カテゴリ:文庫レーベル(感想作品数・多) > 角川スニーカー文庫

今日のラノベ!



顔が可愛ければそれで勝ちっ!!


顔が可愛ければそれで勝ちっ!!
バカとメイドの勇者制度攻略法

著者:
斎藤ニコ

イラスト:
もきゅ

レーベル:
角川スニーカー文庫


【あらすじ】

豪華な設備と自由な校風、そして「なんでも願いが叶う」とされる謎の制度<勇者制度>で有名な姫八学園。青春を求めて入学した俺、国立大理を待ち受けていたのは―築118年の超オンボロ男子寮!?しかも「ダイリ、新婚生活の新居はここ?」金髪碧眼幼馴染・南恋から逃げ切れず俺の青春は終わり……のはずが、女子寮メイドの東條風花さん(巨乳美少女)と仲良くなり一変!俺の部屋で一緒に勉強したり、裸を見たり(不可抗力!)と、まさに青春―と思っていたら、「私、退学になるんです」と告げられ!?そんなのダメだ!!男子寮のおかしなバカ達と一緒に<勇者制度>を使って東條さんを助けるんだ!!





感想:★★★★★





答えは最初に提示されているのである。









第23回【春】スニーカー大賞「特別賞」受賞作!
広大な敷地と膨大な生徒数を誇る姫八学園で、オンボロ男子寮の改善と苦学生メイドの授業料のため一致団結して奮闘する物語!!
……のように見える青春バカ騒ぎ!!





『バカとテストと召喚獣』の新世代が現れた!!というのが読後の印象です。
あまり他作と比べるのも良くないという意見もあるかと思いますが、この作品の場合触れないほうが逆に感想として不自然になりそうなので。






1ページたりとも抜け目のないボケの応酬にページを捲る手が止まることはなく、
ただの高校生とは思えない登場キャラの濃さに飽きることもなく、
不遇な待遇とヒロインの状況改善を求め決起する勇敢さがあり、
主人公の大理をめぐって繰り広げられる女性陣のバトル(もとい物理的に猛烈なアタック)にドキドキし、
回収されたところで伏線として機能していたことに気が付く巧妙さも併せ持ち、
シリアスなシーンもギャグと化す。






上に挙げたのは、『バカテス』との共通点……ではありません。
全てこの作品を読んだ直後に「魅力的だ」と感じてメモしていた部分です。
列挙した後に「……これバカテスと同じ要素じゃね?」と気づいて、そこからは共通因子探しをしたりもしましたがそれについては割愛(それこそキリがない)。



『バカテス』を引き合いに出してでも書き留めたかった感想は、


「ここまで質の高いボケが降り注ぐラノベは久々に読んだ!」


ということです。
ニュアンスとしては最近のがつまらないというより、伝説クラスの作品と比肩しうる作品が出てきてしまったという方向で。
いや、本当に今パラパラ捲りかえしていますが、どのページ開いても誰かしらが突拍子もない行動なり発言なりしているんですよね……
何この密度……







キャラの話。

東條さんが可愛いの……!
容姿もすっごい可愛いし、オンボロ寮ですら何かしら良い表現ができないかと考える健気さもまた可愛いの!!
最後の東條さんのイラストを見て「あ、僕はこのイラストのこの表情が見たくて読んでいたんだな」って腑におちる感覚があったのも納得の可愛さ。
この感覚すらも計算されて生み出されたモノなのかもしれないと思うと、恐ろしいまでの構成力に震えます……



恋も、今回は東條さんのフォローに回っていたので控えめ(?)でしたが、大理への気持ちはあんなものじゃないというのが伝わってきています。
今巻でも十分ですが、もっとすごい行動をしてきたとしても不思議ではない猛烈な愛を感じます。
既成事実を作ろうとしないあたり、本人的にはセーブしてますよねアレ。




男子寮の同室メンバーずは、筋肉盗撮抜刀というそれぞれの鉄板ネタを幾度も形を変えながら繰り出してきますが、女性陣が突拍子なさすぎる分安心感すら覚えます。
安心感のある笑いとは何なのか……(笑)






読書メモ




6p:濃い濃い濃い
⇒麦茶だと思って飲んだら濃縮めんつゆだったみたいな衝撃的なスタート。
あらすじ読まない派の私があらすじ読んだ上で見誤るレベルの笑いの密度でした!



136p:世界に住みたい
⇒もしかしたらこのページが今作で唯一真面目一辺倒だったのでは……?
この発言、真意はなんとなく汲み取れるもののギリギリ把握しきれない所を突いてきた感あって良い塩梅だと思います。



138p:変な間
⇒「……」で表現される変な間ってなんか不思議ですよね……
普通に会話してる時も三点リーダが入りそうな間っていくらでもありそうなのに、それって「変な間」ではなく「間」じゃないですか?でもそれを感じ取るのは我々の肌感覚であるわけです。
一方それが文章媒体での会話になると、三点リーダひとつで肌感覚を可視化することができるわけですよ。
もうちょっと拡大解釈してしまえば、「心」っていう観測できないものを間接的に可視化する文字という文化ってすごいですよね……って思いました。
そういうシーンではなかったんですけどねー……





まとめ





頑張って言葉を尽くしましたが、最終的には「面白かった!!」で締めくくるのが一番しっくりくる気がします。
笑いの流れに身を任せて揺蕩うの最高でした!


ほんとスニーカー文庫さんはこの作品を埋もれさせちゃアカンですよ……!
それはあまりにも勿体なさすぎます……!
なんとしてでも看板作にまで昇りつめさせてほしいと思います。



以上!



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今日のラノベ!



魔装学園H×H 13


魔装学園H×H 13

著者:
久慈マサムネ

イラスト:
Hisasi

レーベル:
角川スニーカー文庫


【あらすじ】

死の淵を彷徨う傷無。記憶を失いつつあった彼を突如現れたオシリスがつなぎ止めていた。そこで自らが蘇生し、タナトスを倒すために必要な『生命エネルギー』を充たす、極限を超えた“究極改装”を習得することに―!?一方、傷無がいなくなり、我を忘れて戦いを挑む怜悧と愛音。状況の好転は難しく…。究極改装を完成させ、最強の敵タナトスを倒し、全員が愛した日常は再び訪れるのか!?大人気エクスタシーバトルノベル最終巻!!




感想:★★★★★




シリーズ最終巻……!
私は、とても、寂しい……




前巻ラストで死んでしまった傷無。
「どうなっちゃうの!?」という引きでしたが、ここで登場するのはかつての敵、元機械神のホクト・オーディン・オシリスの3人。
ホクトがタナトスの足止めをし、オーディンが肉体を蘇生し、そしてオシリスが死の国を彷徨う傷無の魂を連れ戻すために「大人の手ほどき」……!

蘇るためには生命エネルギーを生み出さなければならない。
そう、究極改装エクスタシー・ハイブリッドによって……!
実質子作りだけど、子作りにあらず……!

ということで最終巻にしてS○X解禁!!!(言っちゃった)







「昨日の敵は今日の友」理論は、バトルものとしての『魔装学園』の象徴的展開ですね。
今までもずっとそうしてきていました。
マスターズだって、グラベルだって、グレイスだって。
なので今回の機械神たちも何も特別なことではなく、だけど今まで傷無たちがやってきたことが正しいことだったと証明するかのような感慨深さがある登場でした。





究極改装は、やってることはアレですしその行為に含まれる感情が「強くなる」以上に「愛してる」ですが、ようやくここに至ったと感じるくらいには「改装」なんですよね。
ただし、今までと決定的に違うのは強さが装備に現れていないというところです。
いわゆる原点回帰(オーラが違うっ!)ってやつです。
特撮では激アツ中の激アツ演出ですね!
ガオレンジャーの巨大ロボとかそんな感じの最終決戦じゃありませんでしたっけ?
入れ替わり立ち変わり必殺技打ち込んでいくやつ。


閑話休題


エロラノベとしての『魔装学園』の極地たる究極改装。
1巻の段階で「子作りでも改装できるか妊娠させるとコアが排出されてしまうので絶対NG」という形で言及があったので、最終巻でこうなることは何となく察していました。
ですが、やはり初期段階での想像と、最終巻時点での今までの積み重ねを振り返りながらの本番だと全然違いましたね……
ここまで愛情に溢れた改装になるとは思っていませんでした。
本当に、素晴らしい改装でした……!






ネタバレ含む話あるので、一旦読書メモ挟みます。









読書メモ




128p:タナトスの正体
⇒「高度に発展した科学は魔法と区別がつかない」でしたっけ?
その論説をさらに昇華させた先に生まれたのが、神の領域に踏み込んだAI・タナトスだったというわけですね。
AIの発達とともにその危険性が囁かれている現代において、AIの終着点を想像するというのは娯楽であると同時に人間の自己防衛意識でもあるように思います。
「自立思考」させているのに「コントロール」しなければいけないというどこか矛盾した管理を求められるAI。
タナトスのような悲劇的な結末を、リアルでは迎えないことを祈りたいです。



150p:那由多……
⇒ちょっと想定外の感動に包まれているなう……

えっ……えー…………

子の心を知らず悪魔のような所業と神出鬼没な存在として当初描かれていた那由多が、神となることで人の心を理解し親として子に接し、子を守るために自らを擲つまでに……
連結改装をするまでに家族の仲が温まってきていたのに、こんな形で区切りをつけなければいけないなんて……



161p:そりゃ難しいよ……
⇒二つの世界、どちらに残るのか。
立場と感情の間で揺れる傷無と愛音が読んでいてつらかったです……
でも一番つらかったのは、212pで決断をくだしたグレイスだろうなぁ……
探し続け、やっと再会できた大好きな姉を、大好きな兄と一緒に居てもらうために二度と会えないことを覚悟して追放するだなんて……
でも……いつか……



176p:あっ……
⇒さりげなくハブられるシルヴィア……



240p:神殺し
⇒シリーズ最後の読書メモはやはり彼女が持って行きました。
「神殺しのガートルード」とかカッコよすぎやがりますよ……!






まとめ





ハユルの究極改装シーンはどこじゃああああああああああああああああああああ





前でも後ろでもしちゃう真面目委員長の猫コス羞恥プレイ、絶対あると信じていたのに……っ!

【追記】
アニメイトさんにて『魔装学園H×H13』と『暗黒ハローワーク』の同時購入特典SSペーパーにハユルの究極改装シーンがあったことを、遅ればせながらご報告させていただきます。
……えぇ、2冊目ずつでしたが買いましたとも。

やっぱりお尻で楽しんじゃうハユルさんがいて、妙な感動に包まれました……
とても良かったです!!!!!

【追記終わり】




まぁ、それは置いておいて。
グラベルは順当だとして、ゼルのキャラが崩壊する究極改装シーンには驚きました。
ぜっっっっったいそういうキャラじゃなかったじゃないですか!!!
あと、職権乱用お姉ちゃんこと怜悧ね……
普通に近親相姦ですからねそれ……ありがとうございます。





はぁ……これで『魔装学園』の感想書くのも最後なんですよね……
改装もバトルも心情描写も、どこ切り取っても深さがあって感想書くのが楽しかったです!
勢いに任せて書けて楽だったとも言う……




今までありがとうございました!
後日譚短編集、密かにお待ちしてます!




以上エロスッ



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今日のラノベ!



好きって言えない彼女じゃダメですか?


好きって言えない彼女わたしじゃダメですか?
帆影さんはライトノベルを合理的に読みすぎる

著者:
玩具堂

イラスト:
イセ川ヤスタカ

レーベル:
角川スニーカー文庫


【あらすじ】

「恋人同士、ですか?よく解りませんが、それでよければ」僕の彼女、帆影歩は少し変わっている。無口で無表情が基本な上に「人=哺乳類=おっぱい大好き」と、平然とトンデモ理論を語ってくる。さらに僕の足の甲を愛撫してきたり、入浴中の裸の画像を送ってきたり―って帆影?当初は清純派文学少女だったよね!?おかげでなぜか妹の映が心配?してきて、言葉責めにあうようになったのですが!?(妹よ、お前は何なんだ)そんな帆影も“普通彼女”を目指してはいるらしく、参考にしているのは…ら、ラノベらしい?(なんか期待しちゃう)彼女と妹と僕。ラノベを通じた不思議な三角ラブコメ開幕!!




感想:★★★★★




さては5月に続いて6月も豊作月だな?



これ絶対公式あらすじで損してますって!!
メインヒロインである帆影のイメージダウンが凄まじいんですが!!?
そもそも“普通彼女”を目指す話ではなかったと……



ということで作ってみましょう。
あらすじ。




かつては活発な少年だったが今では冴えないオタクとして毎日をダラダラ過ごす新巻天太。
いつもはそんな兄にダメ出しする妹のはゆがとある相談を持ちかける。
「あのさ……ライトノベルって、あるじゃん」
「あれって、何が面白いの?」
だらしない兄の姿やネットの情報からオタクを毛嫌いしている映は、ネットでライトノベルを書いていたという親友の果穂ちゃんに向かってライトノベルをボロクソに貶して喧嘩をしてしまったという。
天太の所属する文芸部員で天太の彼女の帆影、文芸部のお隣さん・漫画研究会に所属するハイテンションオタク・伊井坂を加えた4人で、ライトノベルの面白さを再発見!そして無口な帆影は、ライトノベルから学んだ手管で天太を……?





こんな感じでしょうか?


ライトノベルの面白さを帆影理論で見つけていくという軸と、帆影と天太のなかなか進まないラブコメという軸。
二本柱のお話です!


帆影は基本無口ですが自分の考えを話す時には目の奥を微かに輝かせながら流暢にしゃべり続ける子でした。
ただし、その考えというのが常人の理解を超える突飛さを持っていて、そのせいで周囲の人との関わりが薄めなようす。
でもその突飛な考えを魅力的に思い、そして自分を肯定してくれた(ような気がした)ことで好きになったのが天太というわけですね。
私も帆影が大好きです!!

自分の知識に基づき未知を類推していく過程の美しさが彼女の魅力です!!



もう本当……読んで……!
引用するには長すぎるから……!

以下リンクから試し読みできます!!!!

スニーカー文庫:書籍情報『好きって言えない彼女じゃダメですか?』







文芸部の美少女、ブラコンツンデレ妹、ハイテンションオタク、冴えない主人公

と、キャラ属性で見ると王道中の王道。
しかし今作に限れば王道だから良いんですよね。
もちろん帆影理論をもとにした超越的なラノベの魅力が今作の最重要ポイントですが、それを語り合っているあの場、あの空気。
放課後の部室で、左右を美少女に囲まれちゃったり、それぞれの思想を語り合ってみたり、かと思えばこっそり机の下で攻防を繰り広げてみたり。
それこそまさに、学校を舞台にしたライトノベルの原風景なのではないでしょうか?




ラブコメも面白かったです!
中盤から後半にかけて「彼女として」帆影がどう振舞っていくのかドキドキしながら読んでいましたが……ラストでああなるとは!
「無口キャラが喋ると萌える」というのは何とも矛盾を孕んだ概念ですが、事実そうなのだから仕方ない。
あのラストシーンだけボイス付かないかな、と耳をそば立てたりしましたが聞こえないですよね!そりゃね!!
息継ぎとかイントネーションとか、微妙な声のかすれ具合とか、そういう「生の帆影」を感じたいです……







読書メモ




46p:映の気持ちが分かってしまった……
⇒おっぱいの素晴らしさについて反射的に語る、これもまた男子高校生を描く作品においてはよくある描写ですね。この表現力には感嘆します。
しかしそれはそれとして、これはキモいと言われてもしょうがない(笑)
映がただ単に天太に突っかかってるだけじゃないというのがこのシーンで分かったので、その後の映の態度にも一定の同情が生まれたのかなぁ、と思います。
素晴らしい。



73p:力強い
⇒新入生首席、渾身の叫びおっぱいが今ここに……



84p:考証
⇒私がライトノベルを読み続けている理由の一端が語られていて、同じような考えに至る人が少なからずいることに喜びを覚えました。
とんでもないところに無駄に豊富な知識が詰まっていたり、予想外のところから興味のなかった分野の話になって興味を持ったり。
解釈の自由度と学びの宝庫なんです。
私にとってのラノベは。
……一体そのうち何%が身についているんだと言われると耳が痛いですが。



119p:さすが肩萌え
⇒しっかりフラグを回収していったことに拍手



171p:スターシステム……?
⇒モブキャラにしてはカフェでの一連の流れが面白すぎるんですが、玩具堂先生の過去作に出てきたキャラだったりするんでしょうか?
それとも本当にただのモブキャラ……?



197p:はい萌えー
⇒拙者、無口キャラの無言の照れ表現大好き侍
空の飲み物のストローを吸い続ける帆影殿に萌え萌え必死で候





まとめ




ラノベ好き必修作品だと思うんですが!

帆影理論に賛同するもよし、反対意見を唱えるもよし、ラブコメに悶えるもよし!

語りたい系ラノベブロガーは読むんだ!!


ライトノベルって何だろう?というラノベ初心者にもオススメできると思います。
どちらかというと特殊な部類の作品ですが、ラノベ的なキャラを魅せる側面と、文学的な物語を魅せる側面がうまいこと混在しているので、読みやすいんじゃないかと!

続きも読みたいですねー!



以上!


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今日のラノベ!


回復術士のやり直し 3


回復術士のやり直し 3 

~即死魔法とスキルコピーの超越ヒール~

著者:
月夜涙

イラスト:
しおこんぶ

レーベル:
角川スニーカー文庫


【あらすじ】

魔族と人間が共存する街、ブラニッカ。ノルン姫がこの地の侵略に動き出すという噂を聞きつけたケヤルガは、大義ある復讐の機会を創出すべく、いち早く街へと訪れる―。「これより“正義”を執行しますわ。街の方々を皆殺しにします」妹姫は想像を遙かに超える規模の精鋭騎士団を引き連れ、更にはあの“剣”の勇者までもが参戦し罪無き民へと凶刃を振るう…!この苦境を打開する為に、ケヤルガはある一つの奇策を講じるが―!?「ククク、ではこの俺が可憐な一輪の華となり、奴等に本物の“正義”を見せてやろう」鬼畜軍師vs復讐鬼、2つの巨大なる“厄災”が遂に衝突!!





感想:★★★★☆




表紙のノルンの後ろにいる女の子は誰だ!?
ノルンの護衛か?
新たな敵か?
いや、ケアーラだ!










大人気シリーズ第3巻!
剣の勇者・ブレイドと妹王女・ノルンの二人が、ついにケヤルガの復讐対象になりました!
その他色々あって復讐対象になった方々も含めて、今までよりも容赦なかったですね。


ブレイドとかね、mgmgタイムだからね。



私みたいなちょっと歪んでる性癖の持ち主的にはとても楽しいんですが、まともな性癖の持ち主で想像力豊かな方が読んだら……ちょっとトイレ駆け込み案件になるかもしれません(笑)
ま、まぁ今更の心配と言えばそうなんですが。




その辺りの事情もあるのか無いのか。
2巻までと比べて、肝心の復讐シーンが淡白だったのが気になりました。
もう少しページ数割くことはできなかったものか……。
前工程を含めればブレイドもノルンも10pは超えますが……

なんというか……導入部分に拘りすぎた結果Hシーンが淡白になる成年コミックあるあるを彷彿とさせられます……。
上述した通り、その復讐内容は個人的に「とても楽しい」ので、ブラッシュアップしてくれたら嬉しいなぁ、くらいの気持ちです。


ついでにセツナやフレイアとの情事も、冒頭15pあたりのセツナとのシーン以外ほぼ全カットです。
こちらに関してはブラッシュアップどころじゃなく改善を強く求めたいところですね!!
Hシーンを読みたいという気持ちは否定しませんが、
それ以上に、ケヤルガが二人に感じている愛情が段々深くなっていっているような描写をどうにもイメージしきれないので。
戦闘力としてではなく確実に異性としての魅力で大事にしているように読めるんですが、その最大の過程たるセックスを省かれてしまうと……。

両思いになって初体験を済ませた後はピロートークしかないエロゲとか嫌じゃないですか、仮にハーレムものだとしても。
全年齢向けに例えると、最初のデート以外全て回想で済ませるギャルゲのような。

例えほどのの酷さでは無いにしろ、このままの密度が続くとなると厳しくなるのは間違いないかなぁ、と思います。






新キャラのイヴは可愛いですよ!!!
1周目の世界で魔王としてケヤルたちの前に立った女の子、2周目の現状では魔王候補の一人。
スレンダー、良識あり、ムッツリと今までのキャラになかった特徴を一手に担った、まさに名実ともに今後のキーパーソンです!
多分CVは桐谷華。

今巻でケヤルガの恩寵を賜ることはありませんでしたが、早ければ次巻で陥落するでしょう。
楽しみです……!




以下語りたいことが詰め込まれた読書メモ。




読書メモ





30p:地頭の良さ
⇒結局ここがケヤルガ最大の武器なのだと思います。
このシーンでは市場に出回る野菜からその土地の経済状況を読み解き、店主との何気ない会話から魔族差別の有無を汲み取っていました。
1周目の世界でろくな扱いを受けていなかったケヤルガが、これだけの情報を読み取っているということの意味。
それは自発的な情報収集のできない状況において周辺情報の分析が何よりの情報源だったことの証左であり、情報分析を可能にする頭の良さもまた証明されることになります。

つまり何が言いたいかというと、こういうのめっちゃカッコ良くない!?っていう。
憧れます……



35p:人
⇒魔族や亜人は人間ではないが、人である。
それが今回の舞台、魔族と人間が共存するブラニッカという街の共通認識です。

どうでもいいんですが、二重追い越しのことを思い出しました。
自転車は車に含まれるが車両には含まれない、っていうやつ。
人間から見た魔族は、自動車運転上の自転車みたいな存在なのかもしれません。
歩道走っても車道走っても、結局は煙たがられる存在……自転車……
私は風になる……ッ!



110p:さすがにダメだったかー
⇒限界を超えた媚薬を打たれた豹人族……
読みたかったなぁ……

読みたかったなー!!!



149p:あっ……(察し)
⇒リアルに「あっ……」って呟きましたね……。
ケヤルガが認める商人・カルマン。
あなたの存在は……忘れません。



222p:カニバー!
⇒イェーイ!カニバー!!

……いやほら。カーニバルって言いたかったのかもしれないから。
ブレイドの最期のシーンですが、せめてどこかの肉を噛みちぎられるくらいまでは描写してほしかったですね……。
この本文だとカニバがカニバである意味が無いです。




253p:ケヤルガさんw
⇒「自分で正義というやつにろくなやつはいない」と言った次ページで「正義を見せてやる」ですからねw
ケヤルガさんまじ最高w



261p:ポイント無視
⇒さぁ、ケヤルガの行動にブレが生じはじめました。
自らに害を為さない人物への凶行。
客観的に見て、「復讐」ではなく「人助け」による戦闘。
セツナを奴隷にした時とも、イヴを救った時とも明らかに違います。
これは……デカイですよ?
復讐を重ねる度に守るべき存在も増えているケヤルガ。
破滅のカウントダウンが始まったのかもしれませんね……。





まとめ




ケヤルガの復讐もそろそろ事前に立てた目標上では終盤というところ。
このままやりきって幸せに、とかそういう終わりでないことは分かっているので警戒はずっとしているんですが、特に綻びらしいものは見当たらないんですよね……。

フレアが記憶取り戻しているENDを推しているdeskyzerとしては、「内心と同じだったからやりやすかった」という言葉に疑心暗鬼ですが、特に確信もないですし。

まだまだこの作品は楽しませてくれそうです!!




以上!




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今日のラノベ!


マジメな妹萌えブタが英雄でモテて神対応されるファンタジア

マジメな妹萌えブタが

英雄でモテて神対応されるファンタジア

著者:
みかみてれん

イラスト:
パルプピロシ

レーベル:
角川スニーカー文庫


【あらすじ】

俺、蓮城蒼太が訪れた異世界とやらは、少し変わっていた。体に蓄積した脂肪が魔力となるようで、体重120キロの俺は、国が吹き飛ぶほどのパワーを発揮。秒速で英雄に…!?さらに、そんな俺の体のお世話をしようと、俺の好みを押さえた女の子(妹)たちも現れ!?





感想:★★★★★




帝国からの侵略<ダイエット






唯一にして最愛の家族である妹・莉緒はヴィッテッロ王国の影武者姫に。
現地時間にして1ヶ月遅れで後を追った蒼太は最強の魔法使いに!

帝国の侵略から王国を守るべく、ついに蒼太が立ち上がる……!というストーリーではなく。

ダイエットしたい蒼太と、ダイエットを阻止する周囲との手に汗握る攻防のお話です!




食うか食われるか、否、食わないか食わされるか!
これはそういう戦いなのです。
ダイエットしているだけなのに、スケールは国家反逆罪にまで広がる。
この一見異常ながらも読むと筋の通った設定の作り込みは、まさにてれん先生の十八番と言っても良いでしょう。
十八番と言えばめちゃくちゃ細かい緩急もそうですね。
シリアスなシーンにも平然と笑いどころを設置しているのが最高です(笑)
これ以上なくライトノベルしている作家さんだと思います。



話を食の話にもどしまして 。

蒼太はもちろん、読者も試されます。
出てくる料理がどれもシンプルかつ王道に美味しそうな料理ばかりで、胃袋をガツンと刺激してくるんですよね!
読んでいる間の食の衝動にいかに抗うか。
(今もまた書きながら思い出してきて……お腹空きました)
ある意味これ以上なく蒼太に感情移入して読める要素かもしれません。食欲って。

ちなみに私はかき揚げ蕎麦で我慢しましたとも!
なんとか寿司は我慢しました。
品川駅の改札内、食が充実しすぎててヤバい……







ダイエット奮闘記と双璧をなすテーマが“妹”
ラノベ界では語り尽くされたかのように言われることもある妹ジャンルに、ついにあのみかみてれん先生が殴りこみです。

デブ兄溺愛良妻義理黒髪リアル妹
無表情無動揺微ツンデレ妹メイド
無表情妹メイドの妹天然料理下手メイド
典型的強がり系妹メイド
王国最強魔法使い健啖家のじゃ妹
変態料理人巨乳妹


さぁ、好きな料理妹を選びたまえ!と言わんばかりの豪勢なラインナップ!
私は王道のリアル妹・莉緒派です!
蒼太と話している時、蒼太のことを考えている時の「あー、本当にお兄ちゃんのことが好きなんだなー」っていうのが丸分かりな反応が可愛くて死ぬ。
特に175pよ……!
もう読書メモより先に書きますけど!
同じ王城内とはいえ離れ離れになっているお兄ちゃんが自分のことを気にかけてくれていたことに気付き、嬉しさのあまり腰が砕けてしまいそうになる莉緒ちゃん。
反則的なまでに可愛い……
これはアレですね、読む劇物です。

読むと死にます。
だから皆で読もう?


何を言っているか分からないと思うが、読めば分かる。
妹属性に少しでも食指が反応するのならば、分かる。





終盤の、伏線とまでいかない程の些細な点の回収が最高でした!
予想はできないけど納得できるギリギリのラインを攻めている感じです。
「ギリギリ納得できるライン」ではなく「万全の納得ができるギリギリのライン」なのでお間違えなきよう。

とても辛く、悲しい結末が待っていますが、一読の価値は十分に有りです。
むしろこの作品を読むことによってダイエットのモチベーションが上がるまであるでしょう!



ここまで、身長に対しての適正体重に8kgくらい足りないデスカイザーがお送りいたしました。
引き続き読書メモをお楽しみくださいませ。




読書メモ





3p:ハラヘッタ
⇒サバの塩焼きに生姜の炊き込みご飯、ですか。
まさか最初の2行で胃袋を掴まれるとは思いませんでしたよ……。

最高の組み合わせですよ!
一人暮らし時代にやろうとしつつも諦めて、次点の鶏の炊き込みご飯で妥協していましたが、やっぱり生姜の炊き込みご飯ですよねっっ!!!!
分かってらっしゃる。
大いに分かってらっしゃる!
朝食前の電車内で空腹のあまり呻くことになったのは内緒です。



28p:ロッセッラ
⇒すごい語感!
と思いつつ調べてみたら、イタリア系の人名らしいですね。
実在するとは……(・□・;)

ちなみに莉緒の現地名「ロッセッラ・リオ・ロンバータ・ヴィッテッロ」は直訳してみると、


「人名・莉緒・牛ロース・子牛肉」


となります。
肉肉しいあたり、とても蒼太にピッタリですね♪



56p:サルスィチャ
⇒ヴィッテッロ王国に侵攻してくる帝国の名前がサルスィチャと言います。
こちらもヴィッテッロと同じくイタリア語、意味は「腸詰め」となります。
腸詰め VS 子牛肉
目が離せない戦いです!



80p:ポンポポラン
⇒こちらもイタリア語……かと思いましたが検索にヒットせず。
イタリア初の戦術盤上ゲームもうまく検索できず、どこかもやもやする検索結果に。



245p:ケーキ
⇒一気に飛んで245p。
ケーキが莉緒のトラウマになっている、という文章ですね。
どこかで蒼太がケーキという単語を言い淀んでいるところがあったな?と探してみたらやっぱりありました。
91pに。
こういうところ油断ならないのがてれん先生です、皆さん覚えておくと良いです。
(個人の意見です)
覚えておくと……より楽しくなりますよ?



247p:こんな体に
⇒こんな終盤でフォント大きくして渾身のネタとか卑怯ですwww





まとめ




今巻の結末ののちに、莉緒と蒼太がどうなるのか……!
くんずほぐれつしてしまうのか……!
そしてメイド三姉妹の態度がどう変わるのか!


そして……『ほろびゆ』の続刊は……出ない……かなぁ…………(遠い目)



ご飯を食べて、待ちましょう。



以上!



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