カテゴリ: 文庫レーベル(感想作品数・多)

久々更新。
今日のラノベ!


勇者の棺桶、誰が運ぶの?



勇者の棺桶、誰が運ぶの?
ポンコツ勇者は救われ待ち

著者:
スフレ

イラスト:
clear

レーベル:
MF文庫J


【あらすじ】

 死んだ勇者がどうやって復活してるかって?
 俺らが運んでるんだよ。

 治癒魔法が突然世界から消え、五年が経った。人々は気軽に治療ができず。
冒険稼業はピンチを迎えていた。そこで登場したのが、遭難した冒険者などを救出するレスキューギルド。
 隊員の一人であるレスクの今日の任務は「……ばたんきゅ~」えっと、ダンジョンで弱小モンスターにやられた勇者の搬出? 世界を救う勇者だけは特別で、死んでも棺桶に姿を変える。教会で祈りを受けることで復活できるが……肝心の棺桶は誰かに運んでもらう必要があるのだ!
 今週17回目の棺桶になった勇者を何とか救いだしたレスクは、隊員として今日も街の平和を守るために「ばたんきゅ~」……おっと、この話をしている間にもまた勇者が倒れたようだね。



感想:★★★★☆




よく見ると
脇のあたりが
えっちな服着てるね
この勇者!







ちょっと(だいぶ)ポンコツだけど正義感と使命感に燃える勇者……の棺桶を運ぶ救助隊員・レスクにフォーカスを当てた作品。
「勇者は死ぬ前に棺桶になるが、運ばれなければ蘇生できない」というファンタジックかつ現実的な設定をはじめとする、不思議で魅力的な世界観に引き込まれちゃいました。

勇者以外の冒険者は死んだら死ぬしかないので、命の重みを感じるシーンもあります。
けれど、勇者が来ると途端に軽くなるんですよね(笑)
棺桶になった勇者を魔族に取られないように頑張るレスクのシーンも、妙にコミカル。

でも、そんなコミカルなシーンも終盤の緊急事態や、その時に爆発したレスクの怒りを踏まえて見返すと一変して重みのあるものに変わってきます。
教会で起きたティリィに対して、それ以外のシーン以上にテンション高めに話しててレスクくんの優しさよ……
僕こういう優しい子好きよ……





ヒロインは勇者・ティリィと、救助隊員の相棒(バディと読む)・カレンの二人!

……薬師のケイアは別枠でいいですよね?




ティリィは、「勇者だから勇者らしく頑張ろう!」を地で行く正義感モリモリの活発少女。
何の悩みも無さそう。
……という印象を持った時点でスフレ先生の勝ち(敗北宣言)







ほんともー!
前半あんだけ軽々しくページめくってたのに、何で後半は手に汗握って怯えながらページめくらなきゃならんかなー!(喜)
ハラハラしちまいましたよー!!(嬉)







閑話休題。
レスクとは運び運ばれの仲……以上に仲が良さそうだけども、どうやら過去に秘密が……?
そのあたりの1巻での纏まり方がすごい。
3巻分くらい引っ張っても良さそうなところを纏めてくれるの、すごいしありがたい。




もう一人のヒロイン、相棒のカレン
ツンデレが服を着て歩いているというか、ツンが仕事放棄してデレデレが漏れている系女子


かわいい
一生猫を抱いててほしい


救助隊員はそれぞれ固有能力を持っているんだけども、カレンとレスクは共に「触れている相手に共有できる」系の能力。
故にダンジョンとかに救助に行くときには手をつないでいて、よく勘違いされるらしい。


かわいい
髪の毛を犬の尻尾みたくピコピコ振っててほしい


口にはしてないけどレスクのことが好き(確信)
能力を使った後に空腹になっちゃうのもかわいい。


カロリーメイトで餌付けしたい
むしろレスクに餌付けされててほしい









まとめ




某ゲームを彷彿とさせる棺桶を、現実的なファンタジーの視点(改めて言葉にするとよく分からなくなる)から面白くした作品!
そういう意味では、異世界言語問題とか異世界トイレ問題とも近しいのかも……?

序盤はサクサク読めました!
サクサクすぎてちょっと物足りなさを感じる面もありましたが、後半の盛り返しがすごかったので1冊通してみると納得感十分です!


皆がみんな特別な力を持っているわけでもないし、人として模範的な行動を、正しい行動をし続けられるわけではない。
けれど、そうしようと努めることはできるし、それをやめなければ多くの人の力が重なり合って良い方向に物事は転がる!
何故なら人は一人で生きていないから!

そして、誰かの為に動く人のことを、きっとほかの誰かが見てくれているから!






面白かったので続きが出ると信じて待ちます!




以上!






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どもー
デスカイザーです。


転職5か月目。
ようやく仕事でメンタルHP使い切ることがなくなってきたので、本を読む余裕ができてきました……!
以前ほどの文量で書き残すのは難しくはなりますが、
思ったことをそのまま書き残すフリースタイルな感想は続けたいと思っているので、よろしくお願いします!

もうちょっと要領よく趣味できればなぁ……


型破り傭兵の天空遺跡攻略



今日のラノベ!




型破り傭兵の天空遺跡攻略

著者:
三上こた

イラスト:
坂野太河

レーベル:
角川スニーカー文庫


【あらすじ】

 人智を超えた技術の獲得のため、天空に浮かぶ太古の遺跡を攻略する空挺騎士団。その一つ、“叡智の雫”に、副団長アリアの部下として雇われた“歴戦の傭兵”アインハルト。
 その名に恥じぬ活躍で、遺跡を守護する偽神をねじ伏せ、罠を解き明かしていくアインハルトだったが、超技術の大国すら滅ぼした驚異的な強さの偽神に遭遇し全滅の危機に瀕し……!
「ここは任せな。俺は俺の仕事をこなすだけだ」
 どんな窮地であろうと仲間の命は護り抜く型破りの傭兵が、百戦錬磨の経験と知識を武器に、謎に満ちた空を翔け巡る!
 特別賞受賞のヒロイックファンタジー、ここに開幕!



感想:★★★★★



あらすじのアインハルトさん、最大限に美化されてて笑う(人柄は褒めてる)












スニーカー大賞、史上初の2作品同時受賞者の1作品目!


傭兵・アインハルト(作中呼称:ハルト)と副団長・アリアのW主人公といった印象のヒロイックファンタジー!



ハルトさん、傭兵としての仕事ぶりは評価されているものの私生活のだらしなさや任務中の単独行動の噂などにより、腕は立つが扱いづらいとして有名です。
こういうのを悪名高いと言う。

そんな傭兵が、ちょっと真面目がすぎるくらいの新進気鋭な副団長の下に雇われるところから物語はスタートしていきます。

この雇い入れは団長・ギルベルトの判断で行われたものなんですが……
何故こんな最初から分かり切っている水と油みたいな二人を組ませたのかが分かってくると……この団長やり手だな!!!ってなりますね。

団長、意図してのもの。



つまり、
このお話は副団長・アリアの成長譚!



冒険のため皆の命を預かる立場だからこそ知っていなければならない「喪うこと」を知るためのお話。

私は仕事が接客系なので、「接客業はボランティアではない」に通じるものを感じました。
仕事である以上必ずしも要望に応えられるとは限らないというジレンマ……に比べたら人の生死がかかってるんで、そりゃアリアのほうが重圧のかかるところではありますが。


その名の通り独唱になるのではなく全体を見る指揮者としての能力、また騎士団全体の効用を最大化するためのやむを得ない犠牲をとる判断。
完璧主義の脆さから抜け出した真面目ちゃんは強ぇぞ~~!!




……と、まぁこれだけであれば、従来の教官ものに近い感想をもったのかもしれませんが。
この作品の場合、傭兵・ハルトの成長譚でもあるというのが新しく、そして面白い所だったと思います。

「できるからやってる、できないならしょうがない」くらいに考えていそうなハルトの危うい死生観がどうして生まれたのか。
前半の露骨なまでのダメ男っぷりが、いっそかっこよく見えてくるまであるのですごい。




アリアのものと合わせれば本来3巻くらいかけてやりそうな内容を、まったく駆け足でないのに1巻で収めちゃってるマジックがすごい!

THE・満足感!!




まとめると。

すっごく面白かったです!!










良い意味70%、悪い意味30%で肩の力が抜けたアリアが、今後どんな考えでどんな判断をくだしていくのか。
また、ハルトの今後の立ち回りも気になります。



続きがあるなら、読みたいです!




以上!


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今日のラノベ!


ひきこまり吸血姫の悶々 2


ひきこまり吸血姫の悶々 2

著者:
小林湖底

イラスト:
りいちゅ

レーベル:
GA文庫


【あらすじ】

 「ごめん。お前、誰だっけ?」
 コマリが意図せず煽ってしまったのは七紅天大将軍の一人、フレーテ・マスカレール。これがきっかけで事態はどんどんエスカレートし、ついに将軍同士が覇を競う「七紅天闘争」にまで大発展してしまう!
 敵となる将軍どもは手ごわいヤツばかり……かと思いきや、コマリは新たに七紅天となった少女、サクナと打ち解ける。文学趣味で、コマリのことを「姉」と慕うサクナは、コマリ以上に内気で気弱な子だった。
 一方その頃、宮廷内では要人暗殺が横行。さらにはヴィルがサクナに微嫉妬したりと、コマリの周囲は大さわぎ。コマリの平穏な引きこもりライフは、はたしてどうなる!?



感想:★★★★★





ハートフルでありハートフルボッコであり……






ひきこもれないコマリの将軍生活2冊目。



1巻で暗躍していたテロ組織 “逆さ月” の影もチラつきつつも、今回のメインは何と言っても七紅天大将軍内の内輪もめ!


世間知らず(※ひきこもっていたから)のコマリがうっかり煽ってしまったフレーテさんが激おこ。
他の七紅天大将軍も巻き込んでの闘争へと発展します。
闘争と言っても、魔核の範囲内であれば本当の意味で死ぬことの無い世界。
遠隔中継を利用した一大イベントとしての側面が強いのはご愛敬。
……まぁフレーテたちがコマリに向ける殺気は本物ですが。




不参加の第一部隊を除く全六部隊の面々が、個性的で面白かったです!!
陣容としては以下のような感じ。概ね。




第七部隊・コマリ:主人公
第六部隊・サクナ:今巻のメインヒロイン
第二部隊・ヘルデウス:サクナの将軍就任推薦者


VS


第三部隊・フレーテ:コマリに煽られた人
第四部隊・デルピュネー:仮面被った怪しい人
第五部隊・オディロン:見た目がTHE・武人って人





とはいえ、七紅天闘争はポイントを争う個人戦(個部隊戦)かつ最下位は将軍罷免=爆破なので、あくまでも名目上はサバイバル。

普通にやってたら勝てない(と思っている)コマリがサクナと手を組み、サクナにヘルデウスが味方し……といった形でこんな感じに。






まぁ一国の戦闘部隊が総出でやってるこの闘争すら、テロリストからしたらコマリを殺す良い機会でしか無いわけですが……







~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~






新キャラ・サクナをめぐる物語だったわけですが、こう、「良い話だったなー!」と纏めるには事の経緯の毒が強かったです。
サクナ目線で見ると、わりかしハートフルボッコです。
傷心です。

1巻でコマリと敵対したミリセントも境遇はなかなかでしたが、サクナはそれ以上……


でもそーゆーとこの魅せ方もうまいんですよね、この作品。

「こういう経験があったからこういう行動をした」ではなく、「こういう経験があったから、こういう考え方をするようになりました」なのが凄いです。
作品の中でキャラが生きてます。間違いなく。




そういうわけで、
サクナの二面性みたいなものを察してゾワッとした時の
……楽しさと言ったらもう!!



これからどんな葛藤をしてくれるんだろう!」ってウキウキしちゃいましたね!

……鬼か。






でも、しっかり最後はハートフル。
力を持たない(というかまだ自覚していない)コマリが敵に立ち向かう姿というのは王道カッコイイですし、覚醒してからの力の使い方もやっぱりカッコよくて心温まります。

あと今回はラストのあの人ですよね~~~~~~~~!!
かんっぜんに全部もっていきましたね!!!!
あんなことされたら入信しちゃう……
一生付いていっちゃう……








~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~







っていうかイラスト力高すぎません???








扉絵のむっすーしてるヴィルがメチャカワなのに目次カラーのヴィルはカッコイーで、読む前から心臓やられましたし。


ちくしょおおおおおぉぉぉぉしてるコマリの躍動感やら、


サクナ初登場のきゅるるるるんって感じと、ヤバサクナ初登場の怖さの落差やら、


とどめにまさかの登場ミリセントさん!
え、美女……(昇天)ってなるのもやむを得ないと思うんですよ。
あのイラストだけ5度見くらいしました!
それくらい素敵!





GA文庫さん、最近イラスト偏差値がめちゃくちゃ高いのでとても信頼できますね!
ありがとうございます!!










まとめ





信頼できる爺ちゃんほど怪しく見える説









国内で争える人もいないですし、次はいよいよ本格的な対外戦になるんでしょうか……?


いいぞー!
世界が広がるということはキャラが増える!
キャラが増えるということは推しが増える!


コマリの心労も増える!!


心労が増えるということはぶっ飛んだセリフが増える!



つまり面白い!!!




次もとても楽しみです!
ミリセントさんもまた見たいな……(ガチ恋勢)




以上!



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今日のラノベ!


ひきこまり吸血姫の悶々


ひきこまり吸血姫の悶々

著者:
小林湖底

イラスト:
りいちゅ

レーベル:
GA文庫


【あらすじ】

「……ふぇ? な、なに?」
 引きこもりの少女テラコマリこと「コマリ」が目覚めると、なんと帝国の将軍に大抜擢されていた! しかもコマリが率いるのは、下克上が横行する血なまぐさい荒くれ部隊。
 名門吸血鬼の家系に生まれながら、血が嫌いなせいで「運動神経ダメ」「背が小さい」「魔法が使えない」と三拍子そろったコマリ。途方に暮れる彼女に、腹心(となってくれるはず)のメイドのヴィルが言った。
「お任せください。必ずや部下どもを勘違いさせてみせましょう!」
 はったりと幸運を頼りに快進撃するコマリの姿を描いたコミカルファンタジー! 引きこもりだけど、コマリは「やればできる子」!?




感想:★★★★★



どもー!
読了直後のデスカイザーです!

早く2巻が読みたいので(既に手元に用意している)、今回の感想はいつもみたいに2時間とか3時間とか掛けずにブワアアアアアッッと思いつくままに書いていきたいと思います!!


大丈夫。できる。
何せ、言葉に迷わなくて済むくらいには面白かった!







①コマリが可愛い!





何はともあれ、この作品の良さを語るうえでは外せない主人公・コマリの可愛さを語ろうと思います!!



ビジュアル!! 100点!!!





サラッサラの金髪に芯を感じさせる紅の瞳!


慎重は小さいけれど、美の迫力でもって威厳すらをも感じさせる造形美!


薄めの胸と絶対領域!!







表紙だとちょっと困った顔してますが、表紙めくっての扉絵での嗜虐的な笑みがまた良いのなんの!!!






私やコマリ隊の面々がロリコンであるか否か、その真偽なぞ些事なのであります。
このオーラを前にしたら膝ついて頭垂れることに違和感は無いですね間違いない。




そんでもって、幹部クラスだけでなく部下のお悩み相談までしてくれる御心の大きさ……!

これで心酔しないわけがない。



あとあと!!
伊達に3年間引きこもって小説を読んだり書いたりしてきたわけじゃないんだな、っていうのが発揮されるシーンが良いんですよね。




それすなわち、
将軍として部下に虚勢を張るシーン!!





事あるごとにお披露目される口上は、内心冷や汗ダラダラなことを微塵も感じさせない素晴らしい文言の並びで、堅苦しいようでスルッと入ってくる分かりやすさなのがとってもコマリ様らしいと思います!!!








②コマリの周りを固める人たちも強い!






コマリの可愛さを全力で引き出していく、無茶ぶり四天王たちの活躍も忘れちゃいけない。




愛しい四天王たちを紹介するぜっ!!






娘のためなら何でもする(※比喩ではない)、父!


専属メイドにして凄腕の変態、ヴィル!


色情魔、皇帝!


アウトローの塊、コマリ隊!







うん、「ギャグ」の付かないファンタジーにしては盛りすぎなくらいにキャラが濃い!
よく空中分解しないな……




この四天王たちが休む隙もなく全力投球してくるのに、いささかも負ける事のないツッコミと涙目でもって相対しているコマリンの逞しさ!
そういう意味ではコマリはとても強いと言っても過言ではない……?









なお、こうした前半の「ぶっ飛んだおふざけ」が後半のシリアスパートを引き立たせているのは言うまでもなく、(少しだけ冷静になって文学作品として読み解くのであれば)私はこの点に小林湖底先生の力量の強さを感じました。


あ、そういう意味では「小難しいセリフ・情景描写」と「舌ったらずなセリフ・端的な内心吐露」の使い分けも素晴らしいと思ってます!
そういう文章ラブ!!!!!






③世界観




世界に存在する6つの種族がそれぞれ「魔核」を持ち、それの持つ無限の魔力のおかげで、死んでも回復する=魔核の範囲内では本当の意味では死なない、というベースが結構効いてきます。



ワンチャン、“コマリに隠された力がなかったとしても” 死んで蘇って逃げれば将軍職とはサヨナラできるという枠組み。
でも死ぬのは当然痛いから、頑張るしかない。
しかも無条件で死なないわけじゃない(魔核の範囲外だったらそのまま死んじゃう、etc)から、日頃から油断するわけにもいかない。


保険があるけど体をゆだねることもできないコマリの葛藤と、それに反してポンポン死んでいく周りの人たちとの温度差が面白かったです(笑)


また、そのベースによって戦争の価値観も現実のものとは大きく違っていて、コマリが曲がりなりにも将軍職をやれているのってコレのおかげなところがあるとも思います。
いくら名家の生まれだからって、なんの訓練もなしに「人を殺す指揮を執れ」だなんて言われたら病むもんね……








まとめ




結局感想書くの1時間はかかるんですよね知ってた






ということで、『ひきこまり吸血姫の悶々』の感想をネタバレしない程度にお届けしてきました。




真面目な引きこもりのコマリと周囲の変人たちとの掛け合いが面白かったですし、前半と後半の空気感の違いにグワシッと胸を捕まれて握りつぶされた気分です!
清々しい紅(あか)!!!!




そもそも何故コマリが引きこもったのか、何故コマリが将軍になることを皇帝が認めたのか等々、気になる方は是非手に取ってみてほしいです!
ちゃんと1巻で纏まってるです!

何なら表紙を見て「可愛い」と思った人は手に取って損しないと思います。
あー……好きな子がボロボロになるのを見たくなかったら、そこだけ目を伏せましょう。うん。




では、感想、終わり!
2巻を読んできます!!!!!




以上!



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今日のラノベ!

シンデレラは探さない。




シンデレラは探さない。

著者:
天道源

イラスト:
佐伯ソラ

レーベル:
講談社ラノベ文庫


【あらすじ】

 先月できたばかりの、五十階建てのタワーマンション。高校生の俺こと荒木陣は、買い物帰りに、妹の舞と一緒にそれを見上げる。
 おとぎ話に憧れる舞は、そのマンションを、お城みたいと表現した。お城ならお姫様がいるはず。お姫様に会いたい……そうつぶやく舞。でも俺は知っている。お姫様なんて、俺たちには関係のない存在だ。そう思っていた俺だが、世の中は俺が願うほど、単純ではなかった。お城の住人の一人である真堂礼と、俺はふとしたきっかけで出会う。そして俺は知った。俺の前にいる礼は、お姫様ではなく、学園のアイドルでもなく。ただの、可愛い女の子なんだと――。webで人気の青春ストーリー、書下ろしエピソードも加えて待望の書籍化!



感想:★★★★★





人を想う日常とは、おとぎ話のように不思議で色鮮やかなものである
しかしそれはおとぎ話ではなく、たしかな日常でもある







今考えた名言です。

みなさんこんにちは!

第23回スニーカー大賞特別賞受賞作『顔が可愛ければそれで勝ちっ!!』(受賞時タイトル『ググれんあい。』)の斎藤ニコ先生が新作を出されたということで馳せ参じました、デスカイザーです!





今作『シンデレラは探さない。』は、web名義の天道源というPNでカクヨムにて連載されていた同名作品の書籍化になります。(web版リンクはこちら

例によって例の如くwebで作品はほぼ読まない私なので改稿については分かりませんが、書き下ろし部は多いです!
80p!!
それも後日譚というか、映画で言うとEDテーマが流れながら描かれるその後の日常みたいなパートが80pですよ!

綺麗にまとまった物語でありながら、半永久的な「その後」を想像する余地を貰えたのがとてもうれしかったです!!
家族って……いいね……









逆順で感想書いちゃってごめんなさい。
本編の感想書きます。





主人公・荒木陣くんが、熱で寝込んでる妹・舞ちゃんの看病のために学校を休んでいた時のこと。
学校から至急のプリントが配られ、それを家が近かった“シンデレラ” 礼ちゃんが届けに来たところから物語は動き始めます。


第一印象は無表情で気難しい子

でもその翌日に些細な理由を付けて再び荒木家を訪れたあたりから、要するに割とすぐにその印象は崩れていきます。
あえて「変わっていく」とは言わないです。
「崩れていく」です(笑)



まるで好きな人を前にしたかのような可愛い反応をちょこちょこ見せるレイちゃん。
かわいい。
とてもかわいい……!







でもそんな好きになるようなシーン無かったし、チョロインってわけでも無いだろうし……

いや待てよ、そういえば陣くんはやけに忘れっぽいだとかの描写が多い……

どことなく不穏な空気も漂っているし……





そうか、これは陣くんの記憶が飛んでるパターンなんだな(名推理)








と、無駄に覚悟を決めて読んでいましたが、結論から申し上げれば違ったので恥ずかしい……









そんな勘違いをぶっ放したちょっと前のシーンの感想にはなりますが。
「あ、斎藤ニコ先生の面白さが健在だ!」となったのが、63p。
レイちゃんからの謝罪のお礼をするため、陣くんがレイちゃんに話しかけるシーン。



「皆、ごめんなさい。わたし、陣くんと出かけてくるわ」
『よろこんでー!』
なんだよその掛け声……。
本文63pより




このワードセンス、やっぱりすごくないですか??



まず、パッと読んで面白い!

次にじっくり考えてみると、「いってらっしゃい!」ではない所からレイちゃんが陣くんについていくことをレイちゃん以上に喜んでる状況が見えてきます。

それが野次馬的なものなのか友情的なものなのかは分かりませんが、無表情という印象がまだ残っていたレイちゃんのキャラも、ここで更に緩んできます。
少なくともイジられることを許容できる距離感、もしかしたら恋バナもしているのでは?というところまで考えると最早最初の印象はどこへやら。

また、レイちゃんが舞ちゃんのお見舞いに来るという所から始まり荒木家での今後のシーンを想像していたところに、「学校パートも面白いキャラがいそうだぞ??」というイメージを置いていくというおまけもあります。

そして最後に、ツッコミまで込みでやっぱり端的で面白い!









作者買いして良かった!!!










シンデレラ




タイトルにも入っているこの物語のキーワード。
舞踏会の後、ガラスの靴を頼りに王子様がヒロインを迎えに来るというところから、タイトルの「シンデレラは探さない」という状況も見えてきます。

名前の語感だったりその美貌だったりで、シンデレラと称されるレイちゃんの存在はまさしくキーワードそのままではあるんですが……仕込みはそれだけじゃありませんでした!
これのおかげで面白さが一段階上がってるんじゃないかなぁ、と思うくらいには巧妙。
是非読んで「そういうことね!」と唸ってほしい……!



落とされたガラスの靴とは、王子様とは……そゆことなんですよ~~!
んふふ~~~~









まとめ





「シンデレラ」以外にも、この物語の根幹を形成する仕込みとしてラノベの常道的なことも1つありまして。
しっかり読書メモには残していたんですが、ばっちり天道先生があとがきで解説されていたので私からの説明は自粛いたします(笑)
気になる人は……本編を読んだうえであとがきをチェックだ!!!





ということで『シンデレラは探さない。』の感想でした!



掛け合いでのワードセンス、キーワードの出し方、会話で逸るテンポを地の文で落ち着けるタクト捌き、ストーリーのアップダウン……


どれを取っても好きです!!

そしてレイちゃんの可愛さが上乗せされてさらに好き!!




絶対2巻も読みたいです……!



以上!



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