今日のラノベ!

何故かの 1



何故か学校一の美少女が休み時間の度に、
ぼっちの俺に話しかけてくるんだが?

著者:
出井愛

イラスト:西沢5㍉

レーベル:
MF文庫J


【あらすじ】

 この小説はラノベ好きをこじらせた“ぼっち”の安藤くんと“学校一の美少女”の朝倉さんが交流する物語である。ザ・委員長ちゃんや爆乳元気っ娘、安藤くんの妹ちゃんが登場することもあるけれど、99パーセント(編集部調べ)安藤くんと朝倉さんがイチャイチャしている(クラスメート視点)だけの悶絶必死の甘々ラブコメなのだ。そんな甘酸っぱい日々がずっと続く――と彼らも思っていた……けれど?「私、安藤くんが大好きなの!」突如として飛び出した朝倉さんの告白が、彼らの関係をちょっと勧めたり、やっぱり進まなかったり……?Webで悶死報告多数!すれ違いが絡まり合う新世代の学園ラブコメディ、待望の書籍化!




感想:★★★★☆




ラノベ好きをこじらせた安藤くんと、ラノベ好きを隠している学校一の美少女・朝倉さんとの、食べラー並に進みそうで進まないちょっと進むラブコメ。









「悶絶必死の甘々ラブコメ」だったと評していいのかどうか、ちょっと躊躇ってしまいます。
いや、ほんと微妙なラインなんです。





安藤くんに関わることになると途端にポンコツと化す朝倉さんの可愛さは疑いようもなく、そこに疑問を挟む余地はありません。






特に告白からのお家訪問の流れとか最っっっっ高!!!





当事者含め誰もどうしてそうなったのか理解できていないあたり、本気でテンパっているのが伝わってくるのが良いんですよ。
テンパってるのにめっちゃ冷静な行動とるヒロインとか、たまに居ますからね!!
それはそれで表情とかに動揺が出ているタイプだったりすると可愛いんですが!!






そう、これだけ朝倉さんを評価できるということは、つまり躊躇わせているのは安藤くん……なのかなぁ(書きながら考えをまとめています)





妙なところで鋭くて変なところで鈍感……なうえに妙にぎこちない。
もう直感レベルの話で、理屈に沿ったことが言えないのが申し訳ないんですが、こう、あと一歩ハマらないというか……ハーフパイプみたいに淵から淵に右往左往していて中央で「ハマって」いることが少なかったような感覚です。




……っていうのも、半分くらいまでなんですけどね。





後半は彼を使いこなせている感じがします。
というか、朝倉さんが安藤くんへの気持ちを認めはじめたあたりから、すんなり読めるようになったような気がします。


……お?
つまり、安藤くんをポンコツたらしめていたのは朝倉さんなのでは……?











「好きなものをバカにされたらどう思うか」




1巻の軸はここで……うん、とても良かったです!
シンプルだけど忘れたくない気持ち、そして忘れてはいけない自戒としてのメッセージ性もあります。

サクッと読めるのは確かですが、しっかり得るものもあるという意味で良い小説だと思います。









会話だけのライトノベル、というのはあまり気にならなかったですね。
地の文ではないにしても、心の声がドンドン入ってくるので読んでる感覚は会話が多いライトノベルというくらいでした。
革新的というには読者としてはパンチが弱く感じるけれども、恐らく構造をもうちょっとしっかり紐解いていけば(つまりは作者サイドから見るならば)得るものがありそうだとは思います。

何故なら「地の文の存在理由」を逆説的に知ることができるはずだから。











あとラノベのタイトルパロディや、イラストでの表紙パロディが面白かったです!
特に83pの『老女戦記』
これは必見の価値がありますよ……!







まとめ







サクッと読めるのは確か。
新感覚かどうかは……あなた次第!!

ということで是非読んでみて欲しい1冊です。







個人的には「あと一歩」がまだ残されているような感覚です。
2巻で更なる面白さが見れるという意味で、その「あと一歩」は大歓迎。
これだけ球種が豊富で、色々な角度から攻めることのできる読書体験はなかなか無いので、どんどん読みたいです。お待ちしております。




ところで割とどうでもいいんですけど、あらすじの「悶絶必死」は正しくは「悶絶必至」ではないのか、それとも必至でも必死でもどちらでも良いのか、はたまたワザと必死にしているのかが気になります……
「キュン死」にかけてるのかなぁ……








以上!



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