今日のラノベ!


この勇者が俺TUEEEくせに慎重すぎる

この勇者が俺TUEEEくせに慎重すぎる

著者:
土日月

イラスト:
とよた瑣織

レーベル:
カドカワBOOKS


【あらすじ】

超ハードモードな世界の救済を担当することになった駄女神リスタ。チート級ステータスを持つ勇者・聖哉の召喚に成功したが、彼はありえないほど慎重で…?「鎧を三つ貰おう。着る用。スペア。そしてスペアが無くなった時のスペアだ」異常なストック確保だけに留まらず、レベルMAXになるまで自主トレし、スライム相手に全力で挑むほど用心深かった!そんな勇者と彼に振り回されまくる女神の冒険譚、開幕!





感想:★★☆☆☆



だいぶ前にタイトルと帯に書かれていた下のセリフに惹かれて購入した作品。


鎧を三つ貰おう。着る用。スペア用。
そしてスペアが無くなった時のスペアだ。



冒頭28pで登場するセリフだったんですが、個人的に面白かったのはまさにここまで。
後はもう……正直苦痛でした。




この勇者、慎重に慎重を重ねる性格……なのはタイトルからも分かる通り。
鎧三つに留まらず、松明を500本買おうとしたり、聖水を1000個買おうとしたり。
モンスター相手の地道なレベリングはせず、時間が1/100のスピードで進んでいる神界で筋トレ、筋トレに限界が来たら神様直々に訓練をつけてもらい強制レベリング。

ここまでは、まだ想定内。


想定外だったのは、彼が異様に他人に高圧的なこと。
それと、他人の気持ちを踏みにじること。



結果的に彼の独善的な行動が良い方向に転がっているというのが、余計にキツいです。
結果ありきで物語が作られているというか、帳尻合わせ感がバリバリというか。



終盤なんて、
エルルを犠牲にする選択をしても鬼畜、
エルルの犠牲を許さないのならセルセウス様をフルボッコにした件がブーメラン、とどちらを選んでも酷い結末しか待ってなくて。
最終的に選ばれたのが「エルルは荷物持ちだから死ぬのは許さない(本音)」っていう、第三の酷い選択肢だったという。




そもそも本当に「慎重に」行くのだとしたら、あとがきの土日月先生のように他人からの批判や恨み言を恐れて極度な低姿勢になるはずなんですよね……。
仮にそれで「裏切り者」や「スパイ」があぶりだせたとしても、そこに至るまでにばら蒔かれた不快感による火種はメリットを上回るものになっているでしょう。


一応あとがき情報で、彼があのような態度を取っているのに理由があるという情報があったので、2巻を読んでみて……いや、カクヨムで読むかな……。
ちょっとこれの続刊に1200円出す気は……起きないかな……。





えー、

ダッシュエックス文庫の『骨の髄まで異世界をしゃぶるのが鈴木なのよー!!』が好きな方にはオススメです!
多分同じ系統。

逆に、ぽにきゃんBOOKSの『ああ勇者、君の苦しむ顔が見たいんだ』のような作品を求めている人には向かないと思います。






読書メモは無しです。
語り尽くしたので。




以上!