どもー。
deskyzerです。


久々に机に向かってうんうん唸っていました。
トータル4時間近く……?
ゲーム理論って、仮定の表から実際の行動に落とし込んで理解するのが難しい気がします……。
テストは答えられるけど、その意味を理解しきれていないみたいな感覚です。



その成果?を使う今日のラノベ!

数字で救う!弱小国家


数字で救う!弱小国家
電卓で戦争する方法を求めよ。
ただし敵は剣と火薬で武装しているものとする。

著者:
長田信織

イラスト:
紅緒

レーベル:
電撃文庫


【あらすじ】

小国ファヴェールの王女・ソアラは悩んでいた。隣国との緊張が高まり、戦争の気配がちらつき始めた今、国力が低い自国を守るにはどうすればよいか。父王は病に倒れ、頼みの綱の家臣たちも、前時代的な「戦いの栄誉」ばかりを重視し、国を守る具体案を誰も持たないまま。このままファヴェールは滅ぶのか…。しかし、そんな時、彼女の前にある人物が現れた。“ナオキ”―後の歴史に“魔術師”の異名を残したその青年が扱う『数字』の理論と思考は、ソアラが求めた「国を救うための力」だった…!異能ナシ、戦闘力ナシ、頼れるのは2人の頭脳だけ…!理系青年と、敏腕王女が『戦争』という強敵に挑む『異世界数学戦記』、ここに登場!





感想:★★★★★




「ゲーム理論で考える弱者を救うための生存戦略」っていう、英語タイトルが好きです!
すごい論文っぽい。




ということで、ラノベ業界としても大変意義のある重版を成し遂げた『すうすく』です!



憧れの祖父と同じ数学者を目指していたナオキと、旧態依然とした家臣団を前に衰退の一途をたどっていた弱小国ファヴェールの王女・ソアラが、数字の力で国の存続を目指すという物語。
今回主に取り扱われるのはゲーム理論だったわけですが、面白いほど計算通りに進む場面と、恐ろしいほど計算通りにいかない場面の対比が面白かったです!



そもそもゲーム理論は「すべてのプレイヤーが合理的な判断のもとに行動する」ことを前提としています。
つまり合理的な判断をしないプレイヤーがいると破綻するんですよね。
国家元首や商人など、今回計算通りに進んだ相手というのはそれなりに頭の回る人物だったように思います。
逆に神を信仰し、奇跡を信じ、天運を引き寄せ、武功が誉れと考える評議会やソアラの父に対してはとことん計算通りにいきませんでした。

じゃあこれは評議会が全部悪いかと言うとそこまで単純な話でもなく。
敵国との内通はGuiltyですが、単純に何を言っているか理解できないから今まで信じてきたものを信じる、という考え方なのだとしたら説明責任を果たしきれていないソアラ側にも非があることになりますから。
理論を解説できてこその数学だと思うので。






それにしてもソアラが可愛いくてしんどいです……
ヒロインが1人というのもなかなか珍しいですが、それをあとがきで触れられるまで気にしなかったくらいには魅力的でした!
好きな数学の話になるとつい前のめりになってしまう無邪気さだったり、何度拒絶されても父を説得してみようとする強さだったり、長い間願っていた理解者たるナオキに心を開くのがめっちゃ早かったり!
服装や髪型も色々登場したので、外見でも色々な魅力が見れたのは嬉しいです……!
勝負下着良いですよね。うん。





読書メモの前に、例の成果というやつを乗っけておきたいと思います。
自分なりに考えたつもりですが、それが考え方として合っているかどうかは分かりません……(笑)




まずは114pの囚人のジレンマ

GAME1

(シャーペンで書いたので薄い……)
(字が小さくて汚くてすみません……)

ナッシュ均衡でありながらパレート最適ではないというパターンの最も代表的な例ですね。
これはさすがに覚えていました。





続いて166pのチキンゲームと麦の競争入札!


20180514_00002_001

相手に依存するパターンから条件を追加することでナッシュ均衡をひとつに絞るという例。
応用して、セカンドプライス制の競争入札におけるプレイヤーの最適行動を考えるというもの。

これに一番時間取られた気がします……。
表も商人の行動も感覚的には理解できるんですが、その両者をどう結びつけて考えるのかが分からず苦しんでいました……
具体的には「譲歩」と「対立」が、「価格を下げる」と「入札」のどちらに該当するのかというところ。
多分これで合ってると思うんですが……




そして最後は286pのハトタカゲーム!


20180514_00002_002
GAME4


この子の場合は本筋に関係ない「進化的に安定な戦略」をどう算出するのか分からなくて唸ってました…(笑)
計算で出せれば良かったんですが、うまく思いつかなかったので視覚的に分かりやすく総当
たり形式でやってみました。
(Wikiの例、プレイヤー12人が進化的に安定な戦略だったせいで試行錯誤するのが大変でした……)

ここは本編読んでて唯一文章で理解できなかったところでした。
「タカが増え続けても取り分はマイナスにならないのか?」とかその前後ですね。
ハト1、タカ5で試算したら、本当にタカが全部マイナスになってハトの1人勝ち状態になったのでめっちゃ興奮しました!!
数学楽しいよ……





読書メモ




91p:「あなたと同じ世界を見せてください」
⇒ナオキのために計算されたかのような口説き文句!
こういうの大好きです……。



101p:「かわいそがらないでくださいっ」
⇒このセリフの後から、ソアラの声が今井麻美ボイスで再生されるようになったとかならなかったとか……。
「かわいそがらないでください!」じゃなくて「かわいそがらないでくださいっ」なのが良いですよね……!
ソアラの発する「っ」の魔力はすごい。



104p:銀貨1枚約4万円
⇒……高いな!



109p:フェルミ推定
⇒「アメリカにピアノの調律師は何人いるか?」という例題が特に有名な推定問題のことですね!
……検索かけて思い出しました。
これは思い出したと言えるのだろうか?



142p:10分の1税
⇒世界史で見た覚えがあります……
(検索)
『旧約聖書』上の全ての農作物の10%は神のものである、という記述を根拠にキリスト・ユダヤ系の教会で徴収されていた税金のようなシステムの捧げ物のことですね。
扉絵の世界地図が北欧の鏡地図なことも加味すると、宗教系の話が政治と切り離せない世界で間違いなさそうです。
もっともらしく言ってみましたが、異世界の定番といえば定番ですね(´∀`)



205p:エルデシュ数
⇒知り合いの知り合いの……と6人から7人たどれば世界中の誰とでも繋がれるというアレが数学者から始まったというのは初めて知りました……。
おどろき。
あとエルデシュ1にちゃっかり日本人がいるのもおどろき。



214p:ため息
⇒このシーンに至るまで「出すべきでない」とこらえていたため息をついに吐いた……、ということでソアラが決定的に諦たことを感じさせるシーンでした。
とても好きです。



221p:傭兵隊長
⇒ここの傭兵隊長とナオキのやり取り、1冊を通して一番楽しかったです!
理論に忠実な数学とのギャップが良かったのかな……?



242p:理解超えた
⇒連続体仮説に繋がる話らしいんですが、うん、さっぱり!
多分「異なる長さの線分に無限の実数点が存在し、それが余りなく対応するということは、異なる長さの線分上にありながら同一個数の点が存在してしまうことになる」ということなんですが、そこまで考えたところでギブアップです。
さすがに無理!
考えている間は楽しかったですけどね!





まとめ




なんとか惨敗となることを回避したとはいえ……。
国内が落ち着いてきた時に評議会がソアラを弾劾しようと動き出すのではないかと気が気でなりません。
立ちはだかる障害が数学で乗り越えられそうもない時、ナオキとソアラがどういう判断をしていくのか。
もちろん数学的な要素も楽しみです!
……こう、理解を超えない程度に。


2巻を読むのも楽しみです!




以上!







参考文献(全てWikipedia)
十分の一税
エルデシュ数
チキンゲーム

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