今日のラノベ!

魔術破りのリベンジ・マギア 6


魔術破りのリベンジ・マギア
6.九尾の権能と鬼哭の獣

著者:
子子子子子子子

イラスト:
伊吹のつ

レーベル:
HJ文庫


【あらすじ】

 留年の危機に陥ったティチュと鴨女を連れ、補講代わりのレポートを完成させるべく大和へ帰国した晴栄。陰陽寮へ帰還したことで改めて自身の成長を実感するが、その変化は狐狼丸との“契約”に歪みを生じさせていた。
 そして、歪みをきっかけに己の在り様を問う狐狼丸に声がかかる。
「久しぶりよな――いいや、はじめましてと言うべきかのぅ?」
 彼女こそは【邪悪の樹】序列第七位、『色欲』を司る妖婦・九曜。《白面金毛九尾の狐》として知られる、最後の神獣だった――




感想:★★★★★






一人と一匹の絆は新たなステージへ!!







まずは狐のほうの話。コーン


復讐によって繋がっていた晴栄と狐狼丸。
歪にもシンクロした主従として描かれていた二人の関係も、晴栄が復讐とは違う道――改革を選択しようとしていることによって、歪みが表出。

そこに現れる九曜。白面金毛九尾の狐。
人の伝承により悪しき存在へと塗り替えられ人への憎悪に燃える伝説の大妖怪と、両親を殺された憎しみでもって陰陽師を憎み復讐を誓った狐狼丸。
根本的な存在のあり方としてはもちろん血縁として両者が繋がっているのは自然なことで、故にこそ狐狼丸が晴栄の元を去る決断の最後のひと押しになり得たのでしょう……


しかし、しかしですよ。
「復讐の道を違えれば“共犯者”の権利として殺す」と宣言している狐狼丸と、「お前にはその権利がある」と認めていた晴栄が、実際に道を違えた時にああいう戦いをしてそういう着地点になるところが、やっぱり二人の芯の優しさを反映しているな、とニマニマさせてもらいました!










復讐を決意するということは!


それだけの情を捧げる誰かが居て!


それだけの情を持つ人であるということ!!








この点は晴栄というキャラを読み解くにあたって、やっぱり外せないですね!








……では、人への憎悪に燃える九曜は???ということですよ。えぇ。

人の情に助けられ、人の愛を一身に受け、それを返そうとしているだけなのに周囲に悪と断じられ国を傾けることとなってしまう彼女。
狐狼丸へ手を差し伸べたのも自らの血を分ける者と過ごすとか、権能の回収とかの主目的以外にも、狐狼丸に自分と同じ思いを味合わせない為っていうのもあるので、やっぱり憎めない存在です。
いや、物語的にもそういう方向性ではありますが。
それ以前のキャラ造詣、神格形成の段階でそう感じるのが今巻の敵さんであるところの九曜さんでした!









……で、主従の話はめでたしめでたしだったので忘れそうになってますが前半戦の情報量がな!!!!??








……っていう話は一応ネタバレパートですることにしましょう。







『リベンジ・マギア』のリベンジの意味が明確に変わる第6巻!







男装しているハルナちゃんも可愛かったぞ!!

(性別の概念がゆらぐ!)







というところで……



一旦、以上!















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ここからネタバレパート







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では物語前半でぶっこまれた色々など、覚えておきたい伏線を書き残しておきましょう……



・33p:留年?帰国!そして鴨女の……

晴栄たち、基本セイレムに居ませんでしたからね!!
そりゃ授業以外のところで評価稼げる晴栄レベルでもなければ、ましてや頑張り屋とはいえ準学生あがりのティチュには厳しいですよね……!

で、前巻で幼馴染としての距離感から一歩踏み出した鴨女がファーストアタック!

こうか は ばつぐんだ !!





・47p:《七虹の魔女》集結と学園長の計画

留年回避の課題を理由にした、晴栄たちの大和への帰国命令。
それは晴栄たちを安全にセイレムの外へ逃がすため……?
フー・マンチューの折に学園長が学園を離れられなかったのは、一体何をしていたからなのか。
当事者しか居ないのに「アレ」とか「そういうこと」とか、いやに伏せるのは盗聴を恐れてのことなのか、それとも物語的なアレなのか。

晴栄たちの帰る場所は、果たして守られるのか……!




・66p:アビゲイル・ウィリアムズ

ついに出てきちゃいましたね……!
セイレムの地と言えば、な魔女。

上の学園長の件と関係が……あったりなかったり……する……?




・97p:岩井三郎、登場

なんか、外見えっらい好みの御方が登場されたのですが、ハルナちゃん推しの私はどうしたら良いんでしょう……
カップリング?
カップリングすればよい?


カップリングは置いておいて、その助手として登場した江戸川乱歩氏も要注意。
作家は何をしでかすか分からない……
あとは土御門家の当主・晴親が体調を崩している件、蘆屋道満をモチーフにした作品を(魔術関連の出版規制などの背景がある中で)出版した神野愛作とは一体何者なのか。

さすが探偵の情報というところで、このシーンはキーになりそうな単語がいくつも出てきましたね!
…………もしや蒲焼きも?





・146p:何かを企む晴雄たち

当主の任を代理遂行している晴雄と、彼に仕える藤子、そして忍の隠(なばり)。
ティチュのことを狙っているようにしか見えない口ぶりでしたが、果たして……





・182p:天使と最悪

最後に覚えておかないといけないのは、天使・アイワスと最悪・アレイスターの存在ですね!!
アビーもアビーですが、アレイスターはアレイスターで魔術的に存在が重要すぎますからね……
しかも、アレイスターレベルで《邪悪の樹》第八位っていうね……
いや、現世に残る最後の神獣たる白面金毛九尾の狐が第七位っていうのも十分アレですけど、本当に底が知れないですね……



・339p:家族

忘れてました。もうひとつ。
九曜と安倍晴明が去り際に残した「いっぺんに家族が二人できた」「晴明の血筋とは母の血筋、即ち稲荷大明神の神使の血筋」というヒント。
これが晴栄の出自?と関係、狐狼丸との同調がうまくいく理由ということですが……

んー……九尾の切り落とされたうち、狐狼丸の母親じゃないもう1本について全く触れられなかったことも気になりますし、このあたりの今昔をまたぐ物語の系譜みたいなものはシリーズの今後のテーマになる……のかもしれないですね。
#またお前か蘆屋道満 みたいなことを呑気に言っていられるのも今のうちか……?









覚えておくべき伏線はこのあたりでしょうか!
いや多い!
これに加えて本編たる狐のターンがあるわけですから、毎度のことながら密度に驚かされます……

ヒロインたちにもこれで一周スポットが当たったことになるので……あ、学園長先生はちょっと黙っててください!!今しゃべってます!!
スポットが当たったことになるので、次の展開には要注目です。
シナトラパターンもありますからね!!!!!





以上!

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