カテゴリ: MF文庫J

今日のラノベ!

ワキヤくんの主役理論2


ワキヤくんの主役理論 2

著者:
涼暮皐

イラスト:
すし*

レーベル:
MF文庫J


【あらすじ】

 青春公園での一件の後、俺はこれまで通り、青春を目一杯楽しんでいた。学校で勝司たちと他愛も無い話をしたり、駅前にやたら良い雰囲気のおでん屋台を見つけて、店主の少女・赤垣此香と友人になってみたり。――しかし、日常は唐突に破られた。
「我喜屋先輩は姉が好みではありませんか?」
 突如やってきた、叶の弟・望くん。彼の目的が全く解らないまま、何故か目の前でさなかとデートすることに。しかし、さなかも何か思うことがあるようで……?主役男と脇役女によるおかしな青春勝負、第2弾。今回はさなかが主役……!?



感想:★★★★★




ずっとさなか(と望くん)のターン!




1巻との同時更新でいきますよー!!
お祭り騒ぎだー!!
わっしょーい!!





というわけで第2巻。
青春公園での青春を経て青春同盟を組んだ2人がそれぞれの理想の青春を達成するためおでんと雑炊を食べるお話。




それはともかく、さなかが、可愛い。
1巻の読書メモで「無限に可愛い」と書きましたが、訂正します。
超絶無限に可愛いです(語彙)

え、もう主役理論とか良くない?
さなかとのラブコメで良くない?



とか少なからず思ってしまいますが、主役理論あってこそのこのもどかしさなのでグッと堪えて叫ぶに留めます。


スゥ……















さなかが可愛い!!









某ゆずソフトのサノバ魔女に引っ張られてるのは重々承知してますが、もう絶対CV:小鳥居夕花ですよね!!高森奈津美と言ってもいいイタズラ目してThank you♡
もうあからさまなまでに我喜屋のこと好き好きオーラ出てて勝司や葵にバレバレなのに、やっぱりラブコメメインヒロインらしく我喜屋には1%くらいしか伝わってないのが最高に狂おしく好きです!
自分から偽装カップル&デートを提案しておいて、いざ我喜屋が「好きな人の特徴」として自分の特徴を上げると真っ赤になって俯いちゃうの最高ですし、入学前に見た我喜屋の例の行動を覚えていてある意味そこに惹かれたと言っても過言ではないのに、まさにその点でおいて我喜屋に見劣りするからと話せなくなっちゃうのも真面目な性格が垣間見れて良き良きの良きです!!第二回青春公園青春論争における立ち回りも、投げやりに自己開示しつつこんな自分を認めてくれるのではないかとやっぱり好きな我喜屋への信頼があって、でもそんな投げやりな君も好きー!……って。




落ち着こう。





新キャラのおでん屋店主・此香は、第三の青春理論者ですよね。
名前は付けていませんでしたが。

皆で楽しんでこその青春。
本当に信頼できる友以外を求めない青春。

それに対して……今やれることをやる青春とでも言いましょうか。
名付けず、争わず、ただ黙々と自分の信条に基づいている姿はまさに職人。
……口を開けば年相応というのがまた良いですよね!





あと挿絵登場率の高い望くん。
彼は……何なんでしょうね……
いや、エピローグで予想通り我喜屋が迫ってくれたんですが、想定通りはぐらかされましたからね……

妙に老獪……なのは良いとして《脇役哲学》に関わっ……てはいないでしょうけど何故知っている?
あとどうやって部屋に入った……





叶は今回は存分に《脇役哲学》してましたね!
《主役理論》がまだ不完全なうちにリードを広げてしまおうという魂胆か。
まぁ普通に楽しんでるだけなのだけど。

まさに「我喜屋が主役の物語に脇役として登場する」という前巻の結論を忠実に実行しているといった感じでした!

我喜屋も「主役はこんなことしない」みたいに相変わらず自己否定(向上心?)に邁進していましたが、傍目から見ている分には十分主役してるんですけどねぇ……






読書メモ




79p:ダッ
⇒なかなか無いタイプの誤字ですね!!
会話括弧の先頭がダッ、て。
校正さん……!!



112p:惚れたりしない
⇒そういう確認を入れるから不安になるんだよコンチクショー



212p:そんな女々しいこと
⇒未那くんは叶と一緒に川原ごはんしたかったことくらい、皆知ってるからね!
素直になっちゃえよ、ほら!ほら!!!



293p:秋良
⇒そっかー。
ずっとメガネかけたインテリ男子だと思って読んでましたが、性別についての言及ありませんでしたねー?って名前見て思いました。



まとめ


いやぁ……最後の最後まで、さなか可愛かったなあ……
1巻の感想でも書きましたが「理想のヒロイン像」を詰め込んでますよね。
なのにあざとくない。
見えて天然。
素を捨てきれてないまま可愛く振舞おうとしてるいつものやつとか、もう、1周まわって成功してるじゃないですか。
なんなの??
天使?それとも可愛く擦り寄る猫?
猫といえば前川みく



3巻は出るんですかねぇ……
出てほしいですねえ……

どうやらカクヨム勢によると、4巻くらいまで出ると書籍で胃痛を楽しめるとのことなのです。
時間ができたらカクヨムで読んでも良いんですけどねぇ……
やっぱり紙で読みたいので、カクヨム版を読むかどうかは別として続刊を待ちたいと思います!




ひとまず……


叶と未那がお互いのアイデンティティを潰す、つまりは融和ではなく、お互いを好き合ってしまう展開がしばらく来ないことを祈ります。









以上!



今日のラノベ!

ワキヤくんの主役理論


ワキヤくんの主役理論

著者:
涼暮皐

イラスト:
すし*

レーベル:
MF文庫J


【あらすじ】

 青春を最大限楽しむためのメソッド《主役理論》を掲げ、夢の一人暮らしを勝ち取った俺・我喜屋未那。隣に住む少女・友利叶も一人暮らしで、クラスメイトで、バイト先も趣味も嗜好も全てが同じ……なのに俺と真逆の《脇役哲学》を掲げる、決して相容れない天敵だった! そんな叶との口喧嘩の果て、同時に部屋の壁を蹴破ってしまい、何故か同棲する羽目に。そして俺たちは、やはり同時に考えた――これは戦争だ、と。
「そのさもしい青春に嫌気が差したら、いつでも言ってくれればいいぜ?」
「そっちこそ、煩わしい人間関係に嫌気が差したら、いつでも頼ってくれていいよ」
 俺の《主役理論》と叶の《脇役哲学》、どちらが正しいのかこの同棲で白黒つけようか!





感想:★★★★★




はい、好き







質問箱で匿名の緋悠梨さんから「このラノまでに読むべきラノベ」としてオススメいただいたので、というか事あるごとにオススメされていたのでいい加減読もうということで読みました。
……ちゃんと発売直後には買ってたんですよ!!










《主役理論》と《脇役哲学》
同じ起源から成立した全く逆の思想を持つ2人が、自分の青春の正しさを証明するための戦争を描く物語。


なんだかんだ243pの一文に至るための物語だよなぁ、というのが素直な感想です。
2つの理論が出てきた時に、真っ先に思った妥協点そのままが結論でした。


でも、それがつまらなかったかと言うと全くそんなことはなく。
むしろ、この物語の真骨頂はこの素直な結論に行き着くまでの過程のめんどくささにあると思います!






そう、めんどくせぇこいつら!!





我喜屋の一人語りというか言葉遊びが多いし、《主役理論》と《脇役哲学》をぶつける2人はなまじ自分の信条に誇りベタベタだから口論がとても具体的!!
お互いをこれ以上なく理解してるから話の展開早いのに、何故か話が進んでないし!

パラパラ見てるとよく分かるんですが、ほんと文字ギッシリなんですよ!この作品!!



そこが!良いのだけど!!!







1歩進んで2歩下がる、そして4歩進んで2歩戻る。
あるいはスタンドを立てたままのママチャリを全力で漕いでいるような。

この凡そ一般的には無駄とされてしまう労力をそれはそれで楽しめてしまうのが我喜屋と友利。
(趣味が本質的に無駄なことだとか、そんな感じのこと本文にありました……よね?)
(2巻でしたっけ?)
何とも言えない羨ましさを感じてしまいます。

いや、んー……

多分彼らの凄いところって、この無駄を楽しむことを理論として組み立てていることですよね。
偶然の無駄を楽しむことなら誰でも出来ますし。

でもその凄さに一定の共感を覚える部分もあって、多分その共感ってオタク特有の凝り性というか、「これに熱を入れる」って決めた時の無駄な行動力に通じるのかなぁ、と。




つまりは、2人は青春オタク

自らの青春を彩るために手を抜かず、妥協せず。
でも根底にあるのは「過去の自分の否定」と「理想の自分への共感」。


だから理想の結末は「相手を自分の中に、自分を相手の中に」入れてしまうことで、この同時に成立しなさそうな2つを同時に達成することこそがこの物語の最終到着地点……と見た!

いや、まぁ見たも何も「融和」って73pに書いてありますけど。
スタート地点に立つまででここまでめんどくさいんですから、この先が思いやられると言うものです。
どんな言い争いが見れるのかワクワクです!


(純粋な目)
(……をどこまで維持できるのか)






以下、まったりと読書メモを消化ー




読書メモ



13p:主役理論
⇒ちょこちょこ「第〇条」と出てくるんですが、一覧とかがあったらもっと楽しめたのかなぁと思います。
《主役理論》をより完璧に近づけるための物語という見方も十分以上に可能ですから。
冒頭だとネタバレもあるでしょうし、巻末とかにね……
一応表紙背景に書いてあるんですが……いや、さすがにこれは読めない(笑)



96p:さなか
⇒ラブコメの予感
いいよいいよ、もっとちょうだいそういうの!!



96p:青春含有率
⇒地の文、素で思っていることだからこそ、ここから我喜屋の油断とか見抜けそうだなぁ、とふと思いました。
浮かれたら落とすの法則。



166p:会話
⇒すごい自然な会話。
でも冷静に想像してみると、今の若者がこのやり取りをしているかというとNOなんじゃないかな……
いや、これはリアリティが欠けるとかではなく、物語の若者理想像と現実の若者理想像の乖離、あるいはラノベ的に進化しすぎたスクールカーストの虚構性についての考察でして……
「青春オタク」ってフレーズか浮かんだのはこのあたり読んでる時でしたね。



167p:敬礼
⇒さなかの敬礼かわいい、無限にかわいい

っていうかさぁ!!
まず間違いなく理想のヒロイン像をふんだんにまぶして出来上がってますよね、さなか!!
こんなの好きになるのというほうが無理じゃないですか!!!

……あぁ、そういうことか!!
(唐突に何かを悟るdeskyzer氏)



181p:そういうとこだろだ
⇒ほんと、そういうとこだぞ!



185p:バカバカバカバカ
⇒さなかの一挙手一投足一言一言が可愛くて仕方ないんですが、どうしましょう。
あ、先に言っておきますね。
2巻ありがとうございます!






まとめ


青春の全てが詰まっている……というにはあまりにもめんどくせぇ彼らですが、でもつまるところこの「迂遠さ」「面倒くささ」こそが青春なのだと思ってしまいます。


思わされたら負けですよ、まったくもう!!

負けました!!




文章がとても好みで読んでて楽しいので、2巻も早く読み…………まぁ言ってしまえばもう読み終わってますが。
同時更新で感想をお届けしているので、そちらもよろしければどうぞ。








以上!





今日のラノベ!


KB部


KB部

著者:
新木伸

イラスト:
あるや

レーベル:
MF文庫J


【あらすじ】

いつもの放課後。いつもの部室。皆で膝を付き合わせての、いつもの執筆タイム。「KB部」で京夜は自由に物語を紡ぎ、創造する時間を楽しむ。「…部長。この部って、お茶してお菓子食べる部なんですか?」バトルものが大好きな部長に、悪役令嬢ジャンルが好みっぽい恵ちゃん、牧歌的な絵本を描いている綺羅々。ちょっとえっちいのが好評な紫音さん…。軽い小説を書く部「軽文部」に入ってから一年。京夜は今日も、彼女たちのためにノートに物語を綴る。今回の物語は―ゆるふわ日常系「GJ部」と食ものファンタジー「GEφグッドイーター」!1話4ページの短編を36話収録!





感想:★★★★☆


『GJ部』と『GEφグッドイーター』は、実はKB部(軽文部=ライトノベル部)のキョロが部員を元に書いた物語だった……!という設定で描かれる、いつもの部活動。
4コマ小説という形態もいつも通りで和みます。


合間に挿入されている『GJ部』『GE』部分も(恐らく)書き下ろしなので、既存ファンも楽しめる仕様になってます!
それぞれ手元ので確認するまでは、普通に既存のもの引っ張ってきてるものだと思っていました……
シリーズ全てを読んでいるわけではない……というか読もう読もうと思いつつ揃えてすらいない現状なんですが、部員のキャラが確固たるものとして頭にインプットされているんですよね。

4コマ小説の物語としての最大の持ち味って、キャラクター性を伝える濃度の濃さかと思います。
1冊の中でこれほど起承転結を繰り返すラノベは、新木伸ワールド以外にないはずです。
その繰り返しが「このキャラはこういう子」という刷り込みを強固なものにしてくれているので、『GJ部』で言えば2冊、『GE』は1冊しか読んでいない私でも全く忘れることなく彼らの特徴を把握できている……のだと。



タマと森さんは1巻で無理して出さなくても良かったんじゃないかなぁ、という登場密度で少しだけ気になりました。
特にタマは、『GJ部』を2巻までしか読んでいない私にとってはアニメでのみ見ているキャラなので、小説側での彼女をイマイチ掴みきれなかった感があります。
いくらキャラクター性を濃く伝えられる形式といっても、突然出てきた焼いている途中のハンバーグが出てくる描写からタネのつくり方を当てるかのようなことはできないですから。
……例えが絶妙に下手。





まぁ、でも4コマですから。
何も考えずだらーっと読むのには丁度良いので、ストレス社会における癒しとしてもっと広まっていけば良いなと思います!





【余談】

GJ部OP「もうそう こうかんにっき」は、KB部キョロの書く小説ノートの概念がマルチバース解釈と深層接続のエラーにより異形表出してきたものと考えたらエモいなって話




以上!



今日のラノベ!



西野 2

西野 2
~学内カースト最下位にして異能世界最強の少年~

著者:
ぶんころり

イラスト:
またのんき▼

レーベル:
MF文庫J


【あらすじ】

学園カーストの中間層、冴えない顔の高校生・西野五郷は界隈随一の能力者である。青春の尊さに気づいた彼は、文化祭期間を利用して彼女作りに躍起となる。だが、クラスメイトに声を掛ければ振られ、部活動に貢献するも振られ、他校の生徒に声を掛けても振られ、評判は瞬く間に落ちていく。更には文化祭の売上金を巡り窃盗疑惑を掛けられてしまう。だがしかし、隣のクラスの美少女、ローズ・レープマンだけは西野と相変わらず接していた。そこでご近所での恋愛を諦めた彼は、彼女から素敵な異性を紹介してもらおうと策を講じる。ローズの真意と、一連のいじめ騒動の裏側が、白日の下に晒される文化祭騒動の解決巻。




感想:★☆☆☆☆

(まえがき)


激情を叩きつけたような感想になりました。
本来はこのような作品の真意を汲み取らない感想は公開するべきではないのかもしれません。
読まなかったことにすることもできます。
葛藤は少なからずあります。
ですがああいった感想を持った私がここで黙るということは、いじめられている人を見過ごすのと何ら変わりないことだと思うんです。
あるいはいじめられていたあの時に泣いて暴れることしかしなかった自分に戻ってしまうような危機感とでも言うんでしょうか。

なので、そういう意見もあるということを知ってもらうために書き残します。


『西野』という作品への批判的な意見を読みたくない方は、Uターンをお願いします。

以下本編。
















まず、1巻の感想で「受け入れられない面白さ」だと書き残しながらも2巻を買った理由からですね。

ひとえに前巻の物語が中途半端だったからです。
西野=フツメンを際立たせるあの書き方は苦手だけれども、文化祭が終わる頃にはその文章も一周まわって受け入れられるような展開があるのではないかと思ったからです。
サイレント上下巻構成パターンですから。
読まないと損かもしれないと。





で、その結果ですが、やっぱり私はこの作品を受け入れることができなさそうです……。






この作品で各々のキャラがやっていることって、どこをどう切り取っても「いじめ」なんですよね……


相手の容姿や主張が気に食わないから、蔑む・罵る。
相手は誹謗中傷に慣れているから、どれだけ言っても構わない。
自分のほうが「強い」のだから、「弱い」人に何をしても良い。
自分は常識を持っているのだから、その常識に従わない人はどうなっても自業自得。
やられた分はやり返しても構わない。


これらの認識を寄せ集めたものが『西野』という作品であると、私は2巻まで読んで思いました。
もしかしたらこれらの認識を覆すギミックがあったのかもしれませんが、私にはそれを認知することができませんでした。
仮にそのようなギミックがあっても、あるいは3巻以降でクラスメイトが改心するようなエピソードがあるにせよ、いじめの現場が過去のものである以上もう手遅れなんですけどね。
言った時点でアウトです。









ちょっと強い口調になってしまうのが情けなくも心苦しいところですが、端的にまとめると感想はこうです。






世間で騒がれているものに比べて軽いとはいえ過去にいじめられていた身として、
また、同時に無意識にいじめていたかもしれないという悔いを持っている身として、
この作品が「娯楽小説」として世に出ていることに強い怒りを覚えます。


「小説の出来として凄い」とか、
「今までにない着眼点」とか、
「西野本人がどう思っている」とかは関係なく、
「いじめ」を第三者視点で見ることを「娯楽」にしていることが許せません。













以上!



今日のラノベ!



君死にたもう流星群

君死にたもう流星群

著者:
松山剛

イラスト:
珈琲貴族

レーベル:
MF文庫J


【あらすじ】

二〇二二年十二月十一日。それは僕が決して忘れられぬ日。その日、軌道上の全ての人工衛星が落下し、大気圏で光の粒となり消えていった。『世界一美しいテロ』と呼ばれたこの現象にはたった一人、犠牲者がいて…!引きこもりの少女・天野河星乃を救うため、高校生の平野大地は運命に抗う。「まさか読み終わる頃に自分が泣いているなんて考えもしませんでした」「切なさ、絶望、一縷の望みと試行錯誤の日々、さわりだけ読むはずが先が気になってもう止まりませんでした」「この作品を読んで僕も夢を諦めたくなくなりました」発売前から多くの人を感動に巻き込んだ『宇宙』と『夢』がテーマの感動巨編スタート!




感想:★★★★★




この作品を読んで、夢を諦めたくないと思える人間でありたかった……






スペースベイビーという特異な生い立ち、両親は日本を代表する宇宙飛行士、天才的な頭脳、秀でた容姿。
そして、人間不信の元引きこもりにして、宇宙飛行士で、「世界一美しいテロ」の唯一の犠牲者。
それがヒロインの天野河星乃。

星乃の発明したスペースライターで過去へと飛んだ主人公・大地が、運命を変えようと足掻くなかで自分の生き方や「夢」の在り方について考えていくお話。




私は、率直に言えばだいぶモヤモヤしながら読みました。
大地の掲げる「コスパ至上主義」とも言うべき考え方が幼稚すぎて見ていられないんですもん……



本当にコスパ良く勉強するのなら、適度に手を抜くわけがありません。
テストや入試の際にする勉強時間が増えるだけですもん。
ただの先延ばし、あるいはその先その学習内容を一切使わずに生きることに賭けているだけです。
あれは楽をするための理由のためにコスパという文字列を使っているだけです。

適度に手を抜く勉強をしてコスパが良くなる条件があるとすれば、それは「学校ではやらない範囲の学習を将来のためにしなければならない」場合などごく限られた条件のみのはずなんです。
つまり、大地がもっとも苦手とする「叶えたい夢をもつ」ことが必要になります。




なので、恐らくそれらを全て理解したうえで「大地くんには夢が足りない」と助言している星乃が狂おしく好きです!!
頭で理論は組みあがっているのに説明が言葉足らずなせいで大地にその真意が伝わっていないのがいかにも天才っぽいです。

しかしその星乃は既に……
過去に飛び、つまずきながらも星乃を取り戻し二度と離さないために大地がこれからどんなアクションを起こしていくのか、星乃の真意が伝わるのか。
非常に続きが楽しみです!







話は変わりますが。
「夢は99%叶わない」という大地のセリフや一連の流れを見て「夢をあきらめずに頑張ろう」と思える人が、やっぱり多数派になるんでしょうか?

私は「中途半端だなコイツ」って思ってしまったんです。
あれだけ夢をもつことのバカらしさを語っておきながら、夢の叶う可能性を1%も見積もっているとか信じられないです。

一パーセントよりも低いかも

本文209pより


かもじゃないです。絶対低いです。
一パーセントよりも低い確率から、努力で掴み取るのが夢なんです。
努力を捨てた人間が夢を叶えられる確率なんて、0パーセントに決まってるじゃないですか。




なので、恐らくそれら全てを理解したうえで「A(才能)×C(努力)=P(夢の実現可能性)」という方程式を提示した星乃が狂おしく好きです!!!
何なんだこの子は!!もう!!!!好き!!!





とはいえ。
結局私も考え方の根本は大地と同じなんですよね。

夢の持ち方が分からないです。
「夢」という大それたタイトルを付けてまで、そして努力を重ねてまで何かを成し遂げたいと思ったことが……記憶の限りで無いんですよね……(「目標」くらいならありますが)。
なので、大地の考える方向はすごくよく分かります。
上述したもやもやは、突き詰めれば同族嫌悪なのかもしれません。

だからこそ、星乃や伊万里のような夢を持って頑張ろうとしている人たちって凄いと思います。
だからこそ、大地が夢を持ってくれることを期待せずにはいられません。





以下、読書メモにて候。



読書メモ





タイトル:君死にたもう流星群
⇒与謝野晶子「君死にたまふなかれ」をモチーフにしたタイトルですね。
「流星群」を「ながれぼし」って読みたくなるのは私だけですか?
「きみしにたもうながれぼし」って。



90p:君の夢は。
⇒前前前世から星乃を探しそうだなぁ、とか思いながら必死に時間軸を割り出そうと考えてました。
後で思いっきり「2017年」って書かれていたんですがね!



125p:分からぬ。
⇒過去に飛ぶため大地が使った、星乃発明の「スペースライター」の原理が一応説明されていますが……理解が追いつきませんでした!
超光速で網膜データ飛ばして時間を超えるというくらいの理解で……良いですか?良いですね!



156p:こいつ……
⇒このシーンを皮切りに未来知識をマシンガンの如く放っていく大地に、最初「こいつバカか?」と思っていましたが、スペースライターの副作用的に記憶の定着に問題あるのが原因だからしょうがないみたいですね。
……そういう理解でよろしいのでしょうか?(原理が分かってないからフワッとする)



250p:ヤマ当て
⇒大地、既に幾度もスペースライトしていた説。
過去の記憶が無かったのは……ほら、副作用的なサムシングですよ。




まとめ




読む前にチェックしていた事前企画やTwitterでの感想は大絶賛の嵐でした。
私の感想は、正直そういった感想とは温度差があると思います。

ただ、面白くないというわけではありません。
むしろ、とても面白いです!
それぞれの登場キャラが抱える悩みや夢がどうなっていくのかというミクロな視点と、星乃の運命を変えることができるのかというマクロな視点。
2つの視点から運命が絡み合った状態で、大地が未来をどう変えていくのかとても楽しみです!



……星乃の死の運命を変えるだけだったら、手っ取り早い方法があるにはあるんですけどね。
7巻くらいまで引っ張ってならその方法でのエンディングも見てみたいですね……
相当に闇が深い。





以上!


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