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今日のラノベ!



バビロンⅢ-終-

バビロンⅢ -終-

著者:
野﨑まど

イラスト:
ざいん

レーベル:
講談社タイガ


【あらすじ】

日本の“新域”で発令された、自死の権利を認める「自殺法」。その静かな熱波は世界中に伝播した。新法に追随する都市が次々に出現し、自殺者が急増。揺れる米国で、各国首脳が生と死について語り合うG7が開催される!人類の命運を握る会議に忍び寄る“最悪の女”曲世の影。彼女の前に正崎が立ちはだかるとき、世界の終わりを告げる銃声が響く。超才が描く予測不可能な未来




感想:★★★★★




えー、末恐ろしいことにアニメ化決定してしまいました……

文章でさえ劇薬なのに、それをイラストにして動かして声を付けてしまおうというんですから、恐ろしいことを考える人が居たものです。
1巻のあのシーンとかあのシーン、2巻の衝撃のあのシーンとかBPO的に大丈夫なんですかね……?
わたしはしらないぞ!!

TVアニメ「バビロン」公式サイト





ということで劇薬第3巻。
これまでと趣向が変わり、主人公格として動くのはアメリカ大統領・アレックス。

世界中に広がった“自殺法”の影響。
それぞれ自国内で自殺法推進の動きが始まっているG7の首脳が、この問題に対してどんな答えを出すのか。
また、首脳という肩書きを横に置いた一個人としてなら、どう答えるのか。
それが今巻の見所でした。




正崎善は「正義について考えつづけること」を正義としながら、曲瀬愛や自殺法についての判断では感情が主導権を握る場面が多かったように思います。
知り合いが次々と自殺、殺害されているんですから当事者意識が働いて当然です。

一方、今巻のアレックスにとってはまだ“対岸の火事”。
(興味を持って考えたい事案であると同時に)考えなければならない立場にあるとはいえ、その判断基準は感情とは切り離され、理知的に導かれるもの。
他の首脳陣についても同様で、それぞれのお国柄、宗教的背景、成り立ちなどを踏まえて多くの意見が交わされていました。


読者として「自殺法についてどう思うか」という意見をまとめるのは(当事者意識が無いこともあって)とても難しいんですが、今巻で各国首脳がそれぞれの意見を並べてみせたことで分かりやすく選ぶことができるようになりました。
今後の正﨑と曲瀬の対立において間違いなく軸となる「善と悪」についても同様に意見が交わされています。
そういう意味で今巻は解説回と言っても良いかもしれません。

劇薬取り扱い説明書












あー…………

でも、やっぱり、薄々分かっちゃいたけど……

そういう終わり方ですよね…………











以下、ネタバレが少し濃くなる読書メモ




読書メモ




29p:知恵と死
⇒禁断の果実を食べたことで人は知恵を得て、同時に死が付きまとうようになった。
極論「死ぬことこそが生きること」とも捉えられ、そう考えると自殺法の存在にも意味が見いだせる気がします。



109p:!?
⇒正崎善がFBI特別捜査官になっていてビックリ。
アレックスと正崎、二人の主人公が出会い物語が加速してきます……悲しい……



167p:個展
⇒アレックスの妻・エマがとある画家の個展に興味を示しているシーンでふと思ったんですが、曲瀬の催眠のような能力は本当に「直接接触」に限るのかな?と。
「直接接触」と言っても64人の自殺者は(正崎の推測では)すれ違ったりした程度。
仕草や匂いという言葉以外の要素で操ることができるのならば、絵に暗号を仕込んだり、音楽やニュース映像にノイズを混ぜて操ることも可能なんじゃないかな?と邪推してみたり。
2巻の感想で「TVに一瞬映った曲瀬を見た全世界の視聴者は大丈夫なのか」と懸念しましたが、もしかしたら大丈夫ではないのかもしれません……

もっとも今巻のうちではエマには何も無かったので、はずれっぽいですが。




215p:通訳ボランティア
⇒そんなの曲瀬が潜入するに決まってるじゃん……ばかぁ……



231p:バビロン
⇒黙示録の七つの頭の獣の背に乗る「大淫婦バビロン」ですかー……。
このタイトルそういう意味だったんですね。



234p:8人だけ
⇒想定していた最悪のシナリオは、既に曲瀬に操られていたどこかの国の首脳がG7の会議中に突然自殺するというものだったので、それに比べたら今巻の結末は酷いですよね!!!!!
全く油断がならない。



245p:儲けと悪事は夫婦
⇒確かにそういう考えあるかもしれません……。
ブログにアフィリエイト入れることに物凄く申し訳なさを感じたり、適切な給料は貰いたいけど会社からぶん取ろうとまでは申し訳なくて思えなかったり。
でもその割に出費の節約=相手方の儲けの極小化についての罪悪感は一切感じないから、人間の頭って面白いです。





まとめ





2巻の感想で懸念した正崎の家族自殺するんじゃないか問題が、どうやら4巻で発生しそうで今からつらいです……。


もう………もう~~………




以上!






どもー。
ここ数日の「おら、風邪引けよ」とばかりの気温差に順調に苛まれているデスカイザーであります…。


最高気温が10℃違うのをコロコロやられたらたまったもんじゃないわい…。



今日のラノベ!

バビロンⅡ -死-

バビロンⅡ -死-

著者:
野﨑まど

イラスト:
ざいん

レーベル:
講談社タイガ


【あらすじ】

64人の同時飛び降り自殺―が、超都市構想“新域”の長・齋開化による、自死の権利を認める「自殺法」宣言直後に発生!暴走する齋の行方を追い、東京地検特捜部検事・正崎善を筆頭に、法務省・検察庁・警視庁をまたいだ、機密捜査班が組織される。人々に拡散し始める死への誘惑。鍵を握る“最悪の女”曲世愛がもたらす、さらなる絶望。自殺は罪か、それとも赦しなのか―。




感想:★★★★★

もう~…!
……もう~~……!!!!



「瀬黒事務官だけはやめてくれ」と願いながら読んでたけど、野﨑まど先生が見逃してくれるわけがありませんでした。
1巻の文緒と奥田で察してはいたけど、僅かに希望が残っているかのように描かれていたからその蜘蛛の糸に縋ってしまいました。
結果1巻と同じかそれ以上の絶望感に苛まれおりますよー。


読み返せば読み返すほど、これだけの目に合っている正崎がかわいそうになってくるし、それだけのことを為している曲瀬愛の原動力がわからなくなってきます。
曲瀬のスタート地点と呼ぶべきところは今巻で明かされたけれども、それと今現在進んでいる自体とが微妙に繋がらないんですよね…。


病的なまでに無意識に人を魅了して離さない曲瀬の体質に限定するなら、この物語の今後への懸念は2つ。

・勘と称して曲瀬を追っていた正崎は、叔父と同じくすでに曲瀬の体質に囚われているのではないか。
・一瞬とはいえTVに映った曲瀬を見た全世界の視聴者は、大丈夫なのか。








1巻では漠然としていた「正義とは何か」について正崎の考えは、おぼろげながらも言葉にされていました。

「正しいとは何かを考え続けること」

これだけ短い言葉だけど、100%理解して実行するのは無理だな、と読んでて直感しました。
ある一面から見れば正しいことも違う一面から見たら間違っている……なんてことはいくらでもありますし、結局は斎開化が執行した自殺法も、政治、宗教、道徳のどの側面から見ても議論の余地があるものでした。
議論の余地があるということは、それを考え続けるか、どちらかを切り捨てなければならず、いずれにせよそこで定められた正義には疑問が残り…。

………さて、混乱してきましたよ?









………」と「―――」の魅せ方が素敵でした。
事前に点線がつながり実線となる描写を挟んでおいての、ラストの解体をその線で表すというその発想が憎い。
欲を言うならビニールテープで塞がれていたとしても漏れていたであろう瀬黒の呻きとか涙とかがあったら最高でした。

最高の絶望を求めている私は何なんでしょう、と今真剣に悩んでおります…。




とりあえず3巻では、今回のライブストリーム映像を解析するという形で曲瀬と接触する三戸荷さん、「自殺とか、イヤだね」と意味深なつぶやきを残した正崎奥さん、自殺法に対してどちらともいえないと言っていた正崎の友で記者の半田あたりが……自殺するんじゃないかと思うと気が重いですねー…。





そういえば、斎立件の件ですが。
自殺法施行のその場に64人の自殺願望者が集まっていること自体が、自殺幇助罪の証拠にならないんですかね?
やっぱりそんな漠然としたものじゃダメですか?





以上!

バビロン 2 ―死― (講談社タイガ)
野崎 まど
講談社
売り上げランキング: 81,548

どもー。
デスカイザーです。

バイトの疲れが抜けきらない日々が続いています。
そのおかげで動く気が起きないので読書へのインセンティヴは高まってるから結果オーライよ!

……それに比例して金遣いも荒くなるのだけは問題よねー…



んじゃ、今日のラノベ!

バビロン 1 ―女― (講談社タイガ) 

講談社タイガより
『バビロンⅠ -女-』です。


【あらすじ】

東京地検特捜部検事・正崎善は、製薬会社と大学が関与した臨床研究不正事件を追っていた。その捜査の中で正崎は、麻酔科医・因幡信が記した一枚の書面を発見する。そこに残されていたのは、毛や皮膚混じりの異様な血痕と、紙を埋め尽くした無数の文字、アルファベットの「F」だった。正崎は事件の謎を追ううちに、大型選挙の裏に潜む陰謀と、それを操る人物の存在に気がつき!?


感想:★★★☆☆


講談社タイガの本をラノベとしてカウントするかどうかがまず謎なんですが…。
とりあえずその問題は脇に置いておくことにします。
まぁメディアワークス文庫的な立ち位置なんだろうから、つまりはラノベと一般文学の間ってことなんでしょ。



特捜部の主人公・正崎が、異常な証拠を発端に奇怪な事件を追い、その中で「正義とは何か」について考えさせられる物語。

ジャンルとしては警察モノのミステリ。
……と思わせといての、本筋はもっと別の場所にあります。
ミステリであることは間違いないけど、この話は一般的な「事件⇒捜査⇒解決」という流れには当てはまらないんですね。
政治学でもあり、人間の闇に触れる心理学でもあり、宗教論でもある。
そして、上でも書いたように正義論が中心的な役割を担ってます。

個人的には、「正義とは何か?」より先に「悪とは何か?」を定義するほうが考えるのが楽だと思います。

”悪がいないと、正義も成り立たない”

っていうのをどこかのラノベで読んだのが結構こころに残ってて、まさにその通りなんじゃないかと思ってます。
だから、悪とは何か?、が必要。
この本の主人公・正崎も「正義とは何か?」という問に最後まで(少なくとも1巻ラストまでには)明確な答えは出せずにいるけど、「あいつは間違いなく悪だ」という断定だけはしっかりしています。
……その断定の根拠も”悪”に言いくるめられたら揺らぎそうなものではあるけど。
悪がいるから、その対局に正義が存在し得る。
そういう消極的正義もあっていいと思います。



そして最後でも再びテーマの転換。
それは、「死」という概念そのものへの挑戦。
そうですね…
物語中では結構過激な死に方してたけど、「安楽死を認めるかどうか」という論争にも結びつく結構重要なテーマだと思います。
(どうでもいいけど個人的には安楽死賛成派)
このテーマに踏み込んだからには、絶対に低クオリティな議論では終わってほしくないですね…
野崎まど先生なら何も問題ないとは思いますが。


ということで2巻(2016年春発売…!?)に期待ですね。



以上!

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