性格で周りの意見を遮ることが苦手な静香が、「親代わりの死」という同様の経験を持ちながらも唯我独尊を貫き己を律する織田信長と関係を密にするなかで彼から学び徐々に変わっていく、そんなストーリーがすごくもどかしくて好きです。
自分の性格なんて、そんな簡単に変えることはできないんですよ。
幾ら理屈では「こう動くことが正しい」と思えていたとしても、過去の経験から足が竦んでしまう。いつもと同じ選択をしてしまう。
そして自分では変わったと思っていても、周りから見るとその変化が「改善」として写るか「悪あがき」として写るかというと……。
大して親しくもない、せいぜい顔見知り程度の人間関係の上での変化は「悪あがき」にすら見てもらえないことのほうが多いでしょう。


それでも。
それでも、静香は自分の愛する人からの助言や、愛する人の立ち振る舞いから学び、変わることの恐怖を感じつつも変わろうとしていくんですね。
信長からしたら、自分の惚れた女が自分を参考にどんどん変わっていこうとするんですから嬉しくないわけがない!
少なくとも私は信長の立場で静香の変化を見たら、胸が熱くなると思います。
だって、人の意見に流されることが常だった女の子が、最後には自分の死に際に諫言するにまで変化したんですから!





そんでもって、ラスト50pの話です!
本能寺の変の最中。
お互いに「初恋の相手を見殺しにできるわけない!」という気持ちで……

あー、待って。これどこまで書くべきでしょうか?




……核心の部分はぼやかすことにします。





信長が
かっこよすぎて濡れるッ!!


ラストシーンの
伏線はちゃんとあったッ!!






特に2つ目ですね。伏線。
全く意識していなかったところだったので、見つけた瞬間「おわーっ!」って叫びましたね。
そもそも伏線の有無が定かでないところから「井の中の井守先生なら絶対に仕込んでいるはず」という根拠のない自信で探し始めたので、本当の本当にビックリでした。
まぁ「仕込んでいるはず」とか言いつつ先生の作品初読みなんですけどね?
この1冊読んだだけですが、そういう所やってくれそうだなぁと思っていたので。






肝心のエッチシーンですが、どれも濃厚です……!
冒頭の自慰シーンからラストの種付けまで、どれも素敵……!


静香は「THE・文学少女」な見た目しておきながら元陸上選手で体力には余裕があり、かつ敏感で自慰も頻繁にするけど貞操観念は純朴な乙女、とか属性盛りすぎてありがとうございます!っていう感じですね。

信長はさすが戦国乱世の男性なだけあって、女性経験豊富で性欲も旺盛。
自慰以外の経験が無い静香をリードしているくせに、妙なところで意地を張っているところに可愛げも感じさせて。
戦国の傑物も惚れた女にはああいう可愛げのある一面も見せるんですね……!いいですねぇ……!





読書メモ




9p:処世術
⇒「日本伝統」の企業の考え方としてはこれ以上なく的確で、彼女の通っているのが古式ゆかしい考えが残っていてもおかしくないミッション系の学校であることを踏まえて今後のことを考えると、ここの3か条の処世術もあながち間違ってないと言える、ということが怖い。
そして、この先でそれを真っ向から否定していくのが400年前の人物だというのだから面白い



11p:東北青目
⇒「東北に青い目の人が少なからずいる」というのは初めて聞きましたね……。
いくら生粋の日本人といえど、そのルーツをたどっていけば別の人種に別れるので不思議なことではないんでしょうけども、やっぱり少し不思議な気もします。
ただ、「青目=外国系の血縁あり」という考え方は綺麗さっぱり捨てるべきみたいですね。



198p:僕の幸せ
⇒唐突に放り込まれた百合に歓喜するdeskyzerさん。
外見で素敵だと思って、自分と共通する部分を見出して、恋に落ちちゃったんですね?
あー尊い



293p:滅びてしまえ
⇒信長ではなく静香からこのフレーズが飛び出してきたことに驚きです。
成長しましたねぇ……ホロリ




まとめ




美少女文庫さんがtwitterで「今まで美少女文庫を読んだことがない人も是非!」と宣伝していたのを見て購入を決めたんですが、大正解でした!
今まで戦国モノと言われたら「いかに史実に絡めるか」「いかに濃く魅せるか」を求めていた節がありますが、この作品でその価値観がだいぶ変わったように思います。
史実を大事にしつつ、あえて武将の内面に大きく焦点を当てる今作のような魅せ方もすごく面白いですね!



アフターストーリーになっている特典SS(とらのあな)のおかげで、最後の最後まで満足しました……

幸せ!
ありがとうございました……!





以上!

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