カテゴリ: 角川スニーカー文庫

今日のラノベ!

青春敗者ぼっち野郎、金髪尻軽ギャルのお気に入りになる


青春敗者ぼっち野郎、
金髪尻軽ギャルのお気に入りになる

著者:
刑部大輔

イラスト:
あやみ

レーベル:
角川スニーカー文庫


【あらすじ】

 昼休みに教科書ばかり開いているぼっちの一条純は、青春世界における敗者だ。ある日、“気に入った男は食う”と噂される学年一のギャル・橘かれんに勉強を教えて欲しいと言われ、彼女と二人きりで放課後を過ごすことに。かれんはクラス内でも純に話しかけてくるし、陽キャ集団とは仲良くなるし、何故か彼女とデートすることになるし、あげくに二人が付き合ってるとまで言われ始めて!?「いろんな噂流れてるらしいけど、あたしキミがいちばん仲良い男の子だよ?」「ふつーにカッコいいし」「あたしも同じ。ドキドキが止まんないの」「こんなの初めて…」
 ギャルにかまわれまくって、ぼっちの日常が一変していく!



感想:★★★★★






気がついたら美しい蜘蛛の糸に絡まっていた蛾の気分を味わえる作品
(褒めてる)








内容はタイトルまま、
ぼっちがギャルのお気に入りになった話!



最初は図書室で勉強を教えていただけなのに、クラスでも話しかけられるようになり、二人で出かけるようになり、無意識に考えてしまうようになり……?
とまぁ、ざっくりと抜き出してしまうと既存のギャル作品、あるいはカースト頂点=ヒロイン/底辺=主人公な作品と変わらないんじゃないかと思われてしまうので、遠慮なく踏み込んでいきましょう!






主人公・一条純とヒロイン・橘かれんが決定的に仲違いするシーンが無い!
そのことが何より素晴らしいと思います!!





何を突然と思われるかもしれませんが、凄いことなんですよ!!!
だって、仲違いするシーンが無いということは、必然的に仲の良いシーンが既存の作品たちよりも多いということですよ!!
「密度が違うのだよ!密度が!」
って某大佐も表紙のハートマークの裏で言ってるに違いありません!
知らんけど。


1冊通してずーーーーーっと純を魅了しようとするかれんが居て、そんなかれんに純はずぶずぶとハマっていって。
二人の仲が崩れないことを前提に、それ以外のところで物語の起伏を作っているので甘すぎて飽きることもないですし。
というか、むしろ2人の仲が外から見れば疑う余地が無いのに、純が頑なにそれを認めないから崩しようがないとも言う。
成立していないんだもの。




なのでなので!!!
この本って二通りの楽しみ方ができると思うんです。


①純視点で、かれんの魅力を浴びる

 ⇒近い距離感
 ⇒見えている肌色
 ⇒ふとした時の儚げな姿
 ⇒実は純情
 ⇒ストレートにもフックにも可愛い!!!





②かれん視点で、落ちない純を愛でる

 ⇒意識していないフリ
 ⇒でも確かに感じる視線
 ⇒誘惑した時の赤面、揺れる視線
 ⇒実は優しい、かっこいい……!
 ⇒隠れた魅力がたっくさんある!!!








あなたは、どっち派?




私は読んでいるときは①、振り返るときは②でした










そうそう。


ぶっちゃけ、序盤は今まで読んできたギャルもの/ギャル紛いものと大差無いのかなぁ?と感じながら読んでいました。
ギャルとしての雰囲気や在り方はMF文庫Jの『絶対彼女作らせるガール!』を彷彿とさせ、ギャルという立場を変えずむしろそれを全面的に活かして(主に肌色的に)主人公に迫るというギャル像は挙げれば枚挙に暇がないほど。
(もっとも、『絶対彼女作らせるガール!』の発売とこの作品の連載のどちらが新しいかまでは確認していないので、あくまでも私個人の観測範囲での話ではありますが。本ってそういうところありますからね、あえてこのままで)



200ページくらいからなんですよね。
「この作品、他のギャルものと違うんじゃないか?」と思い始めたの。

全然仲違いしなくて、Uターンするどころか踏み込んでいくんですもの。
怖いですよ。
そんな経験無いですから。
「えっ、えっ。このまま突っ走るですか?」って。

結果、あのベッドシーンに至るまで味わい尽くして大満足ですが、うん……ほんと凄い作品出てきたなー、ってまだ呆然としているような節があります。












そういえば、ただ1つのテーマに絞って突き詰めているという意味では、講談社ラノベ文庫の『公園で高校生達が遊ぶだけ』と似ているのかなと思います。
とくに発展しない気づきですが。







二つ三つ、読書メモを。



読書メモ 




12p:朝酢豚
⇒良いな、朝酢豚!



16p:交ぜてほしい
⇒しかし交ざりに行かない。それが極ぼっち。
最初は誇りあるぼっちとしての道を行く少年でしたが、次第にかれんとの関係を薄くするための言い訳としてのぼっちに変わっていくんですよ。
「スペシャルガード張ってるから効きませ~ん」みたいな。
めっちゃ効いてるやつ。



173p:廊下側一番前
⇒わかる……
あのね、ぼっちというよりいじめの対象になっちゃった時、一番楽でしたよ、あの席。
本文では言及ありませんでしたが、教室の後ろってスペースあって教師とのエンカウントも少ない分、不良&陽キャの溜まり場になるんですよ。
なので授業中まわりからの視線が(自意識過剰も相まって)気になりますが、休憩中に寝てるふりしてても叩かれたり悪戯されたりが少ないのです。
まぁ廊下側は廊下側で、外から教室の壁をバァンやられたり五月蝿かったり色々あるんですけどね……

っていう黒歴史を不意打ちで掘り返されて、ここで読書止まりましたよね。リアルに。
深呼吸とかに忙しくて読書どころじゃなくてな……



217p:何でも
⇒一体何をさせる気なんですかねー……!!





まとめ





っはああああ~~~~………

改めて振り返るとホントとろけそうです……




もうちょっととろけたいので、2巻が出るのを心待ちにしたいと思いますー!







以上!


今日のラノベ!



異世界ゲーム神話大系

異世界ゲーム神話大系
可愛い女神のお願いなので
ユニークスキルで異世界を少しひねってくる

著者:
山志多寿

イラスト:
すーぱーぞんび

レーベル:
角川スニーカー文庫


【あらすじ】

とある事件をきっかけにアニメやラノベの厨二設定が日常に反映されてしまった世界。稗田亜麗はポンコツ可愛い和女神・伊邪那美の願いにより、世界再編を果たすべく神々が住まう異世界へと旅立つことに。しかし、再編の条件として妄想力を武器に戦うゲームで勝ち続けることが必要で、創造神たちとの争いに到底勝ち目はないと思われていたのだが…いきなりカンストできちゃう武器の創造に成功して!?しかもいくらでも妄想して作り出すことが可能!?日常ではさえなかった男の大活躍劇が幕を開ける―!!第23回“春”スニーカー大賞特別賞受賞作。異世界クリエイトバトルコメディ!




感想:★★★☆☆










冒頭、古事記からの明るい両親からの急転直下で完全に心を掴まれました。
deskyzerです。






オタクであることが普通になった世界で、人類と黄泉国の滅亡を阻止するため「想像力(創造力)」と「妄想力(猛争力)」を駆使して戦うお話。


良くも悪くも「何も考えずに読むのが正解」なラノベだと思います。
少なくとも私は冒頭で心を掴まれて以降、パロとエロと小ボケが乱舞する世界に浸りきってとても良い読後感でした。

そして今、感想を書くために物語を振り返って考えて頭を抱えて、あらすじとタイトルを見返してちょっと「おこ」です。






先に良かったところを!

物語の本筋は、古事記に描かれた虚構により傷つき失ってしまった自信を伊邪那美に取り戻させること。
76pでちゃっかり記されていたそこを忘れていなければ、ラストシーンがスッキリして面白いと思います!!
……私は読書メモに書いてなかったら忘れ去っていましたね。


何故忘れてしまったのか?
それはパロとエロと小ボケの乱舞が最高だからです!!!

決して私の記憶力の問題ではない……はず。


登場キャラにまともに話を進めようとする人がほとんど居ないために、会話は終始どこから飛んでくるか分からないボールを食らい続けているかのように予想外の連続。
そもそもの大筋からして、「世界はオタクであることが当たり前になったが、それはともかくとして黄泉国と人類の滅亡を救うために戦う」というカオスっぷり。
世界の改変すら前半を盛り立てるための大道具ですからね!


で、それだけ巫山戯た世界観でありながら、要所で挟んでくるクソ真面目ターンでグッと引き締められるんですよね……
しかもそこで主人公・亜麗の隣にいるのは、メインヒロイン(推測)の幼馴染・麻実なんですよ。
普段は亜麗のセクハラ紛いに振り回され暴力ヒロインとして確固たる地位を築いてしまっていますが、亜麗の心の傷を誰よりも理解しているというのが伝わってきて、すごく良かったです……!








警告DANGER警告DANGER警告


ここから酷評と邪推の時間です



















公式あらすじですが……


応募原稿を基に書いていたりしません?










全然本編と噛み合わないんですが。




前半はまだ概ねストーリーに沿っています。

世界が変わったのは「とある事件」ではなく伊邪那美の神としての影響力であり、表出した最初の現象は地震なのでそれを指すにしても「とある事件」ではなく「ある日を境に」だろ、とか細かい部分はありますが後半よりはマシ。

その後半ですが……






「いきなりカンストできちゃう武器の創造に成功して!?」

⇒してませんよね!?!?
何度読み返してもマミミン・モンローしかしてませんよね!?
そもそもステータス上昇系の話、一ミリもありませんでしたよね!?






「しかもいくらでも妄想して作り出すことが可能!?」

⇒作り出すのは「想像力」ですよね!?
武器に力を注入する時の源が「妄想力」ですよね!?
しかも妄想力は、使いすぎると下半身にくる有限なものなんですよね!?!?
現に後半のバトルで、亜麗は盾を作り出せないほど疲弊しちゃってましたよね!!?






「日常ではさえなかった男の大活躍劇」

⇒さえなかった描写無かったですね!!!!
むしろ自作の漫画をクラスメイトに売るくらいには日常を満喫しているように見えましたが!!!
確かに過酷な過去はお持ちですが!!!さえないことは無くないですか!!!!??
ついでに今巻の段階では亜麗、あんまり活躍してないですね!!!
神器争奪戦を提案したという意味では参謀的に活躍してますが、以降感情の赴くままに動いていますからね彼!!
基本時間稼ぎしかしてないですし!!!!
むしろ麻実のほうが大活躍ですよ!!!





「異世界クリエイトバトルコメディ!」
⇒想像力を武器にして創造する要素を入れたかったのは分かるんですが、その字面だと世界創造系になっちゃいますね!!!





以上のことから、少なくとも出版されている完成稿とは別の文章を基にあらすじを作っているのだと思われます。
もしかしたら最終稿直前くらいで丁度このあたりを書き直して修正が間に合わなかったとかなのかもしれませんが……
私はあらすじ読まずに買うタイプなので問題なかったですが、これ詐欺レベルですよ?
カンスト武器の無限創造による戦闘と、柔軟な発想で戦況に応じた創造をしていく戦闘じゃ、全くの別物です。
陽気最速スカーフガブリアスと、さめはだゴツメ耐久ガブリアスくらい違います。








あとタイトル。


「異世界」
⇒分かる


「ゲーム」
⇒三国神合戦を「ゲーム」という括りにして良いのであれば良いですが。
本文ではルールブックは存在していましたが、誰かゲームと評していましたっけ……?
一番最後に「ゲームのような戦争」と亜麗が称しているように、これは戦争であってゲームではないと思うのですが。


「神話大系」
⇒「大系」とは、ある分野についての著書は文献をまとめたもの。
古事記をきっかけに日本神話の神々と戦をする話にこの単語を使うセンスは素晴らしい!
ここは褒める



「可愛い女神のお願いなので」
⇒可愛い女神のお願いだから引き受けたわけでは無いですよね。
亜麗が豊かな想像力で最後の人類の心を慮り、そんな寂しい想いをさせたくはないと思ったからですよね?
防波堤での亜麗と麻実のシーンを否定するかのような理由付けに、流石におこです。



「ユニークスキル」
「神職」とそれに付随する特殊効果はありましたが、ユニークスキルは登場していませんね。
今後登場するのでしょうか?
……そんなネタバレある?


「異世界を少しひねってくる」
⇒これも1巻時点での話ですが、亜麗には「ひねってくる」って言えるほどの戦闘力は無かったですよね?
むしろひねられるくらいの勢いでしたが。




あと、出版戦略上仕方ないのかもしれませんが、あの終わり方をしておきながらタイトルに数字も上下も付いていないのが不思議でなりません。
2巻の発売が前提となった構成なのに……






しょうもないことしかメモってなかったのと、あらすじへのツッコミで疲れたので読書メモは省略。






まとめ





読み終わったその瞬間までは面白かったので、本文的には何も問題なく楽しめたというべきでしょう!
「オタクであることが普通な世界」を作っておきながら異世界が舞台かい!!という高度で大掛かりなボケだと捉えれば、ギミックの無駄遣い感も消化できるので問題なし。

問題はあらすじとタイトルが本文と乖離しているというところで……
酷いってもんじゃないですよ、最早別作品ですもん。




何というかそんなわけで。
大きなプラスを大きなマイナスで相殺して、総合的には小さなプラスくらいの不完全燃焼感が強い作品になってしまっています……
これだけのマイナスを感じさせながらプラスに留めるくらい、本文は大好きなので2巻以降のパロネタ&シリアス展開には期待したいです!!




超個人的なまとめですが
26000円投資で27500円回収した昨日のスロット稼働みたいな一冊を昨日のうちに読み終えたのは、何か縁を感じます。




以上!





今日のラノベ!



顔が可愛ければそれで勝ちっ!!


顔が可愛ければそれで勝ちっ!!
バカとメイドの勇者制度攻略法

著者:
斎藤ニコ

イラスト:
もきゅ

レーベル:
角川スニーカー文庫


【あらすじ】

豪華な設備と自由な校風、そして「なんでも願いが叶う」とされる謎の制度<勇者制度>で有名な姫八学園。青春を求めて入学した俺、国立大理を待ち受けていたのは―築118年の超オンボロ男子寮!?しかも「ダイリ、新婚生活の新居はここ?」金髪碧眼幼馴染・南恋から逃げ切れず俺の青春は終わり……のはずが、女子寮メイドの東條風花さん(巨乳美少女)と仲良くなり一変!俺の部屋で一緒に勉強したり、裸を見たり(不可抗力!)と、まさに青春―と思っていたら、「私、退学になるんです」と告げられ!?そんなのダメだ!!男子寮のおかしなバカ達と一緒に<勇者制度>を使って東條さんを助けるんだ!!





感想:★★★★★





答えは最初に提示されているのである。









第23回【春】スニーカー大賞「特別賞」受賞作!
広大な敷地と膨大な生徒数を誇る姫八学園で、オンボロ男子寮の改善と苦学生メイドの授業料のため一致団結して奮闘する物語!!
……のように見える青春バカ騒ぎ!!





『バカとテストと召喚獣』の新世代が現れた!!というのが読後の印象です。
あまり他作と比べるのも良くないという意見もあるかと思いますが、この作品の場合触れないほうが逆に感想として不自然になりそうなので。






1ページたりとも抜け目のないボケの応酬にページを捲る手が止まることはなく、
ただの高校生とは思えない登場キャラの濃さに飽きることもなく、
不遇な待遇とヒロインの状況改善を求め決起する勇敢さがあり、
主人公の大理をめぐって繰り広げられる女性陣のバトル(もとい物理的に猛烈なアタック)にドキドキし、
回収されたところで伏線として機能していたことに気が付く巧妙さも併せ持ち、
シリアスなシーンもギャグと化す。






上に挙げたのは、『バカテス』との共通点……ではありません。
全てこの作品を読んだ直後に「魅力的だ」と感じてメモしていた部分です。
列挙した後に「……これバカテスと同じ要素じゃね?」と気づいて、そこからは共通因子探しをしたりもしましたがそれについては割愛(それこそキリがない)。



『バカテス』を引き合いに出してでも書き留めたかった感想は、


「ここまで質の高いボケが降り注ぐラノベは久々に読んだ!」


ということです。
ニュアンスとしては最近のがつまらないというより、伝説クラスの作品と比肩しうる作品が出てきてしまったという方向で。
いや、本当に今パラパラ捲りかえしていますが、どのページ開いても誰かしらが突拍子もない行動なり発言なりしているんですよね……
何この密度……







キャラの話。

東條さんが可愛いの……!
容姿もすっごい可愛いし、オンボロ寮ですら何かしら良い表現ができないかと考える健気さもまた可愛いの!!
最後の東條さんのイラストを見て「あ、僕はこのイラストのこの表情が見たくて読んでいたんだな」って腑におちる感覚があったのも納得の可愛さ。
この感覚すらも計算されて生み出されたモノなのかもしれないと思うと、恐ろしいまでの構成力に震えます……



恋も、今回は東條さんのフォローに回っていたので控えめ(?)でしたが、大理への気持ちはあんなものじゃないというのが伝わってきています。
今巻でも十分ですが、もっとすごい行動をしてきたとしても不思議ではない猛烈な愛を感じます。
既成事実を作ろうとしないあたり、本人的にはセーブしてますよねアレ。




男子寮の同室メンバーずは、筋肉盗撮抜刀というそれぞれの鉄板ネタを幾度も形を変えながら繰り出してきますが、女性陣が突拍子なさすぎる分安心感すら覚えます。
安心感のある笑いとは何なのか……(笑)






読書メモ




6p:濃い濃い濃い
⇒麦茶だと思って飲んだら濃縮めんつゆだったみたいな衝撃的なスタート。
あらすじ読まない派の私があらすじ読んだ上で見誤るレベルの笑いの密度でした!



136p:世界に住みたい
⇒もしかしたらこのページが今作で唯一真面目一辺倒だったのでは……?
この発言、真意はなんとなく汲み取れるもののギリギリ把握しきれない所を突いてきた感あって良い塩梅だと思います。



138p:変な間
⇒「……」で表現される変な間ってなんか不思議ですよね……
普通に会話してる時も三点リーダが入りそうな間っていくらでもありそうなのに、それって「変な間」ではなく「間」じゃないですか?でもそれを感じ取るのは我々の肌感覚であるわけです。
一方それが文章媒体での会話になると、三点リーダひとつで肌感覚を可視化することができるわけですよ。
もうちょっと拡大解釈してしまえば、「心」っていう観測できないものを間接的に可視化する文字という文化ってすごいですよね……って思いました。
そういうシーンではなかったんですけどねー……





まとめ





頑張って言葉を尽くしましたが、最終的には「面白かった!!」で締めくくるのが一番しっくりくる気がします。
笑いの流れに身を任せて揺蕩うの最高でした!


ほんとスニーカー文庫さんはこの作品を埋もれさせちゃアカンですよ……!
それはあまりにも勿体なさすぎます……!
なんとしてでも看板作にまで昇りつめさせてほしいと思います。



以上!



今日のラノベ!



魔装学園H×H 13


魔装学園H×H 13

著者:
久慈マサムネ

イラスト:
Hisasi

レーベル:
角川スニーカー文庫


【あらすじ】

死の淵を彷徨う傷無。記憶を失いつつあった彼を突如現れたオシリスがつなぎ止めていた。そこで自らが蘇生し、タナトスを倒すために必要な『生命エネルギー』を充たす、極限を超えた“究極改装”を習得することに―!?一方、傷無がいなくなり、我を忘れて戦いを挑む怜悧と愛音。状況の好転は難しく…。究極改装を完成させ、最強の敵タナトスを倒し、全員が愛した日常は再び訪れるのか!?大人気エクスタシーバトルノベル最終巻!!




感想:★★★★★




シリーズ最終巻……!
私は、とても、寂しい……




前巻ラストで死んでしまった傷無。
「どうなっちゃうの!?」という引きでしたが、ここで登場するのはかつての敵、元機械神のホクト・オーディン・オシリスの3人。
ホクトがタナトスの足止めをし、オーディンが肉体を蘇生し、そしてオシリスが死の国を彷徨う傷無の魂を連れ戻すために「大人の手ほどき」……!

蘇るためには生命エネルギーを生み出さなければならない。
そう、究極改装エクスタシー・ハイブリッドによって……!
実質子作りだけど、子作りにあらず……!

ということで最終巻にしてS○X解禁!!!(言っちゃった)







「昨日の敵は今日の友」理論は、バトルものとしての『魔装学園』の象徴的展開ですね。
今までもずっとそうしてきていました。
マスターズだって、グラベルだって、グレイスだって。
なので今回の機械神たちも何も特別なことではなく、だけど今まで傷無たちがやってきたことが正しいことだったと証明するかのような感慨深さがある登場でした。





究極改装は、やってることはアレですしその行為に含まれる感情が「強くなる」以上に「愛してる」ですが、ようやくここに至ったと感じるくらいには「改装」なんですよね。
ただし、今までと決定的に違うのは強さが装備に現れていないというところです。
いわゆる原点回帰(オーラが違うっ!)ってやつです。
特撮では激アツ中の激アツ演出ですね!
ガオレンジャーの巨大ロボとかそんな感じの最終決戦じゃありませんでしたっけ?
入れ替わり立ち変わり必殺技打ち込んでいくやつ。


閑話休題


エロラノベとしての『魔装学園』の極地たる究極改装。
1巻の段階で「子作りでも改装できるか妊娠させるとコアが排出されてしまうので絶対NG」という形で言及があったので、最終巻でこうなることは何となく察していました。
ですが、やはり初期段階での想像と、最終巻時点での今までの積み重ねを振り返りながらの本番だと全然違いましたね……
ここまで愛情に溢れた改装になるとは思っていませんでした。
本当に、素晴らしい改装でした……!






ネタバレ含む話あるので、一旦読書メモ挟みます。









読書メモ




128p:タナトスの正体
⇒「高度に発展した科学は魔法と区別がつかない」でしたっけ?
その論説をさらに昇華させた先に生まれたのが、神の領域に踏み込んだAI・タナトスだったというわけですね。
AIの発達とともにその危険性が囁かれている現代において、AIの終着点を想像するというのは娯楽であると同時に人間の自己防衛意識でもあるように思います。
「自立思考」させているのに「コントロール」しなければいけないというどこか矛盾した管理を求められるAI。
タナトスのような悲劇的な結末を、リアルでは迎えないことを祈りたいです。



150p:那由多……
⇒ちょっと想定外の感動に包まれているなう……

えっ……えー…………

子の心を知らず悪魔のような所業と神出鬼没な存在として当初描かれていた那由多が、神となることで人の心を理解し親として子に接し、子を守るために自らを擲つまでに……
連結改装をするまでに家族の仲が温まってきていたのに、こんな形で区切りをつけなければいけないなんて……



161p:そりゃ難しいよ……
⇒二つの世界、どちらに残るのか。
立場と感情の間で揺れる傷無と愛音が読んでいてつらかったです……
でも一番つらかったのは、212pで決断をくだしたグレイスだろうなぁ……
探し続け、やっと再会できた大好きな姉を、大好きな兄と一緒に居てもらうために二度と会えないことを覚悟して追放するだなんて……
でも……いつか……



176p:あっ……
⇒さりげなくハブられるシルヴィア……



240p:神殺し
⇒シリーズ最後の読書メモはやはり彼女が持って行きました。
「神殺しのガートルード」とかカッコよすぎやがりますよ……!






まとめ





ハユルの究極改装シーンはどこじゃああああああああああああああああああああ





前でも後ろでもしちゃう真面目委員長の猫コス羞恥プレイ、絶対あると信じていたのに……っ!

【追記】
アニメイトさんにて『魔装学園H×H13』と『暗黒ハローワーク』の同時購入特典SSペーパーにハユルの究極改装シーンがあったことを、遅ればせながらご報告させていただきます。
……えぇ、2冊目ずつでしたが買いましたとも。

やっぱりお尻で楽しんじゃうハユルさんがいて、妙な感動に包まれました……
とても良かったです!!!!!

【追記終わり】




まぁ、それは置いておいて。
グラベルは順当だとして、ゼルのキャラが崩壊する究極改装シーンには驚きました。
ぜっっっっったいそういうキャラじゃなかったじゃないですか!!!
あと、職権乱用お姉ちゃんこと怜悧ね……
普通に近親相姦ですからねそれ……ありがとうございます。





はぁ……これで『魔装学園』の感想書くのも最後なんですよね……
改装もバトルも心情描写も、どこ切り取っても深さがあって感想書くのが楽しかったです!
勢いに任せて書けて楽だったとも言う……




今までありがとうございました!
後日譚短編集、密かにお待ちしてます!




以上エロスッ



今日のラノベ!



好きって言えない彼女じゃダメですか?


好きって言えない彼女わたしじゃダメですか?
帆影さんはライトノベルを合理的に読みすぎる

著者:
玩具堂

イラスト:
イセ川ヤスタカ

レーベル:
角川スニーカー文庫


【あらすじ】

「恋人同士、ですか?よく解りませんが、それでよければ」僕の彼女、帆影歩は少し変わっている。無口で無表情が基本な上に「人=哺乳類=おっぱい大好き」と、平然とトンデモ理論を語ってくる。さらに僕の足の甲を愛撫してきたり、入浴中の裸の画像を送ってきたり―って帆影?当初は清純派文学少女だったよね!?おかげでなぜか妹の映が心配?してきて、言葉責めにあうようになったのですが!?(妹よ、お前は何なんだ)そんな帆影も“普通彼女”を目指してはいるらしく、参考にしているのは…ら、ラノベらしい?(なんか期待しちゃう)彼女と妹と僕。ラノベを通じた不思議な三角ラブコメ開幕!!




感想:★★★★★




さては5月に続いて6月も豊作月だな?



これ絶対公式あらすじで損してますって!!
メインヒロインである帆影のイメージダウンが凄まじいんですが!!?
そもそも“普通彼女”を目指す話ではなかったと……



ということで作ってみましょう。
あらすじ。




かつては活発な少年だったが今では冴えないオタクとして毎日をダラダラ過ごす新巻天太。
いつもはそんな兄にダメ出しする妹のはゆがとある相談を持ちかける。
「あのさ……ライトノベルって、あるじゃん」
「あれって、何が面白いの?」
だらしない兄の姿やネットの情報からオタクを毛嫌いしている映は、ネットでライトノベルを書いていたという親友の果穂ちゃんに向かってライトノベルをボロクソに貶して喧嘩をしてしまったという。
天太の所属する文芸部員で天太の彼女の帆影、文芸部のお隣さん・漫画研究会に所属するハイテンションオタク・伊井坂を加えた4人で、ライトノベルの面白さを再発見!そして無口な帆影は、ライトノベルから学んだ手管で天太を……?





こんな感じでしょうか?


ライトノベルの面白さを帆影理論で見つけていくという軸と、帆影と天太のなかなか進まないラブコメという軸。
二本柱のお話です!


帆影は基本無口ですが自分の考えを話す時には目の奥を微かに輝かせながら流暢にしゃべり続ける子でした。
ただし、その考えというのが常人の理解を超える突飛さを持っていて、そのせいで周囲の人との関わりが薄めなようす。
でもその突飛な考えを魅力的に思い、そして自分を肯定してくれた(ような気がした)ことで好きになったのが天太というわけですね。
私も帆影が大好きです!!

自分の知識に基づき未知を類推していく過程の美しさが彼女の魅力です!!



もう本当……読んで……!
引用するには長すぎるから……!

以下リンクから試し読みできます!!!!

スニーカー文庫:書籍情報『好きって言えない彼女じゃダメですか?』







文芸部の美少女、ブラコンツンデレ妹、ハイテンションオタク、冴えない主人公

と、キャラ属性で見ると王道中の王道。
しかし今作に限れば王道だから良いんですよね。
もちろん帆影理論をもとにした超越的なラノベの魅力が今作の最重要ポイントですが、それを語り合っているあの場、あの空気。
放課後の部室で、左右を美少女に囲まれちゃったり、それぞれの思想を語り合ってみたり、かと思えばこっそり机の下で攻防を繰り広げてみたり。
それこそまさに、学校を舞台にしたライトノベルの原風景なのではないでしょうか?




ラブコメも面白かったです!
中盤から後半にかけて「彼女として」帆影がどう振舞っていくのかドキドキしながら読んでいましたが……ラストでああなるとは!
「無口キャラが喋ると萌える」というのは何とも矛盾を孕んだ概念ですが、事実そうなのだから仕方ない。
あのラストシーンだけボイス付かないかな、と耳をそば立てたりしましたが聞こえないですよね!そりゃね!!
息継ぎとかイントネーションとか、微妙な声のかすれ具合とか、そういう「生の帆影」を感じたいです……







読書メモ




46p:映の気持ちが分かってしまった……
⇒おっぱいの素晴らしさについて反射的に語る、これもまた男子高校生を描く作品においてはよくある描写ですね。この表現力には感嘆します。
しかしそれはそれとして、これはキモいと言われてもしょうがない(笑)
映がただ単に天太に突っかかってるだけじゃないというのがこのシーンで分かったので、その後の映の態度にも一定の同情が生まれたのかなぁ、と思います。
素晴らしい。



73p:力強い
⇒新入生首席、渾身の叫びおっぱいが今ここに……



84p:考証
⇒私がライトノベルを読み続けている理由の一端が語られていて、同じような考えに至る人が少なからずいることに喜びを覚えました。
とんでもないところに無駄に豊富な知識が詰まっていたり、予想外のところから興味のなかった分野の話になって興味を持ったり。
解釈の自由度と学びの宝庫なんです。
私にとってのラノベは。
……一体そのうち何%が身についているんだと言われると耳が痛いですが。



119p:さすが肩萌え
⇒しっかりフラグを回収していったことに拍手



171p:スターシステム……?
⇒モブキャラにしてはカフェでの一連の流れが面白すぎるんですが、玩具堂先生の過去作に出てきたキャラだったりするんでしょうか?
それとも本当にただのモブキャラ……?



197p:はい萌えー
⇒拙者、無口キャラの無言の照れ表現大好き侍
空の飲み物のストローを吸い続ける帆影殿に萌え萌え必死で候





まとめ




ラノベ好き必修作品だと思うんですが!

帆影理論に賛同するもよし、反対意見を唱えるもよし、ラブコメに悶えるもよし!

語りたい系ラノベブロガーは読むんだ!!


ライトノベルって何だろう?というラノベ初心者にもオススメできると思います。
どちらかというと特殊な部類の作品ですが、ラノベ的なキャラを魅せる側面と、文学的な物語を魅せる側面がうまいこと混在しているので、読みやすいんじゃないかと!

続きも読みたいですねー!



以上!


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