今日のラノベ!

美しい!!!
ヒトが誇りをもって暮らしていける国を作るため、ヴァンパイアの姫ヘネシーと共にストーリア公国を変えていくであろうお話。
まだまだこれからなので一応未来形で。
(最近よく言っているような気がする「プロローグすぎて……」という残念な意味ではないのでご安心を)
読了したのが結構前だったりするので、残っている感覚でもって書き留めていきますが。
やっぱり何と言っても「美しさ」が段違いでした!
まず表紙よ!
ヘネシーのミニマムだけど気品に溢れたお身体、白く透き通るような背中のライン、優雅にたなびく白い髪、そして少し牙を覗かせて妖しい笑みを浮かべている表情。
何もかもが最高。
そんなヘネシーが手を伸ばす先にいる主人公・ジノはといえば、感情豊かなヘネシーとは対局に位置するような表情。
目は野望に満ちた表情とも絶望に満ちた表情とも違い……感情が抜け落ちそうな。
本にのめり込みすぎて現実世界に復帰できない時の本読みの表情に似ている気がします。
あるいは何百手も先を読もうとしている棋士の、現実ではないどこかを見ている表情とか。
ヘネシーは状況を見て、人を見て、自分の感情に従って動くタイプ。
ジノは状況を見て、人を見て、さらに知識に基づき未来を組み立て、そこに自らをも駒として組み込み動くタイプ。
さすがに読む前からここまで考えていたわけではありませんが、読後に改めて見てみると2人の性格がよく現れているイラストだなと驚かされます。
シンプルに美しいイラストですが、含まれている情報の数と精度まで見ても美しいです!
話の構成も素晴らしく美しいと思うんですよ!
序盤。
ジノという存在が、いかなる思想を持っているのかを聡明さと共に示しつつ、他種族から見ればたくさんいる奴隷・家畜のうちの1体でしかないという事実を突きつけてきます。
こう、ね。
ジノっていわゆるところの努力型の天才なんですよ。
なので……物語的に都合の良い存在という穿った見方も、展開によってはできてしまったかもしれません。
でもその懸念を冒頭の血抜きでぬぐい去ってくれるわけです。
「どんな野望を持っていようが、どんなに才能を持っていようが、他種族から見れば赤子のような力しか持たないのがヒト。
であれば、それ相応の人物でなければ革命を起こしたり得ず、それ相応の人物であっても革命を起こせるとは限らない」
という宣誓のような。
なのでとても素直に読めました。
ということで、これらの布石が美しい。
後半、ヘネシーの切り札として成長したジノの軍師としての初仕事。
ここまでジノの有能さをひたすらに述べてきてからの、あの最善の下策はズルいですよ……
2巻3巻でこういう仕掛けしてくる作品はよくありますが、1巻からこれ仕掛けてきて、かつ十分以上に効果発揮しているとか、構成がうますぎるんですよ……
私、いつの間にあのキャラに感情移入してしまっていたんでしょう……?
(一応名前は伏せておきます)
この「いつの間に」って、物語の滑らかさを如実に表していると思うんですよ。
分岐点やきっかけを悟らせないって、今みたいに感想書くぶんにはとても厄介なんですが(笑)、読んでいる時には全くストレスを感じずに読めるのでとても良いんですよね!
この滑らかさも「美しい!」とまとめさせていただきたい!
美しい!!
さて……
だがしかし。
「ヒトよ」というタイトルの呼びかけに相応しいほどの展開・見せ場があったかというと……やや物足りなさを感じる部分もあったり。
確かにジノはヒトでありながらヴァンパイアの国のお姫様に見初められたわけですが、これは「ジノ」であって「ヒト」ではないのです。
まだ、まだこのままではヒトが誇りをもって暮らせる国を作るには打点が弱すぎます。
要するに、ジノの1点張りだと、要職についたひとが自分に都合の良い政策を掲げているに過ぎない見た目になってしまうんです。
これが今後の展開にむけて多少懸念している部分です。
1巻の美しさが続くのならば、この懸念も何かしらのかたちで払拭されていくと思いますが!
信頼するに足る文章ですもん。
27p:イラスト
⇒久々に挿絵に見蕩れました……!
47p:ここまで描写してくれるとは……
⇒なかなかに惨いシーン。
でもこれがあるからヒトの置かれている状況と、ジノの想いの強さが理解できました。
ヒトに拘るのもうなずけます。
151p:トレーフル!
⇒少しずつ感情が出てくるようになるトレーフルに注目するのもまた面白いです
192pも。
187p:ルシール
⇒主要キャラの割に何故か扉絵にいなかった不遇な子の唯一のイラストがここ。
途中まで性別間違えて読んでいたりする人がいるらしいですよ?←
ひとまずヴァンパイアの国でどうにかこうにかしていくことになりそうですが、大陸に存在する他種族との兼ね合いがどうなっていくのかが気になります。
そう、国を平定するだけではこの物語は終わらないんですよね。
大陸の中で、ヒトがヒトとして生きれる国を作る。
その目的を果たすためには、他の国に「ヒトがヒトとして生きるヴァンパイアの国」を認めさせないといけないわけですから……
いやー、それにしても本当に美しかったです!
美麗!!
サブタイトルの「叙事詩」というのもまた、物静かに品がある印象を後押ししてくれて最高です。
できるだけ長く読んでいきたい作品!!!
以上!
……バタバタして読了後すぐに更新できなかったことについては反省です。はい。
感想もふわっとしてしまいすみません……
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著者: | イラスト: | レーベル: |
---|---|---|
【あらすじ】 人間がヒトと呼ばれ、他種族の家畜や奴隷として虐げられている世界。奴隷の身ながらも、ヒトが誇りをもって生きられる国を作るという大望を抱き、知を磨き続ける少年ジノがいた。 そんなジノを見初めたのは、ヴァンパイアの姫ヘネシー。ストーリア公国の後継ぎ候補ながら辺境で燻っていたヘネシーの想いを見抜いたジノは、彼女に仕え、内政・交易・軍事と様々な分野で天才的手腕を発揮。彼女の領地を瞬く間に豊かにする。 「ジノの夢はあたしが叶える。だからずっと傍にいてくれる?」 そして、ストーリア公国に未曾有の政変が勃発するとき、ジノの才能は最大の輝きを発揮する――天才軍師として! |
感想:★★★★★
美しい!!!
ヒトが誇りをもって暮らしていける国を作るため、ヴァンパイアの姫ヘネシーと共にストーリア公国を変えていくであろうお話。
まだまだこれからなので一応未来形で。
(最近よく言っているような気がする「プロローグすぎて……」という残念な意味ではないのでご安心を)
読了したのが結構前だったりするので、残っている感覚でもって書き留めていきますが。
やっぱり何と言っても「美しさ」が段違いでした!
まず表紙よ!
ヘネシーのミニマムだけど気品に溢れたお身体、白く透き通るような背中のライン、優雅にたなびく白い髪、そして少し牙を覗かせて妖しい笑みを浮かべている表情。
何もかもが最高。
そんなヘネシーが手を伸ばす先にいる主人公・ジノはといえば、感情豊かなヘネシーとは対局に位置するような表情。
目は野望に満ちた表情とも絶望に満ちた表情とも違い……感情が抜け落ちそうな。
本にのめり込みすぎて現実世界に復帰できない時の本読みの表情に似ている気がします。
あるいは何百手も先を読もうとしている棋士の、現実ではないどこかを見ている表情とか。
ヘネシーは状況を見て、人を見て、自分の感情に従って動くタイプ。
ジノは状況を見て、人を見て、さらに知識に基づき未来を組み立て、そこに自らをも駒として組み込み動くタイプ。
さすがに読む前からここまで考えていたわけではありませんが、読後に改めて見てみると2人の性格がよく現れているイラストだなと驚かされます。
シンプルに美しいイラストですが、含まれている情報の数と精度まで見ても美しいです!
話の構成も素晴らしく美しいと思うんですよ!
序盤。
ジノという存在が、いかなる思想を持っているのかを聡明さと共に示しつつ、他種族から見ればたくさんいる奴隷・家畜のうちの1体でしかないという事実を突きつけてきます。
こう、ね。
ジノっていわゆるところの努力型の天才なんですよ。
なので……物語的に都合の良い存在という穿った見方も、展開によってはできてしまったかもしれません。
でもその懸念を冒頭の血抜きでぬぐい去ってくれるわけです。
「どんな野望を持っていようが、どんなに才能を持っていようが、他種族から見れば赤子のような力しか持たないのがヒト。
であれば、それ相応の人物でなければ革命を起こしたり得ず、それ相応の人物であっても革命を起こせるとは限らない」
という宣誓のような。
なのでとても素直に読めました。
ということで、これらの布石が美しい。
後半、ヘネシーの切り札として成長したジノの軍師としての初仕事。
ここまでジノの有能さをひたすらに述べてきてからの、あの最善の下策はズルいですよ……
2巻3巻でこういう仕掛けしてくる作品はよくありますが、1巻からこれ仕掛けてきて、かつ十分以上に効果発揮しているとか、構成がうますぎるんですよ……
私、いつの間にあのキャラに感情移入してしまっていたんでしょう……?
(一応名前は伏せておきます)
この「いつの間に」って、物語の滑らかさを如実に表していると思うんですよ。
分岐点やきっかけを悟らせないって、今みたいに感想書くぶんにはとても厄介なんですが(笑)、読んでいる時には全くストレスを感じずに読めるのでとても良いんですよね!
この滑らかさも「美しい!」とまとめさせていただきたい!
美しい!!
さて……
だがしかし。
「ヒトよ」というタイトルの呼びかけに相応しいほどの展開・見せ場があったかというと……やや物足りなさを感じる部分もあったり。
確かにジノはヒトでありながらヴァンパイアの国のお姫様に見初められたわけですが、これは「ジノ」であって「ヒト」ではないのです。
まだ、まだこのままではヒトが誇りをもって暮らせる国を作るには打点が弱すぎます。
要するに、ジノの1点張りだと、要職についたひとが自分に都合の良い政策を掲げているに過ぎない見た目になってしまうんです。
これが今後の展開にむけて多少懸念している部分です。
1巻の美しさが続くのならば、この懸念も何かしらのかたちで払拭されていくと思いますが!
信頼するに足る文章ですもん。
読書メモ
27p:イラスト
⇒久々に挿絵に見蕩れました……!
47p:ここまで描写してくれるとは……
⇒なかなかに惨いシーン。
でもこれがあるからヒトの置かれている状況と、ジノの想いの強さが理解できました。
ヒトに拘るのもうなずけます。
151p:トレーフル!
⇒少しずつ感情が出てくるようになるトレーフルに注目するのもまた面白いです
192pも。
187p:ルシール
⇒主要キャラの割に何故か扉絵にいなかった不遇な子の唯一のイラストがここ。
途中まで性別間違えて読んでいたりする人がいるらしいですよ?←
まとめ
ひとまずヴァンパイアの国でどうにかこうにかしていくことになりそうですが、大陸に存在する他種族との兼ね合いがどうなっていくのかが気になります。
そう、国を平定するだけではこの物語は終わらないんですよね。
大陸の中で、ヒトがヒトとして生きれる国を作る。
その目的を果たすためには、他の国に「ヒトがヒトとして生きるヴァンパイアの国」を認めさせないといけないわけですから……
いやー、それにしても本当に美しかったです!
美麗!!
サブタイトルの「叙事詩」というのもまた、物静かに品がある印象を後押ししてくれて最高です。
できるだけ長く読んでいきたい作品!!!
以上!
……バタバタして読了後すぐに更新できなかったことについては反省です。はい。
感想もふわっとしてしまいすみません……
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