今日のラノベ!



大須裏路地おかまい帖

大須裏路地おかまい帖
あやかし長屋は食べざかり

著者:
神凪唐州

イラスト:
平沢下戸

レーベル:
宝島社文庫


【あらすじ】

名古屋は大須にひっそり佇む小さな神社。そこの駆け出し神主を務める北野諒は、妖怪や神仏といった「あやかし」を見ることができる。そんな諒の副業は、人間にまぎれて暮らすあやかしたちが住む長屋兼居酒屋「なご屋」の雇われ店長。雇い主である鬼の一族、朱音にこき使われながら働く諒の元には、今日も怪異が持ち込まれ……。





感想:★★★★☆




おから入り手羽先が……食べたいです……




タイトル通り、名古屋は大須を舞台にしたご当地作品ですね!

大須に行ったことが無い人には、ここから興味を
大須に行ったことが有る人には、見覚えのある風景と次行く際のポイントを
大須に日常的に行く人には、登場する場所のマニアックさにニヤニヤを


それぞれのポイントで楽しめる作品になっていたんじゃないかなぁ、と思います。
私は1年ほど前に卒業旅行で立ち寄ったのが唯一の大須体験なんですが、そんな私でも207pの「インターナショナルな香り漂うグルメゾーン」や「招き猫の広場」は多分アレだなという記憶があります。


多国籍で雑多で、観光名所だけど生活感もあって、それこそあやかしの1人や2人(単位:人?)が紛れているほうが自然なんじゃないかと思う独特な雰囲気を持っている。
それが大須という地なんでしょう。





ストーリーは、あやかし長屋兼居酒屋の雇われ店長・北野諒が、大須の片隅で迷いあやかしの黒猫・トータを保護するところから始まります。
霊力の枯渇によるのか記憶を失くしていたトータに、あやかしが人間界で生きるために必要な知識やノウハウを教えながら共に生活し、その中であやかしにまつわる騒動に巻き込まれていきます。

トータの成長や失くした記憶にまつわるお話はもちろん、トータと過ごす中で諒や朱音も変化したり過去に縛られたり解き放たれたり。
「親は子供と共に成長する」という言葉がありますが、まさにその通りですね。
あるいは成長というよりは成熟に近いでしょうか?
元々諒の叱り方は要点を突いて最低限に収めていることもありとても上手いんですが、過去のことを冗談めかして念を押したり、ご褒美をわざとらしくなく置いてみたり、トータが不満に思わないような気遣いが増えていたのが印象的でした。




もう1つのポイントたる名古屋めしも、「なごやめし普及促進協議会公認」なだけあって美味しそうでした!
美味しそうというか最早美味しい(強い断定)

特におから入り手羽先ですね……!
奴はいかんよ。いかんよ、やつは。
どう考えてもビールがすすむやつじゃないですか。もう。まったくもう。ビール。


どて煮も食べたいですね……。これは日本酒で。
あと豚の串カツが出てきてましたね……。あれは知多ハイを合わせたい……。
志の田うどん。初耳だったんですがあれは圧倒的〆ですね……。



とりあえずこの感想書き終わったらビール呑むとして。
読書メモです。




読書メモ




5p:北野神社
⇒大須観音の北に位置する実在の神社。
つまりそこから徒歩十秒にあるあやかし長屋兼居酒屋も実在するという雑な名推理はともかく、菅原道真を祀るこちらにも足を運んでみたいものです。



18p:青く染まったドラゴンズブルー


遠い夜空にこだまする
竜の叫びを耳にして
ナゴヤ球場つめかけた
ぼくらをじんとしびれさす
いいぞ頑張れドラゴンズ
燃えよドラゴンズ



(「燃えよドラゴンズ(作詞・作曲:山本正之)」より)


スピードワゴンの「ナゴヤドームに行きましょう」に当てられてる感はある




84p:錦三
⇒「名古屋市中区錦三丁目」の略称で、ここは有名な歓楽街なんですって。



143p:大須の縁日
⇒折角大須行くなら、より多くの人で賑わっている日を狙いたいですよね。
ということで月2回(18日、28日)開かれる骨董市のなかでも縁日として賑わう28日の骨董市に、いつか行ってみてはいかがでしょう……!
丁度今月(2018/4)は土曜日ですし。
私は……ほら……お金が無い。



165p、200p:鬼の過去
⇒多くは語られませんでしたが……諒から見た“先代”に当たる方ですよね……。
このあたりから、どこか浮ついた空気が無くなってピリピリしだしたような感じがありました。
人の死はさすがに重みが違います……



181p:アクアイレブン
カフェ&バーの店として登場した店名ですが、調べた限りでは実在店舗では無いようです。
が、多分この店名の由来は名古屋市を中心に活動するジュニアサッカーチーム「アクアJFC」でしょう。
サッカーは11人競技ですから。
調べなきゃ地元民でないと分からない小ネタですが、ご当地ものはこういうので良いんですよ……!
むしろこういうのが良い……!



訂正
Swind(神凪唐州)先生からリプいただきまして、アクアイレブンは実在店舗由来だそうです。
は、恥ずかしい……


コラボ店舗の1つということなので……左下のWater7さんですね!
大変失礼致しました。



280p:大直禰子神社
⇒こちらは北野神社と同じく実在する神社で、調べてみるとトータがここに居たちゃんとした理由がありました。
面白かったのでリンク張っておきます。
是非、本編を読んだ後に。

大直禰子神社:名古屋神社ガイド





まとめ





「大須に行きたい」
そんなシンプルな気持ちが募っていく小説でした!

面白かったし、美味しかったです!



以上!




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