今日のラノベ!



異世界魔王と召喚少女の奴隷魔術 9

異世界魔王と召喚少女の奴隷魔術 9

著者:
むらさきゆきや

イラスト:
鶴崎貴大

レーベル:
講談社ラノベ文庫


【あらすじ】

MMORPGクロスレヴェリのトッププレイヤー坂本拓真は、異世界に召喚され、魔王ディアヴロを演ることに!?次なる敵は多くの魔王を吸収した大魔王!?今のままでは勝てない、と判断したディアヴロは剣聖を訪ね、戦士としても人族の限界を突破した。だがその頃、城塞都市ファルトラに魔王軍が侵攻してくる。冒険者エミールや領主ガルフォードらが剣を取るものの、敵の強さは、人々の予測を遙かに凌駕しており…!?「クックックッ…大魔王などと名乗っておきながら、我を知らぬのか?無知の極みだな!」やがて世界を震撼させる魔王(演技)が、絶対的な強さで突き進む異世界冒険譚、第九幕!そして、本巻にて重大発表アリ!




感想:★★★★☆




TVアニメ『異世界魔王と召喚少女の奴隷魔術』
2018年7月より放送決定!!




時流に置いていかれている感半端ないですが(この巻の発売が2月)、めでたいものは何度祝っても良いではないかの精神で祝いましょう荒ぶりましょう!
めでたや!!


問題は、アニメで“入れる”かどうかですよね。
『魔装学園H×H』が行けたんですから、地上波は真っ白でもしょうがないですから円盤なり配信なりで真っ白抜きで何とか制作していただけないでしょうか!という全世界の紳士諸君の声をここに代弁させていただきます。





さて、物語は大魔王編のクライマックスでした!
多くの魔王を取り込み大魔王を称する《乱心の魔王モディナラーム》がついに始動。
この物語の拠点にして人族の防衛拠点・城塞都市ファルトラに向けて進軍するは1000を超える魔族の軍勢。
迎え討つは我こそはと名乗りを上げた冒険者、そして領主ガルフォードとその配下、元ジルコンタワー領主ラムニテス。


正直現地の人族舐めてました。
ディアブロが規格外なだけであって、強い人は本当に強かったです。
なかでも今巻で1番と言っても良い奮戦を見せたのは領主ガルフォード
8巻までに登場してきた数多くのキャラの中でも1、2を争う強さだとは漠然と分かっていましたが、7巻でロゼが苦戦した魔族・リョカを圧倒するほどの力の持ち主だとは流石に思っていませんでした……。

えー……ササラの次に強いのかな?



エミールの成長も些事ながら胸にくるものがありましたね……。
「全ての女性の味方である」ことを貫き続け、己の強さの糧としてしまうその崇高な克己心は尊敬されるべきものです。

ただ、ですね。
正直今巻で1番引っかかったのも彼だったりします。
魔族とはいえ貴重なドラゴン娘っ子だったリョカが呆気なく殺されてしまったのに、エミールはモディナラームと対峙し致命傷を受けながらも生き残ることが、ちょっと納得いかなかったです。
戦いは時の運ですし、最後の最後どうしようもなくなった場面でディアブロが間に合ったと捉えればそれもそうなんですが……。
リョカに対してのエミールとガルフォードの戦闘描写の差を踏まえると、モディナラームと対峙したらエミールは塵芥のように、周りで吹き飛んでいた兵士たちと同様の存在にまで落ちているほうが自然なように感じました。

まぁ、命が残ったことは素晴らしいことです。
リョカとの戦いで見せた隙を昇華して、これからも女性の味方で有り続けてください!





ディアブロとモディナラームの戦いは、一周まわって語ることが無いかもしれないです。

ディアブロは万全を期して戦いに臨み、モディナラームは本能の赴くままに破壊衝動を発露していた。

その両者が本気で激突して、どちらが勝つかは最早明白。
故に、語ることが無いというわけです。


語るとすれば、両者の戦いの延長戦。
モディナラームが“魔王の器”たるレムの身体に入ったところですね。
表紙のダークサイドレムですね!

レム自身自分の感情に名前を付けられていなかったけれども、確実にディアブロを夫にしたシェラに嫉妬しているレムが可愛いのなんの……!
それに加えてモディナラームを消滅させるには自分ごと殺してもらうしかないと思い込む悲劇のヒロインポジション補正でしょ?
で、ディアブロからの結婚指輪でしょ?



ッッッッッ!!!!!
(心臓の止まる瞬間)




そのあとのディアブロの、

「実力も才能も自身もないヤツが、努力から逃げるな。死ぬまで足掻いてこその無能なのだから!」

本文262pより


という言葉は耳に痛すぎてしんどかったですが(笑)




もう少し細かいところはいつものコーナーの中で!




読書メモ




98p:まだHなことしてないのに……
⇒リョカの退場のショックのあまり本音をダダ漏らしにするdeskyzerさん。
どうでもいいですが「エロス」の「エ」と「H」が同じ形なの、言語学最大の謎だと思います。



132p:遅いぞ魔王!
⇒ヒーローは遅れてやって来てもいいけど、お前魔王だろっ!
めちゃくちゃかっこいいじゃねぇかこの野郎!!



148p:クルム
⇒記憶を失ったキャラが記憶を取り戻したらどうなるか。
創作にしろ現実にしろとても難しくデリケートな部分で、このシリーズでもクルムの記憶を完全な状態にすることについての議論は多く交わされてきました。
結果は両棲。
人への殺戮衝動は持ちつつ、記憶が不完全だった頃の経験・感情も途切れることなく持ち、もちろんビスケットの愛情もそのまま。
今まで通りのクルムとして、少なくともしばらくの間は過ごしていくことになりそうです。

問題は魔族がビスケット工場を作るだけの技術を手に入れた時ですね……。
クルムはそれまで受けた恩を蔑ろにするような性格ではないけれど、必要以上に神聖視するような性格でもないですからねぇ……。



185p:メイちゃんがデレたー!?
⇒リョカショックが醒めやらぬなか、まさかまさかの安心亭の看板メイドことメイちゃんが……ディアブロの頬にキスを……!!?


ちょっと何言ってるか分からないですね(T澤さん風に)
いや分かるだろ(D達さん風に)



待って本当に予想外……。
そのポジション、僕はシルヴィで予想していたんだ……




まとめ




バトルに次ぐバトルであっという間の300ページ弱でした!
魔族が強すぎてハラハラどころか諦観まじりだったけれど、最終的にはディアブロさんかっけー!に落ち着く安心感が良いですね。

これだけバトルバトルと来た、ということはですよ?
NEXTの10巻はEROがメニメニ、オーケイ?




レムという良心が乱れる側にまわった今、
ディアブロの初夜の明日はどっちだ……!



以上!




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