今日のラノベ!

じゅっさいのおよめさん


じゅっさいのおよめさん

著者:
三門鉄狼

イラスト:
ふーみ

レーベル:
講談社ラノベ文庫


【あらすじ】

「わたしはせいじのおよめさん!」
 僕こと倉敷誠二が終業式を終えて家に帰ると、家の前で待っていた十歳くらいの見ず知らずの少女に、いきなりそう言われてしまった。およめさん宣言のもと、一緒に新婚生活を送ろうとしてくる少女。けれどもちろん、ぼくは十歳の少女と結婚することにした憶えはない。このままでは事案コース……そう思いながら少女に話を聞くと、どうやら彼女はクラスメイトの御殿山みのりで、昨日突然その姿になってしまったらしい。僕は幼女化したクラスメイトと新婚生活を送りながら、彼女が失った時間を取り戻すために奔走するが……!?
 これは、僕の人生を変えた、ある夏の新婚生活の思い出の物語――。




感想:★★★★★





いなくなるかと思いきやいなくならないかと思いきやいなくなる小説










じゅっさいのおよめさんとお風呂に入るお話。
もとい、じゅっさいのおよめさんが現れた経緯やら何やらを探ったりする純愛小説。



まずはふーみ先生の美麗な表紙イラストから十分分かっていたことですが、およめさんが可愛かったです!!!!
……あらすじで名前出してるし、いっか。
みのりがとっても可愛かったです!!!


じゅっさい相応の、あるいはもう少し幼いくらいかもしれません。
「わたし、将来○○のおよめさんになるー!」
という無邪気な宣言、本当に可愛いですよね?
あー、いえいえ、決して性的な意味ではないですよ?
一般論的に微笑ましい方向での「可愛い」です。


その微笑ましさはそのままに、体が小さくなる前に得ていた家事スキルを引き継いだリアルおよめさんムーヴのじゅっさい。

天使か?天使か。


スキルがあっても体が追いつかず包丁を叩きつけることになるシーンとか、なんかもうとりあえず頭ナデナデしたくなりますよね!
したく!!!なりますよね!!!!!!


普段は舌っ足らずな感じをうまいこと表現できるオール平仮名で蕩けさせるのに、頑張れば高校時代の話し方もできるというギャップもね、またね、そそられますよね。
あー、いえいえ、決して性的な意味ではないですよ?
クラスでも家でも決して表に出すことのない本能的な部分での思考が表に出てきているということが、そう、そういう部分でのギャップがそそられるということです。








真面目な話



体はじゅっさい、だけど精神的には高校生なみのり。
フィールドワーカーとしてあちこちフラフラし、自由に思うままに生きる槇村さき。
行動に意味を求め、生活に理論や規則性を欲する誠二。

「人それぞれの違い」と「年齢による違い」
2つの「違い」をうまいこと分かりすぎないように混ぜていたのかなぁ、と思います。



こう……生きているとやっぱり、色んな人と出会うじゃないですか。
その中でも合う合わないだとか好き嫌いは当然あると思うんですけど、じゃぁそれが一面から全て判断するかと言えばそうじゃないですよね。
繋がりが深くなればなるほど上下左右前後表裏、ありとあらゆる角度から見ることになって、その度に「この人のこの一面は共感できる」「この人はなぜこう思うのだろう、理解ができない」とかなんとか、その人についての評価が変わっていきます。


その評価の基準となるもののひとつに「自分との誤差」みたいな尺度が多分あって、生活を送っていくうえでその誤差をすり合わせていくことで円滑な人間関係を築いていて。


で、みのりはみのりでそのすり合わせをじゅっさいとして振舞うことであえて放棄し、誠二は誠二でその放棄を受け入れる。
その理由が序盤は「じゅっさいだから」が大勢を占めているんですが、およめさん=みのりと判明してからは「他人だから」という理由の割合が徐々に増えていくようで。


さきさんに関しても年齢不相応なはしゃぎっぷりを見せられる場面もあれば、真面目にみのりについて考察する場面もあって。
でも、みのりを見たあとだとそんなさきさんのギャップを年齢だけで片付けないように見ることになって、それがまた何というか深く読まさせるというか……



可愛さに震えながらも、そんなこと考えてました。はい。
結論はない。






読書メモ





11p:えー
⇒この作品読んだ日、精神的に癒される系のラノベが読みたくてこの本を持っていったんですが、開幕で生死に関わる結末示唆が出てきて「あぁ、これどうしよう……」ってなったラノベブロガーの図。
読み始めるまであと5分。



42p:まえはへいきだった
⇒あらすじ読んでなかったので、「じゅっさいのおよめさん」の正体について推理しながら読んでいたんですよね。
読後にあらすじ読んだら思いっきり正体書いてあってびっくりしました。
中盤に差し掛かるくらいまでは謎のままでしたし、普通に見所になると思うんですけどねぇ……
およめさんがみのりだと知っているかどうかで、序盤の面白さがだいぶ変わる気がします。
正確には面白さの方向が変わります。
正体を推理する面白さか、元JKによるようじょプレイングの面白さか。
つまり編集部的には後者を意図している中、わたしはうっかり前者してしまったわけですね。
得したと見るべきか、損したと見るべきか……



169p:それよ
⇒そうですよね!!!
神社で神に誓って自分でなんとかするなら神からしたら「勝手にしろ」ですよね!!!!
わかる!!!!!!

神頼みした後に良い事が起こっちゃっても自分の運のおかげにするでしょう。
神頼みした後に悪い事が起こっちゃったら神様のせいにするでしょう。

あるいは逆か。
良い事が起こったら神様のおかげ。
悪い事が起こったら自分のせい。

どちらにしろ不毛じゃないですか。
だから私は神頼みしたくないんです。
大学受験の年、初詣から2週間、センター試験3日前にインフルエンザになってから、私はそうやって生きると決めたんです……



203p:さき姉
⇒挿絵が不意打ちボディブローでノックダウン10カウント



239p:みのり
⇒挿絵が素晴らしいんですが、この続きは美少女文庫から出るということで間違いないでしょうか?
え、出ない?
出ないかー、そっかー……(´・_・`)






まとめ





他人を想う気持ちって温かいですね

みのりの行動って冷静に振り返ると狂気じみているんですよ。


一目惚れして、話しかけられなくて。
そんな相手の死の運命を知ったら、迷わず自分の命を差し出して。
余命でやることはそんな相手との新婚生活。


チグハグなようで「好き」というところで一貫している彼女の行動に、温かさを感じます。




ふーみ先生のイラストも可愛くて綺麗で素晴らしくて、もう本当に一冊通して最高でした!






以上!



スポンサードリンク