カテゴリ: 電撃文庫

どもー。
deskyzerです。


久々に机に向かってうんうん唸っていました。
トータル4時間近く……?
ゲーム理論って、仮定の表から実際の行動に落とし込んで理解するのが難しい気がします……。
テストは答えられるけど、その意味を理解しきれていないみたいな感覚です。



その成果?を使う今日のラノベ!

数字で救う!弱小国家


数字で救う!弱小国家
電卓で戦争する方法を求めよ。
ただし敵は剣と火薬で武装しているものとする。

著者:
長田信織

イラスト:
紅緒

レーベル:
電撃文庫


【あらすじ】

小国ファヴェールの王女・ソアラは悩んでいた。隣国との緊張が高まり、戦争の気配がちらつき始めた今、国力が低い自国を守るにはどうすればよいか。父王は病に倒れ、頼みの綱の家臣たちも、前時代的な「戦いの栄誉」ばかりを重視し、国を守る具体案を誰も持たないまま。このままファヴェールは滅ぶのか…。しかし、そんな時、彼女の前にある人物が現れた。“ナオキ”―後の歴史に“魔術師”の異名を残したその青年が扱う『数字』の理論と思考は、ソアラが求めた「国を救うための力」だった…!異能ナシ、戦闘力ナシ、頼れるのは2人の頭脳だけ…!理系青年と、敏腕王女が『戦争』という強敵に挑む『異世界数学戦記』、ここに登場!





感想:★★★★★




「ゲーム理論で考える弱者を救うための生存戦略」っていう、英語タイトルが好きです!
すごい論文っぽい。




ということで、ラノベ業界としても大変意義のある重版を成し遂げた『すうすく』です!



憧れの祖父と同じ数学者を目指していたナオキと、旧態依然とした家臣団を前に衰退の一途をたどっていた弱小国ファヴェールの王女・ソアラが、数字の力で国の存続を目指すという物語。
今回主に取り扱われるのはゲーム理論だったわけですが、面白いほど計算通りに進む場面と、恐ろしいほど計算通りにいかない場面の対比が面白かったです!



そもそもゲーム理論は「すべてのプレイヤーが合理的な判断のもとに行動する」ことを前提としています。
つまり合理的な判断をしないプレイヤーがいると破綻するんですよね。
国家元首や商人など、今回計算通りに進んだ相手というのはそれなりに頭の回る人物だったように思います。
逆に神を信仰し、奇跡を信じ、天運を引き寄せ、武功が誉れと考える評議会やソアラの父に対してはとことん計算通りにいきませんでした。

じゃあこれは評議会が全部悪いかと言うとそこまで単純な話でもなく。
敵国との内通はGuiltyですが、単純に何を言っているか理解できないから今まで信じてきたものを信じる、という考え方なのだとしたら説明責任を果たしきれていないソアラ側にも非があることになりますから。
理論を解説できてこその数学だと思うので。






それにしてもソアラが可愛いくてしんどいです……
ヒロインが1人というのもなかなか珍しいですが、それをあとがきで触れられるまで気にしなかったくらいには魅力的でした!
好きな数学の話になるとつい前のめりになってしまう無邪気さだったり、何度拒絶されても父を説得してみようとする強さだったり、長い間願っていた理解者たるナオキに心を開くのがめっちゃ早かったり!
服装や髪型も色々登場したので、外見でも色々な魅力が見れたのは嬉しいです……!
勝負下着良いですよね。うん。





読書メモの前に、例の成果というやつを乗っけておきたいと思います。
自分なりに考えたつもりですが、それが考え方として合っているかどうかは分かりません……(笑)




まずは114pの囚人のジレンマ

GAME1

(シャーペンで書いたので薄い……)
(字が小さくて汚くてすみません……)

ナッシュ均衡でありながらパレート最適ではないというパターンの最も代表的な例ですね。
これはさすがに覚えていました。





続いて166pのチキンゲームと麦の競争入札!


20180514_00002_001

相手に依存するパターンから条件を追加することでナッシュ均衡をひとつに絞るという例。
応用して、セカンドプライス制の競争入札におけるプレイヤーの最適行動を考えるというもの。

これに一番時間取られた気がします……。
表も商人の行動も感覚的には理解できるんですが、その両者をどう結びつけて考えるのかが分からず苦しんでいました……
具体的には「譲歩」と「対立」が、「価格を下げる」と「入札」のどちらに該当するのかというところ。
多分これで合ってると思うんですが……




そして最後は286pのハトタカゲーム!


20180514_00002_002
GAME4


この子の場合は本筋に関係ない「進化的に安定な戦略」をどう算出するのか分からなくて唸ってました…(笑)
計算で出せれば良かったんですが、うまく思いつかなかったので視覚的に分かりやすく総当
たり形式でやってみました。
(Wikiの例、プレイヤー12人が進化的に安定な戦略だったせいで試行錯誤するのが大変でした……)

ここは本編読んでて唯一文章で理解できなかったところでした。
「タカが増え続けても取り分はマイナスにならないのか?」とかその前後ですね。
ハト1、タカ5で試算したら、本当にタカが全部マイナスになってハトの1人勝ち状態になったのでめっちゃ興奮しました!!
数学楽しいよ……





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今日のラノベ!



三角の距離は限りないゼロ


三角の距離は限りないゼロ

著者:
岬鷺宮

イラスト:
Hiten

レーベル:
電撃文庫


【あらすじ】

人前でどうしても「偽りの自分」を演じてしまう僕。そんな僕が恋に落ちた相手は、どんなときも自分を貫く物静かな転校生、水瀬秋玻だった。けれど、彼女の中にはもう一人―優しくて、どこか抜けた少女、水瀬春珂がいた。「一人」の中にいる「二人」…多重人格の「秋玻」と「春珂」。僕は春珂が秋玻を演じる学校生活がうまく行くように手を貸す代わりに、秋玻への恋を応援してもらうようになる。そうして始まった僕と「彼女たち」の不思議で歪な三角関係は、けれど僕が彼女たちの秘密を知るにつれて、奇妙にねじれていき―不確かな僕らの距離はどこまでも限りなく、ゼロに近づいていく。これは僕と彼女と彼女が紡ぐ、三角関係恋物語。





感想:★★★★★




岬鷺宮作品の集大成がここに。




あとがきでそう語られていたからっていうわけではなく、読んでいる間本当に思っていたんですよ。
寝っ転がって読みながら、










「あー、これ聖書」







って呟いた記憶がありますもん。

『失恋探偵ももせ』から千代田百瀬が担任の先生として(実に10年後の姿!)登場し、『読者と主人公と二人のこれから』の少し後の時間軸で、隣のクラスで、修司と須藤の二人もクラスメイトとして登場、そして場所は『放送中です!にしおぎ街角ラジオ』からの恒例である西荻窪。
「不器用な恋」を綴る青春作品群の集大成、それが今作であったと思います。





親友の春珂と、恋をしている秋玻。
同じ身体に宿る2つの人格それぞれに友情以上の感情を持ちつつも、その2つに線引きはしっかりしている矢野くんの対応が最高に好きです。
そして、恐らく矢野くんが二人に向けているのと同じ感情を抱いている二人が、なかなかどうしてすれ違ってしまうところも好きです。
周囲に迎合するため自分を偽ることに罪悪感を抱いている矢野くんと、片割れである秋玻のため積極的に自分を偽る春珂が「本当の自分」を求める点で気持ちを共有する点も好きです。
秋玻は春珂のために春珂を肯定し、春珂は秋玻のために春珂を否定するという切なさもまた好きです。



春珂は友達として、秋玻は恋人として一緒に居たいと自然に思えるキャラなのもまた良かったです。
『失恋探偵ももせ』の時から少なからず思っていましたが、そういうキャラの位置づけがうまいですよね……。
あるいは性癖の一致ともいう。

今回の話で言うなら、もしも読者が春珂を恋人として、秋玻を友人として扱いたくなるようなキャラだったら物語が捻れてしまうわけじゃないですか。
ただでさえすれ違ってしまうのに。
その捻れを起こさず、主人公と同じタイミングで自然と恋に落とされる感覚が、とても好きです。






以下、ネタバレ濃くなる読書メモ。




 

読書メモ




プロローグ前:手紙
⇒読み終わった今この手紙を読んでも、やっぱりどっちに宛てて書いた手紙なのか分かりません。
あるいはどっちもなのかもしれません。
春珂が消える直前。
秋玻にとっては春珂と共存する最後の日に、春珂にとっては自分がこの世に存在する最後の日に二人に宛てた手紙。
んー。
その時が来るのはまだ先だと思いたいけど、いつかその時の物語が紡がれるのでしょうか……?



62p:うわあ、うわあ
⇒自分のもう1つの人格に恋をしていることを告げられるってどんな気持ちなんでしょう……?
嬉しいような悲しいような。



66p:66p!66p!
⇒挿絵で登場、みんなの千代田先生!
この泣きぼくろをまた見れる日が来るとは……!
今作の聖書感は、彼女の出番の多さも一つの要因だと思います。
かつての失恋探偵が、今この瞬間恋に迷う少年少女を優しく導き後押しするということのエモさ……!
野々村九十九との仲も順調なようで、なんかもう本当にここだけで泣けてきます……。



88p:1組の細野
⇒『読者と主人公と二人のこれから』のカップルもどうやら順調そうで!



190p:6時間近く
⇒唐突な推理タイム

集合が10時、西荻窪駅からお台場までが大体1時間くらい、18時前のシーンで6時間近くということなので観覧車のシーンが大体17:30頃。お台場の観覧車が1周16分なので、最後春珂から秋玻に変わったのは17:45頃
集合時点では秋玻で登場し「午前中いっぱいは秋玻の人格で買い物をし」(154p)ということと物語開始当初の「131分で人格が変わる」ことを矢野くんが考慮していることを考えると、集合直前で秋玻に変わった可能性が高いです。ここでは仮に9:45頃に変わったということにしておきましょう。

お出かけ中、秋玻⇒春珂⇒秋玻⇒春珂と変わりそれぞれの時間をフルに使っているため、当初の計算でいくなら「131分×4回=524分=8時間44分」となりますが、17:45から逆算すると最初の秋玻が9時に始まり11時過ぎに終わる計算になってしまいます。到着後すぐなのでとてもショッピングなんて出来ません。
つまり、矢野くんの感じていた入れ替わり時間のブレは確実に起こっていたのです……!

メイン人格たる秋玻の時間が変わらず、サブ人格たる春珂の時間が短くなっているという仮定で計算してみると……
最初に仮定した9:45スタートの17:45終わりだと丁度8時間=480分。
(480-131×2)÷2=109分
ということで、春珂の表出時間が物語開始当初より22分も短くなっていることがわかります。




230p
⇒で、そういえばこのシーンで春珂の入れ替わり時間が書いてあったなぁと見返してみたらドンピシャでビックリしました(笑)



276p:イラスト
⇒ここと、あと200p、201pの見開きのイラストがすごい好きです……。
『読者と主人公と二人のこれから』も見開きで美麗イラストがあってグワアアアって感じでしたが、今巻もさらに素晴らしい美麗イラストでグワアアアアアアアって感じです。
伝われ……




まとめ




好き!(締めの挨拶)




今作は『失恋探偵ももせ』から始まった物語群の1つの区切りであり、今後も広がっていくであろうことに期待する1冊でもありました。
もちろん『魔導書作家になろう!』のようなファンタジー作品も全力で待っていますが、やっぱりどこかで百瀬の姿を探してしまう自分がいることは確かです。
もちろん単巻で読んでも十分楽しめますが、もし今作が初岬鷺宮作品で今作を気に入ったという方がいらっしゃるのならば、是非とも既刊を周回してほしいです。
今作と世界観を共有している作品は、順番に

『失恋探偵ももせ』(電撃文庫・全3巻)
⇒『失恋探偵の調査ノート』(メディアワークス文庫)
⇒『放送中です!にしおぎ街角ラジオ』(メディアワークス文庫)
⇒『読者と主人公と二人のこれから』(電撃文庫)
⇒『三角の距離は限りないゼロ』(今作・電撃文庫)

となります。
(『陰キャになりたい陽ノ森さん』は大変お恥ずかしい話ながら未読なので世界観共有しているかどうか分かりません……)
他作品も素晴らしいですが、まずはこの順番で入るのが良いかと思います。
そこから『踊り場姫コンツェルト』『僕らが明日に踏み出す方法』を経由した後に、以上の作品と世界観的に一線を画す『魔導書作家になろう!』や『墜落乙女ジヱノサヰド』へ向かわれると、より楽しめるのではないかと。


えー……多分以上で全作品ですね。よし。




いつか『岬鷺宮作品群』として一連の作品が5部作くらいで映画化されることを切に願います……
……アニメでね?実写も合いそうだけどアニメでね?


以上!


今日のラノベ!



SAOAGGOⅣ

ソードアート・オンライン オルタナティブ
ガンゲイル・オンライン Ⅵ
-ワン・サマー・デイ-

著者:
時雨沢恵一

イラスト:
黒星紅白

レーベル:
電撃文庫


【あらすじ】

第三回スクワッド・ジャムの死闘から約一ヶ月。全国各地に散るSJプレイヤーのもとに、ある一通のメールが届く。それは、歴代大会の上位入賞チームのみが参加できるという新ゲーム、“20260816テストプレイ”への招待状だった。GGOの運営会社“ザスカー”からの依頼で開催される、SJとは全く趣旨の異なるゲーム。そのミッションとは、最新AI搭載の敵NPCが守る“拠点”を攻略するというもので―。SHINCと交わした再戦の約束のため、消極的ながらも参加を決意したレン。彼女が目の当たりにするNPCの脅威とは。時雨沢恵一&黒星紅白が贈る“もう一つのソードアート・オンライン”第6弾!!





感想:★★★★★




これ本当に時雨沢恵一先生が書いてるんですよね……?っていうくらい川原礫先生の本家『SAO』の読後感に近かったです。
銃撃戦のシーンはこれまでの『SAOAGGO』な感じなので……多分話の締め方ですね
主人公が間接的かつ無作為的に関わったところで、“VRMMOの有用性を思い知らされる”という今回の締め方が、SAOっぽいんだと思います。
ユウキ編のメディキュボイドみたいな。




そして同時に、仮想訓練というVRMMOがあまり役立たない方面もあるというのも今回改めて示されたのかな、と思います。
“改めて”というのは、1巻のプロの兵隊や2巻以降のシャーリーで繰り返し語られているからです。

ピトはともかく、やっぱりGGOは命のやり取りという感覚が薄いんですよね。
そりゃゲームなんだから当然なんですが。
「ゲームだと思って」プレイするか、「本当の戦場だと思って」プレイするかの意識の差は、相手に対する恐怖心や獰猛性に強く関連しそうです。








ストーリーに触れましょう!


今巻は『SAOAGGO』史上初の、スクワッド・ジャム(以下SJ)では無いお話でした!

SJ3の上位入賞者を対象に行われた新型NPCのテストプレイ。
猛烈に強いNPCを相手に2時間制限・3アウト制という新たな条件の中、全チーム協力というSJではまず見ることのできないドリームマッチが繰り広げられていました!!




デヴィッドとピトの共闘
ピトとターニャの共闘
T-S大活躍
理性が働いているZEMAL





こんなの、既刊今まで読んできていたら誰もが熱くなるでしょうよ!
特に個人的にはT-Sです……!
やっとまともに戦った……!
やっとその装備の本当の凄さが分かった……!




他にもGGOに新たに実装されたドローンや実装不明のRPGなど、恐らく次巻以降で開催されるであろうSJ4にも大きく関わりそうな武装・兵器類の新実装が大量に行われていたのも今回のテストプレイの面白いところだったと思います。
SHINCの持つ対戦車ライフルに負けずとも劣らないあれらの武装が登場するとなれば……
いや、どうなるか全く見当がつかないのはいつものことですが、いつも以上に先読みできない面白い展開になりそうですね!!






読書メモ




36p:ZEMAL!?
⇒普段は穏やかな塾講師……
えぇ……(困惑)

リアルとゲームが正反対というのはよくあることで、それこそレンやピトやSHINCの面々もそうなんですが、シノハラお前もか……。
てっきり昔ブイブイ言わせて今も建築か何かやっている人だと思っていたぞ……




51p:良い……
⇒女の子の親友同士がファミレスで机はさんでスマホ取り合ってるの、非常に良い百合だと思うのですが、百合クラスタの皆々様におかれましてはいかがでしょうか?
香蓮が完全に気の抜いたTシャツ1枚というのも非常に良いと思うのです。



106p:なんだかんだ
⇒3アウト制とはいえ、自殺の命令を「しゃーない」で実行してしまうのだから、なんだかんだエムに対するピトの信頼は篤いですよねー。
普段から殴っているのも、それで怒らず受け止めてくれることを分かってやっているんでしょうし。
死生観が狂っているように見えるけれど根本のところに人間をあまり信じない潔癖さがあるだけに、信頼している人というのは彼女にとって本当の味方。

どうでもいいけど、リアルピト(全裸)を抱きしめるリアルエム(全裸)という前巻の構図が羨ましすぎて今更溢れてきました。



232p:NPCじゃない
⇒空が日本時間に連動していない描写があった序盤で薄々感づいていましたが、今回レンたちに立ちふさがりこのテストプレイの要たる敵NPCはNPCじゃないですね。
……というのをこのあたりで確信したというメモ。
後々の答え合わせを考慮すると、日本との時差はマイナス10~6時間というところでしょうか?
イギリスでマイナス9時間ですから……地理範囲的にはヨーロッパ~西アジアに限定されるのかな?
あくまでも敵の時間と連動した設定になっているとしたら、ですが。



273p:RPG
⇒「やべぇやつ」くらいの認識ですが、武装類に明るくない私でも知っているやべぇやつ。
出てきちゃった……☆





まとめ




「ソードアート・オンライン」という負の側面が最初に取り沙汰されてしまったVRMMOに対して、「デメリットはその通り。でもこういうメリットもあるんだよ?」って示し、一種贖罪のように正の側面を見せているのも『SAO』の大きな魅力ですよね。
『SAOAGGO』においても、「香蓮が長身コンプレックスに縛られたくない」という想いから始まりコンプレックスを軽く払拭するまでの精神浄化効果があったわけで、それもまたVRMMOならではのメリットだったのではと思います。
今巻はその基本に立ち返るような、そんなお話でした!




次回はSJ4か、短編集か、あるいは全く別のGGOが見れるのか。
SHINCと手を組んでダンジョン攻略とか、SJ関係ないところで本気の勝負とか、訓練してみるとか、今回の話のおかげでそういう広げ方がアリだと分かっただけに期待が膨らみます!




以上!




今日のラノベ!

SAOAGGOⅤ

ソードアート・オンライン オルタナティブ
ガンゲイル・オンラインⅤ
-サード・スクワッド・ジャム
ビトレイヤーズ・チョイス<下>-

著者:
時雨沢恵一

イラスト:
黒星紅白

レーベル:
電撃文庫


【あらすじ】

 “さあ、存分に殺し合え。かつての仲間は、今は敵だ”
 生き残りチームから各一名が選抜され、ビトレイヤー(裏切り者)チームを結成する「特別ルール」が発動した第三回スクワッド・ジャム。優勝候補筆頭と目されていた“LPFM”からは、レンが最も戦いたくないプレイヤー、ピトフーイが選ばれてしまう…。
 激震が走る参加者たちをよそに、刻一刻と海へ沈むフィールド。その中央、濃い霧に隠されていた“UNKNOWN”エリアに鎮座していたのは、一隻の巨大豪華客船だった―。
 裏切りの銃弾が飛び交う、壮絶なバトルの結末とは!?




感想:★★★★★




だっまさっれたー!!







各チームから1人ずつ裏切り者が選抜された4巻の衝撃的なラストの続きな、SAOAGGO第5巻。



大きく分けて2パート。
海面上昇から逃れるためBTRY(ビトレイヤーズ=裏切り者たち)の待ち構える豪華客船に乗り込むまでの前半戦と、乗り込んでから船内での駆け引きが熱い後半戦。






前半はビトレイヤールールを決めた運営(というか銃が出てくる作品ばかり書いている小説家)へのチームごとの態度の差が興味深かったです。
MMTMは激怒から正々堂々の勝負、TOMSは激怒から「利用してやる」、SHINCは激情を呑み込んで互いに激励、ZEMALはマシンガン最強決定戦ヒャッハー!、T-Sは無感動、LPFMは個々人ごと。


激怒した2チームの反応が予想外でした……。
せいぜい怒るにしてもSHINCのように特定の誰かと戦うことを楽しみにしていたとか、そういう方向くらいだと勝手に思っていました。
私が今まで読んで感じてきた以上に、GGOに、スコードロンにかける想いは大きかったようです。


ZEMALのマシンガン愛も……凄まじさすら感じますね(笑)
なんだかんだトップ6に実力で食い込んでいるのに、あくまでも「マシンガン撃ちたい!」から離れないあの視野の狭さは尊敬に値すると本気で思います……。


豪華客船へ乗り込むまでの攻防戦は、1人ずつ欠けながらもそれぞれのチームの特徴が失われることなく発揮されていたのが印象的。
ほぼ全チームリーダー格が裏切り者として選出されているのだから、最悪統率が取れなくなっても不思議ではなかったわけです。
特にMMTMとSHINCはリーダーのカリスマ性が特徴だったので余計凄さを認識することになりました。
ルール的に邪道なところはあるけど、リーダーに頼りすぎないチーム力の向上という意味では一定の効果があったかもしれません。

LPFMなんかはね。
GGOに慣れてないフカ次郎以外誰がリーダーでもおかしくないから、チームとしてあれだけ強いわけですから。(4巻参照)




後半は、全20フロア・全長500メートル・幅90メートルの広大な船内をフィールドにした室内戦!
フロアマップをわざわざ用意してくださっていたのが本当にありがたかったです……。


フカ次郎のグレランが使いづらかったり、エムの巨体が仇となったり、頭脳プレーで一網打尽にしたり。
今までのSJとはひと味もふた味も違う戦闘の連続で新鮮味があって面白かったです!
SHINCとLPFMの出会い頭の瞬間的な反応とか本当に最高です……
左子打っちゃうのもしょうがない。




ここまで緊張と驚きの連続なんですが、一番驚いたのは何といっても……





ネタバレ注意報

























LPFMから選ばれた裏切り者が、


ピトじゃなくてレンだった  


っていう310pのシーンですよ。
レンのアホたれええええ!がとても可愛い。

可愛いはともかく。

・BTRYに混じっていた裏切り者はTOMSのコールだけじゃなかった。
・エルビンとT-Sを倒し、MMTMリーダーのデヴィットを倒したピトの行動は「最初から裏切りっていた」以外の点について何ら責められるものではなかった。
・エヴァはやっぱりレンと戦えない運命にあった。



色々なことが過ぎりましたが、


レンがまたピトに振り回されて激おこ


というのが何より堪らないですね~( ̄∀ ̄)
イカれたレンとピトの戦闘は、何度見ても情け容赦なく奇抜で無遠慮で予想外の動きの連続だから面白い……!


むふぅ……(満足げ)





読書メモ




45p:いいと思います
⇒強そうな女達が恥ずかしそうに顔を赤らめながら容赦なく銃弾を撃ち込んでくる映像はよ



71p:ZEMAL
⇒ついに個々人の名前まで登場した全日本マシンガンラバーズ。
1巻じゃただのかませ犬だったのに……成長したね~……。
ショッピングカート型移動砲台とか、本人達的には「強そうかっこよさそう!」でやってるんだろうけど、それが結果的に戦場の特性に合っているんですから彼らのマシンガン愛はやっぱりバカにできないです。



156p:読まれてるなぁ……
⇒ピトが、元彼の行動を把握している女性みたいに見えてきます……(笑)



189p:ZEMALに栄光あれ!
⇒ここまで来たのに味方同士で撃ち合い、遊んで退場する彼らに呆然とする酒場風景がw
もう本当に最高……むり……とうとい……



264p:やっぱりナーヴギアなのな……
⇒ピト、どうやって政府の回収をくぐり抜けたのか……。



289p:羅生門
⇒渋いネタ放り込むなー……



331p:キリトか……!?
⇒このやけに格好つけたイケメン優男のベータテスターは……キリットさんかな?かな?



363p:蹴りやがった……
⇒奇しくも翌ページの観客と全く同じ言葉を(笑)





まとめ




いい加減SHINCとレンを戦わせてあげて!?



次は誰がレンを“イカれたレン”に変えるのか。
楽しみ。




以上!

どもー!
デスカイザーです。


昨日ですね?
高校以来だから……実に6年ぶりくらいに引越し補助のバイトをしまして。
荷物量がそれなりに凄まじかったのもあり、全身筋肉痛でございます……。
いやぁ……やっぱり物流で働いているひとは凄いですよ……。



久々の日記終わり。
今日のラノベ!


SAOAGGOⅣ

ソードアート・オンライン オルタナティブ
ガンゲイル・オンラインⅣ
-サード・スクワッド・ジャム ビトレイヤーズ・チョイス<上>-

著者:
時雨沢恵一

イラスト:
黒星紅白

レーベル:
電撃文庫


【あらすじ】

ピトフーイのリアルな死をかけた第二回スクワッド・ジャムから約三ヶ月。突如アナウンスされた第三回大会に、レン、ピトフーイ、フカ次郎、エムの最強チーム“LPFM”が挑む!優勝候補筆頭と目される彼らを待ち受けていたのは、“時間経過とともに海へ沈むフィールド”“MAP中央に潜む“UNKNOWN”エリア”“無名チームの結託”という過酷な状況だった!―そして大会中盤、突如全プレイヤーに告げられる特別ルールとは!?時雨沢恵一&黒星紅白による「もう一つのソードアート・オンライン」が、再び動き出す!!




感想:★★★★☆




ビトレイヤー=裏切り者
そのタイトルの意味するところは……?



そんなSAOAGGO第4巻


SJ2から3ヶ月あまりの時を経て、みたび開催される事となったスクワッド・ジャム。
SJ2の時もあまり乗り気ではありませんでしたが、今回もまた同様に「やりきった感」から出場しない方向に傾いていました。
レンの場合は毎回の戦いが濃いので、燃え尽きてもしょうがないですよね……。


しかししかし、ピトフーイとSHINCは違います!
ピトは、自分を負かし、自分の正体まで推理でたどり着いたレンを今まで以上に気に入り、一緒のチームで出る気まんまん!
SHINCは、SJ2で果たせなかったリベンジを、レンとの全力勝負を今度こそしたいとやる気十分!

ということで押し切られて出場。
チームは、レン、エム、ピトフーイ、フカ次郎の4人。
本文でも繰り返し触れられていましたがこのチームの成績は、

第1回大会優勝(レン、エム)
第2回大会準優勝(レン、フカ次郎)
同じく第3位(エム、ピトフーイ)

……と、最早せこいw
戦力的に見ても、SGI重視、狙撃、オールラウンダー、破壊力とそれなりにバランス良いですし。
周りからしたら「何組んでるの!?」状態ですよね……きっと……




SJ3最大の特徴は「時間経過で水没していくフィールド」!
水中ではHPが削られる仕様のGGOですから、どんなに良い場所を確保したとしても中央に向かって動かなければなりません。
動かなければ……SJ2優勝チームT-Sのようにビルの上に取り残されるなんて事が(笑)
……島中央部にあるUNKNOWNにもよると思いますが、島中央部よりもビルの屋上が高い位置に存在するというような奇跡があるのなら、T-SによるSJ連覇も無くはないですが。
うわー、ありそう。



レンたち“LPFM”の戦闘は、今回は控えめだったと思います。
というか、今までがあまりにもヒリつく戦闘続きだったので、今回の鏖殺がすごく可愛く見えますね。
すごく高度なことをしているけど、「いつも通り」なのでヽ(*´∀`)ノ


むしろシャーリーとクラレンスの2人が凄かったですね!良い意味でも悪い意味でも!

シャーリーはSJ2で覚醒しちゃったようで、リアルでは対人使用が原則禁止な炸裂弾を作成して持ち込み。
狩猟で培った腕をGGO内で更に磨き、炸裂弾の威力も掛け合わさりエグい戦闘力でした……!
それにしても本当に良い顔しますね!シャーリーは!!


クラレンスは、隠れてなかった本性が露わになった感じでしょうか?
他チームと連携すると見せかけて背後から各個撃破とか、彼女なら絶対やると信じていました!
クラレンスとピトは絶対仲良くなれると思うんですよね……
早く出会わないかな……



ラストシーンについては「まとめ」で。



読書メモ




26p:あるある
⇒仰向けでスマホ操作してて、ふとした拍子に落として顔面直撃するやつ。
地味に痛いんですよね……



140p:幸運を祈る
⇒エムからレンへ、恒例の「囮」命令発動!
定番のセリフではありますが、SJ1でレンに運があるほうかどうか聞いたことを思い出してちょっと感慨深い気持ちになったり。
エムなりのジョークだったのかもしれません。
……ジョークだろうと囮作戦は実行されるんですが。



200p:人数は関係なし
⇒三十人集めようが四十人集めようが、優秀な銃使いの前では無意味で無謀。
逆に一人や二人でも、優秀かつ致命的な判断ミスが無ければ負けないと。
ここに至るまでの全ての話がそう物語ってますよね……。

そもそも第1回スクワッド・ジャムの優勝者が2人チームだったということを踏まえて作戦を練っていれば、「人数に頼る」なんて作戦は採用しないはずですが……。
こと現代の銃撃戦においては100人くらいの戦力差はどうにかなるんじゃないでしょうか?
知らないですけど。


239p
そもそも人を殺傷するための武器に非人道的もへったくれもあるかという話でもあるのですが。


いや、本当におっしゃる通り(笑)
余談ですが、ジュネーブ条約やハーグ陸戦条約で禁止されている「不必要な苦痛を与える兵器の禁止」に該当するんじゃないかと言われているもののなかに、対物ライフルの対人使用があります!
SJ2でSHINCが思いっきりやってますね!!!





まとめ





ピトとエムのリアルの生死が関わらず、
特別猟奇的に強い敵と戦わなければいけない状態にもなく、
SHINCとの戦いは楽しみで。

そんな、レンにとって初めての穏やかなスクワッド・ジャムでしたが、やっぱり今回もそんなに甘くはありませんでしたねー……

最後の最後、残りチームが6チームにまで減ったところで、1チームにつきランダムに1人ずつ選ばれ選ばれたメンバーで新たに1チームを作るというサプライズルールが発表されました。
そう、裏切り者になるのです!
そして“LPFM”からはピトが……!
ピトはとても嬉しそうにしていましたが、レンにとってはまさに寝耳に水。
またあの化物みたいにつよい人と戦わないといけないんですから(笑)
多分同じくらいエムも戦々恐々としているんでしょうが。




5巻も安定して楽しみです!

……いや、それにしても今巻表紙のレン、よくよく見ると凄い態勢ですね


以上!



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