どもー!
デスカイザーです。


ラノベニュースオンライン様の企画に(たまたま)参加してまして、先月ファミ通文庫より刊行された『三国破譚』のサイン本をいただきましたなのです!
読んでる読んでないとか、そういうの関係なく作家様のサイン本がいただけるというのはとても嬉しいです……!!


……ということで今日のラノベ!


三国破譚


三国破譚 

孔明になったけど仕えた劉備は美少女でゲスでニート志望だったの事

著者:
波口まにま

イラスト:
saraki

レーベル:
ファミ通文庫


【あらすじ】

三国志好きの中原天人は、突然諸葛亮孔明に召喚され「余命少ない自分に代わって劉備に仕えてくれ」と頼み込まれる。願いを聞き入れた天人の元に現れる劉備、関羽、張飛!!伝説の三英雄は、なんと全員美少女!?ここは女性が活躍する三国志世界だった!!しかも、聖人君子と思われた劉備は、曹操軍と戦う気がないどころか、ニート暮らしを夢見る、卑怯・外道・ゲス作戦上等のダメ人間で!?孔明として群雄割拠の三国時代を駆け抜けろ!!





感想:★★★★☆




三国志を知らなくても問題ないけれど、三国志を知っていたほうが面白そうな物語!
(三国志知らない勢)




三国志大好きな主人公が、三国志のゲームを朝までプレイした後寝落ちしたら孔明に部屋ごと召喚されて孔明の変わりに劉備たち蜀軍に加わり三国志世界を駆け抜けるお話。
第一印象も読後も変わらぬ印象として、やはり「圧倒的信奈感」はあります。信奈ファンとしてはなおさら。
パクリだとかそういう批判的ニュアンスではなく、むしろ賞賛の意味でですね。

世界観の再現、史実や記録を活かしつつ改変、改変しつつあくまでも本筋の平行線で有り続ける点など、私が思っている『信奈』の歴史ものとしての良い点をほぼ全て持っているところが素晴らしいです。
作中のキーワードで検索かけて記録を見るも良し、何年後かにTVの特集を見た時に「劉備(美少女)はああいう選択してたけど、ノンフィクションだったのか……!」みたいな感動するも良しで、読後も楽しめるのが最高ですね!
あと、歴史の強制力あるいは自浄作用が働き主人公が苦戦・苦悩したり、自浄作用すらも計算に入れた奇跡的な作戦を決行したり、世界そのものに挑戦していく無謀さが堪らないんですよね!



唯一残念なのが、タイトル。
サブタイトルが、どうしてかラノベチックになってしまっています……。
たしかに、劉備の「働きたくないでござる!」気質であったり、張飛の妹感であったり、関羽の美少女僕っ子っぷりであったり、キャラクターはそれぞれアキバチックな特徴を持っていて、それは素晴らしいです!
素晴らしいですが、それはタイトルに出してはいけない特徴だと思うんですよ……。
内容は伝わるけど、その伝わる内容が本文で初めて知ることができたらどれだけ面白かったかと考えると非常に勿体無いといいますか……。

バー○ヤンの「チャーハン」が「○○産のこういう特徴を持つ米を使い、どこそこから仕入れた卵と肉で香ばしさと旨味を足しパラッと炒めたチャーハン」としてメニューに載っているかのような蛇足感。
なんなら応募時サブタイトル「外道劉備と偽孔明」のほうが良いと思うんですけど、なんで変えちゃったんでしょうね?
時流?
だとしたらすごく勿体無いことをしてますよ、本当に。
サイン本が当たるまで買おうとしなかった最大の理由がサブタイトルと言っても過言ではないですし。
もちろん私とは逆にこのサブタイトルで購入を決定した読者もいると思うのであまり強く言い過ぎることはできないですが……。


ラノベの悪い所ですよ、無闇にサブタイトルまで付けてタイトル長くするの。





残りの感想は読書メモにて!





読書メモ




5p:気合い
⇒武力はどうにもならないけど、知力なら目に見えないから気合いでどうにかなるかもしれない、という主人公の考え。
まぁ……甘いですよねぇ……。
そこら辺を深くつっこんで主人公が猛烈に挫折するものだと思ってメモしましたが、…………挫折と呼べるほどのものは無かったですね!
むしろ、孔明を演じている間は乗り移っているかのように明朗かつ饒舌でしたね。
……なんとかなっちゃうのかよっ!!!



18p:オレ
⇒「カフェオレ」と「抹茶オレ」で「オレ」のイントネーションを伝えるという妙技!
その発想は無かった!!



序盤~中盤
⇒語尾・口調の定まらない感じが最高!
……嫌味じゃないよ?本当だよ?
三国志大好きとはいえ見知らぬ時代の見知らぬ土地に放り込まれ、憧れの人物の変わりとして生きることとなるというだけでボロはいくらでも出そうなところ。
そこに加えて主人公は、孔明っぽい喋り方もする時があり、そのクオリティが何ともいえない感じで(笑)
ただその何ともいえない感じが、物語の進行と共に主人公の中で孔明像が固まったのか違和感やブレも無くなってきて、たしかに一人の軍師としてそこに居るのだなと感じさせくれるんですよね。
恐らく2巻以降では感じることの無い感覚ですが、シリーズ通して忘れることのないであろう感覚でもありそうです。



95p:長い目線を持つニート志望
⇒意識高い系の前向きニート。
方向性は違うけど『GATE』伊丹の「働いている間に趣味をするんじゃない。趣味の間に仕事をするんだ」という考えに近いものを感じます。
こういうニートは大体何かしらで爆発的に成功するから面白いと思います。
なんだかんだ成功に必要なのは熱量なんですよ。



174p:嘘を真に
⇒あぁ~~!!
これラストシーンの伏線かー!!



191p:三国志っぽさ
⇒この作品の何が一番良いかって、三国志っぽい、もっと言えば中国古典っぽい雰囲気のシーンが要所にあるところだと思います。
ここをはじめ数回出てくる「君主の考えに感動し、泣き、永劫の忠誠を誓う」シーンや、終盤の「私だったらここに布陣しますわ!(高笑い)→布陣されてる(涙目)」の繰り返しだったり。
少なくとも文章の質という面で見れば、ラノベの良さと三国志に良さの両方を兼ね備えている大作だることは間違いないです。ちょっと質以外で気になる部分が個人的には多いというだけで。



193p:あー、これ聞いたことあるー!三国志だったのかー!!
⇒こういうパターンあるからラノベは面白い!





まとめ




たまたま同じ月に刊行された富士見ファンタジア文庫の『三国志妹』と合わせて、ラノベから三国志を学ぶ日々が始まりそうです。
せいぜい三國無双をチラッとやったことがあるくらいなので……既に1巻の段階で人名は怪しくなってきてますが、記録と創作のコントラストが美しいので読み進めることに苦は無いです。
なので、補足的に自学もしつつ、2作品とも完結まで読めたらいいなぁと心から思います!




以上!


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