今日のラノベ!

著者: 清水苺 | イラスト: 桜木蓮 | レーベル: 講談社ラノベ文庫 |
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【あらすじ】 立川誠は、かつて孤独の淵で、悪魔的な魅力を持つ少女に救われ、遊び飽きたおもちゃのように捨てられたことがある――彼女の名は遠越有栖。有栖を必ず見返すと心に誓い奮闘していた誠の前に再び現れた有栖は、吸血鬼のような、淫魔とも言える蠱惑的な笑みを浮かべ囁いた――「また昔みたいに遊びましょうよ」――そんな折、誠は気まぐれで一人の少女、葛城りるを助けた。天使のように純真で奔放なりるは、有栖がもたらした極限の快楽に侵され常軌を逸した行動を始める誠に、自らの愛とからだを擲って救いを与えようとするのだが……最凶なまでに美しい悪魔と純潔だが汚れを恐れない天使の、美しく哀れな子羊を巡る興奮と欲望のダークネスサーガここに開幕! | ||
感想:★★★★★
舞台は東神奈川、みなとみらいあたりだよ!
絶対的な美しさで周囲を惑わし"おもちゃ"を取っかえ引っ替えする有栖。
ぽっちゃり時代に救われ遊ばれ捨てられた有栖へ復讐すべく、美少年として振る舞う誠。
美少女だが本音でしか喋ることができず、周囲との関係を築くことが苦手なりる。
主要な3人が3人とも歪さを抱え、その歪さが依存を生み、徐々に噛み合わなくなっていく様が面白かったです!
誠と有栖の関係だけ見ると『政宗くんのリベンジ』みたいな。
ただ決定的に違うのが歪さ。
もっと言ってしまえば"壊れて"いるんですよ、誠が。
有栖やりるも、歪ではあるんです。
年頃の女子高生が、教師にすら手を出させない高貴で蠱惑的な雰囲気を醸し出し、他人を「自分を楽しませるおもちゃ」としか思っていない態度をとる。さすがに普通ではないです。
本音を偽る意味を見出せない。その気持ちもよく分かります。ですが、そこに手を差し伸べてきた男子にいきなり肉体関係を迫るほど惚れるのは到底普通ではないでしょう。
ですが、それすらも誠の前では霞み、物語を引き立てる要素でしかありません。
では誠はどう壊れているのか?
……どう壊れているんでしょうね(まさかの)
悪魔に主導権を奪われ、弄ばれることに愛を見出し。
ただただ有栖を信奉し、崇め、穢し、独占しようとし……
そう、作中冒頭では「鏡の中にいる人のよう」「鏡から飛び出してきた」と表現されていましたが、そこから出てきた有栖を前にした誠は、神を前にした信者に近いのかもしれません。
いや、知らんけども(無神論者)
初めから壊れている主人公が、徐々に壊れ直していく物語。
そして、それを救うヒロインの物語。
この読後感はいろんな人に味わってもらいたいなぁ……
そう、例えば純粋なラブコメが好きな人にこそ。
純水自体は毒じゃなくても、過剰摂取するとナトリウム欠乏症になるぞ?って屁理屈こねて読ませたい1冊。
以上!
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