今日のラノベ!
答えは最初に提示されているのである。
第23回【春】スニーカー大賞「特別賞」受賞作!
広大な敷地と膨大な生徒数を誇る姫八学園で、オンボロ男子寮の改善と苦学生メイドの授業料のため一致団結して奮闘する物語!!
……のように見える青春バカ騒ぎ!!
『バカとテストと召喚獣』の新世代が現れた!!というのが読後の印象です。
あまり他作と比べるのも良くないという意見もあるかと思いますが、この作品の場合触れないほうが逆に感想として不自然になりそうなので。
1ページたりとも抜け目のないボケの応酬にページを捲る手が止まることはなく、
ただの高校生とは思えない登場キャラの濃さに飽きることもなく、
不遇な待遇とヒロインの状況改善を求め決起する勇敢さがあり、
主人公の大理をめぐって繰り広げられる女性陣のバトル(もとい物理的に猛烈なアタック)にドキドキし、
回収されたところで伏線として機能していたことに気が付く巧妙さも併せ持ち、
シリアスなシーンもギャグと化す。
上に挙げたのは、『バカテス』との共通点……ではありません。
全てこの作品を読んだ直後に「魅力的だ」と感じてメモしていた部分です。
列挙した後に「……これバカテスと同じ要素じゃね?」と気づいて、そこからは共通因子探しをしたりもしましたがそれについては割愛(それこそキリがない)。
『バカテス』を引き合いに出してでも書き留めたかった感想は、
「ここまで質の高いボケが降り注ぐラノベは久々に読んだ!」
ということです。
ニュアンスとしては最近のがつまらないというより、伝説クラスの作品と比肩しうる作品が出てきてしまったという方向で。
いや、本当に今パラパラ捲りかえしていますが、どのページ開いても誰かしらが突拍子もない行動なり発言なりしているんですよね……
何この密度……
キャラの話。
東條さんが可愛いの……!
容姿もすっごい可愛いし、オンボロ寮ですら何かしら良い表現ができないかと考える健気さもまた可愛いの!!
最後の東條さんのイラストを見て「あ、僕はこのイラストのこの表情が見たくて読んでいたんだな」って腑におちる感覚があったのも納得の可愛さ。
この感覚すらも計算されて生み出されたモノなのかもしれないと思うと、恐ろしいまでの構成力に震えます……
恋も、今回は東條さんのフォローに回っていたので控えめ(?)でしたが、大理への気持ちはあんなものじゃないというのが伝わってきています。
今巻でも十分ですが、もっとすごい行動をしてきたとしても不思議ではない猛烈な愛を感じます。
既成事実を作ろうとしないあたり、本人的にはセーブしてますよねアレ。
男子寮の同室メンバーずは、筋肉盗撮抜刀というそれぞれの鉄板ネタを幾度も形を変えながら繰り出してきますが、女性陣が突拍子なさすぎる分安心感すら覚えます。
安心感のある笑いとは何なのか……(笑)
6p:濃い濃い濃い
⇒麦茶だと思って飲んだら濃縮めんつゆだったみたいな衝撃的なスタート。
あらすじ読まない派の私があらすじ読んだ上で見誤るレベルの笑いの密度でした!
136p:世界に住みたい
⇒もしかしたらこのページが今作で唯一真面目一辺倒だったのでは……?
この発言、真意はなんとなく汲み取れるもののギリギリ把握しきれない所を突いてきた感あって良い塩梅だと思います。
138p:変な間
⇒「……」で表現される変な間ってなんか不思議ですよね……
普通に会話してる時も三点リーダが入りそうな間っていくらでもありそうなのに、それって「変な間」ではなく「間」じゃないですか?でもそれを感じ取るのは我々の肌感覚であるわけです。
一方それが文章媒体での会話になると、三点リーダひとつで肌感覚を可視化することができるわけですよ。
もうちょっと拡大解釈してしまえば、「心」っていう観測できないものを間接的に可視化する文字という文化ってすごいですよね……って思いました。
そういうシーンではなかったんですけどねー……
頑張って言葉を尽くしましたが、最終的には「面白かった!!」で締めくくるのが一番しっくりくる気がします。
笑いの流れに身を任せて揺蕩うの最高でした!
ほんとスニーカー文庫さんはこの作品を埋もれさせちゃアカンですよ……!
それはあまりにも勿体なさすぎます……!
なんとしてでも看板作にまで昇りつめさせてほしいと思います。
以上!
著者: | イラスト: | レーベル: |
---|---|---|
【あらすじ】 豪華な設備と自由な校風、そして「なんでも願いが叶う」とされる謎の制度<勇者制度>で有名な姫八学園。青春を求めて入学した俺、国立大理を待ち受けていたのは―築118年の超オンボロ男子寮!?しかも「ダイリ、新婚生活の新居はここ?」金髪碧眼幼馴染・南恋から逃げ切れず俺の青春は終わり……のはずが、女子寮メイドの東條風花さん(巨乳美少女)と仲良くなり一変!俺の部屋で一緒に勉強したり、裸を見たり(不可抗力!)と、まさに青春―と思っていたら、「私、退学になるんです」と告げられ!?そんなのダメだ!!男子寮のおかしなバカ達と一緒に<勇者制度>を使って東條さんを助けるんだ!! |
感想:★★★★★
答えは最初に提示されているのである。
第23回【春】スニーカー大賞「特別賞」受賞作!
広大な敷地と膨大な生徒数を誇る姫八学園で、オンボロ男子寮の改善と苦学生メイドの授業料のため一致団結して奮闘する物語!!
……のように見える青春バカ騒ぎ!!
『バカとテストと召喚獣』の新世代が現れた!!というのが読後の印象です。
あまり他作と比べるのも良くないという意見もあるかと思いますが、この作品の場合触れないほうが逆に感想として不自然になりそうなので。
1ページたりとも抜け目のないボケの応酬にページを捲る手が止まることはなく、
ただの高校生とは思えない登場キャラの濃さに飽きることもなく、
不遇な待遇とヒロインの状況改善を求め決起する勇敢さがあり、
主人公の大理をめぐって繰り広げられる女性陣のバトル(もとい物理的に猛烈なアタック)にドキドキし、
回収されたところで伏線として機能していたことに気が付く巧妙さも併せ持ち、
シリアスなシーンもギャグと化す。
上に挙げたのは、『バカテス』との共通点……ではありません。
全てこの作品を読んだ直後に「魅力的だ」と感じてメモしていた部分です。
列挙した後に「……これバカテスと同じ要素じゃね?」と気づいて、そこからは共通因子探しをしたりもしましたがそれについては割愛(それこそキリがない)。
『バカテス』を引き合いに出してでも書き留めたかった感想は、
「ここまで質の高いボケが降り注ぐラノベは久々に読んだ!」
ということです。
ニュアンスとしては最近のがつまらないというより、伝説クラスの作品と比肩しうる作品が出てきてしまったという方向で。
いや、本当に今パラパラ捲りかえしていますが、どのページ開いても誰かしらが突拍子もない行動なり発言なりしているんですよね……
何この密度……
キャラの話。
東條さんが可愛いの……!
容姿もすっごい可愛いし、オンボロ寮ですら何かしら良い表現ができないかと考える健気さもまた可愛いの!!
最後の東條さんのイラストを見て「あ、僕はこのイラストのこの表情が見たくて読んでいたんだな」って腑におちる感覚があったのも納得の可愛さ。
この感覚すらも計算されて生み出されたモノなのかもしれないと思うと、恐ろしいまでの構成力に震えます……
恋も、今回は東條さんのフォローに回っていたので控えめ(?)でしたが、大理への気持ちはあんなものじゃないというのが伝わってきています。
今巻でも十分ですが、もっとすごい行動をしてきたとしても不思議ではない猛烈な愛を感じます。
既成事実を作ろうとしないあたり、本人的にはセーブしてますよねアレ。
男子寮の同室メンバーずは、筋肉盗撮抜刀というそれぞれの鉄板ネタを幾度も形を変えながら繰り出してきますが、女性陣が突拍子なさすぎる分安心感すら覚えます。
安心感のある笑いとは何なのか……(笑)
読書メモ
6p:濃い濃い濃い
⇒麦茶だと思って飲んだら濃縮めんつゆだったみたいな衝撃的なスタート。
あらすじ読まない派の私があらすじ読んだ上で見誤るレベルの笑いの密度でした!
136p:世界に住みたい
⇒もしかしたらこのページが今作で唯一真面目一辺倒だったのでは……?
この発言、真意はなんとなく汲み取れるもののギリギリ把握しきれない所を突いてきた感あって良い塩梅だと思います。
138p:変な間
⇒「……」で表現される変な間ってなんか不思議ですよね……
普通に会話してる時も三点リーダが入りそうな間っていくらでもありそうなのに、それって「変な間」ではなく「間」じゃないですか?でもそれを感じ取るのは我々の肌感覚であるわけです。
一方それが文章媒体での会話になると、三点リーダひとつで肌感覚を可視化することができるわけですよ。
もうちょっと拡大解釈してしまえば、「心」っていう観測できないものを間接的に可視化する文字という文化ってすごいですよね……って思いました。
そういうシーンではなかったんですけどねー……
まとめ
頑張って言葉を尽くしましたが、最終的には「面白かった!!」で締めくくるのが一番しっくりくる気がします。
笑いの流れに身を任せて揺蕩うの最高でした!
ほんとスニーカー文庫さんはこの作品を埋もれさせちゃアカンですよ……!
それはあまりにも勿体なさすぎます……!
なんとしてでも看板作にまで昇りつめさせてほしいと思います。
以上!