今日のラノベ!
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【あらすじ】 高校生の俺は、義妹の那波と共にある日、三国世界に召喚された!?しかも俺は劉備、那波は張飛の名と能力を与えられ、無事に帰るためには『天下統一』しろだって!?しかも…「私が兄さんを護ります。ずっと傍にいさせてください!」生き別れた実の妹・雪乃も関羽として召喚されていて!?ライバルは美少女武将な曹操や孫堅、ヤバい雰囲気の董卓・呂布などなど、癖の強い相手ばかり。一方、関羽と張飛は…「義兄妹の絆を結んだからには、夜も一緒に添い寝ですね!」「あ、あたしだって、一緒に寝たことくらい何度も…!」先行き不安だが、兄妹の絆と三国随一の能力で無双するぜ! |
感想:★★★★☆
どうも皆様こんばんはこんにちはおはようございます。
春日みかげファンです。
和の『織田信奈の野望』、洋の『ユリシーズ』と来て、今度は中の『三国志妹』です!
とうとうタイトルにまで妹がっ!!
文章の堅い順に並べると、
百合>信奈>三国志妹
になると思います。
信奈もシリアスじゃないシーンは割とパロディが多かったりしますが、こちらはさらにその上を行っていますね。
お馴染みのカイジはもちろんのこと色々ありましたが、33-4には驚かされました……(笑)
でもあのシーン、神戸と横浜の人間が会話してたんだよなぁ。
千葉関係無いんだよなぁ……!!
本作最大の魅力は、何といっても豊富な美少女英傑のラインナップ!
血の繋がりのある妹(雪乃・関羽・表紙左)
血の繋がりの無い妹(那波・張飛・表紙右)
妹愛に満ちたラノベ作家のシークレット妹(怜香・曹操)
JKギャル社長(袁紹)に、和服美少女組長(孫堅)、戦闘狂欧風美少女(呂布)に、白喪服美少女(諸葛亮)!
性格からおっぱいのサイズ、髪色や信条まで様々な属性に振り分けられています。
強いて言うならリアル妹の二人のおっぱいを近似サイズにしたことには苦言を呈したい気もしますが、まぁ良しとしましょう。
そんな魅力に満ちたヒロインを描くのが、をん先生ですよ!
これだけの条件揃ってたら、一人くらい好きな女の子が出てくるでしょうよ!!
僕は孫堅が好きです!
「物語上のヒロイン」としては圧倒的に諸葛亮だけど、ただただキャラの好みで言うなら孫堅。
周りに担がれているように見えて自分の芯を見失わず行動していて、目つきの鋭さで誤解されがちだけど、女の子っぽく見て欲しい一面も持ち合わせているというのが最高だと思います。
あと黒髪。
主人公・秀一の口癖「妹は全てに優先する」は、曹操ことドワーフ玉置先生の作中で登場する言葉で、『信奈』で言うところの「全ての身を拾う」のようなもの=主人公の行動指針です。
そして、他の封神英傑との仲を結ぶ言葉でもあったり。
三国志を愛するものは家族・仲間を愛する、という方程式があるのか周囲への浸透率も高かったですね。
裏切りの話、忠義の話、絆の話。
三国志は全然詳しくないですが、そんな自分でも知っている桃園結義や呂布の逸話もそういった類ですから、他にも多々あるのでしょう。
「史実という運命の強制力」をうまく使って絆を増やしていくのか、それとも抗えずに蝕まれてしまうのか。
……というこのあたりはもう『信奈』の感覚ですね。
基本的に今巻では客観的に見ての「最善の一手」はほぼ取りません。
目先の安全策、という選択基準で行動して……絶望するまでがワンセット。
普段のワイワイした雰囲気から「妹の死」への急転直下ぶりが凄かったです。
どうせやるならこの調子で1人1回と言わずどんどん死んで、秀一の「死に慣れる」感覚を共有できるくらいまでやってほしいです。
逆に言えばそれくらいやってくれないと、隠れメインヒロインこと諸葛亮の気持ちに近づくことができないと思います。
もう回想くらいでしか出番が無さそうな諸葛亮の存在をボヤかさないためにも、是非。
さて、「最善の一手」を取らないという話ですが。
頑ななまでに妹を戦場に出さない方向へ向かおうとするので、基本的に戦闘が鬼門続きです。
ちょっと考えれば「妹=封神英傑=武力・知力に優れる」という方程式から、どう考えても英傑を戦場に出さなければならないことに気づきそうなものですが……それもまた妹愛の現れだと見れば一転して尊敬の念すら抱きます。
過去の後悔を反省して、二度と同じ過ちを繰り返さないよう強く自省していることの証左ですからね。
表面上そういった事が言えたとしても本能的に実行できるレベルにまで、いわば自分の生き方や価値観すらも変えて成長することができているということですから。
あとは一度変えてその身に浸透したものを、更に変えることができるのかというところに注目です!
以下読書メモに沿って。
読書メモ
6p:半兵衛ちゃん
⇒すっごいギャルっぽい那波の初登場シーン、「あっ、これ半兵衛ちゃんや……」ってくらいにおどおどした喋り方で。
成長しても同じ喋り方だとしたら、とんでもない化け物キャラが生み出されることとなり世界が妹に占め尽くされることとなるところでした。
残念ながら、普通に見た目通りの喋り方に成長していましたが。
ちくしょう!
……江戸清の豚まん美味しいよね!分かる!!
12p:バルス
⇒先述した豊富なパロディ、その一端。
ある意味これ受け入れられるかどうかが、この作品全体の評価の分水嶺だと思います。
13p:許劭
⇒一応ですね?調べたんですけどね?
人物批評家として活動していたから、真世界に召喚された封神英傑のチュートリアルキャラやってるのかなぁ、くらいのことしか頭に入ってこなくてですね……(汗)
似た名前だったり、普段見ない漢字の名前ばかりだったりという、本元の三国志を読まない理由から脱却できないという三国志オマージュ作品あるあるは今作も例外ではなく。
サブタイトルの「邢道栄」も、本文中に「け、邢道栄」って出るまでずっと疑うことなく「じゃどうえい」って読んでましたし(こいつはゲームのオリジナルキャラらしいですが)。
個人的にはこの問題が最大のネックです……。
まず間違いなく、2巻読むまでには夏侯惇と夏侯淵がどっちがどっちか分からなくなってることでしょう(予言)
185p:想いの代弁者
⇒秀一にとってドワーフ玉置先生の『戦国妹コレクション』という作品は、自分の想いを正確に代弁してくれる作品だったんですよ。
故に妹の存在に憧れを持ちながらも自らを蚊帳の外に置こうとする曹操=先生自身の姿に、秀一が耐えられないのはよく分かります……!
それはともかくそのタイトル大丈夫かな!?
200p:その言い方はどうさ……
⇒「究極の完璧美少女でありながら……俺のことになると、ポンコツ妹になる!」
という文章。
ここに至るまでに雪乃がどんな気持ちでいたのか、そしてその気持ちを埋めるべく兄の好きだった三国志のゲームをやったり色々努力してきたということを見てきたうえで。
そのうえで「ポンコツ妹になる!」呼ばわりは無いだろうと!!!
そりゃあ確かにポンコツ化してますよ、那波ともども実の兄と本気で結婚しようとしているんですから。
でも、どんなにポンコツ化していようとも、その想いの丈を知った兄本人がポンコツ呼ばわりするのは絶対にダメです。
それはあまりにも可哀想すぎるし、「妹は全てに優先する」と言いながら妹をバカにしているようにしか見えなくなります。
★4の理由は漢字読めない問題ではなく、この一文が理由です。
どうしてもここだけは納得できませんでした。
222p:結跏趺坐
⇒瞑想してる人の足の組み方のことでしたか……。
あれですね、両足先を反対の足の太ももの上に乗っける胡座みたいなやつですね。
(体験レポート)
んあ?これ足どうなってるんだ……?
左足を乗っけて、反対の足をのkk……上がらないよ!?
も、もう少し奥まで左足乗っけて、前傾しつつ右足を無理やり……のっ……た!!
のったけど痛い!!瞑想どころじゃない!!
あ、でも不思議と不快ではない……!?
(以上体験レポート)
309p:馬
⇒喋った!?!?
こうなってくるとデルフを超えるかどうかがどうしても基準として出てきますよねー……。
311p:脱字
⇒クライマックス、兄のピンチに駆けつける雪乃!
最愛の兄の待機命令を無視してまでやってきた雪乃!
決して戦場には近づけさせたくなかった兄が、諸葛亮と「初代劉備玄徳」からのメッセージを受けて妹と共に戦うことを決意した、その最初の戦場での雪乃の第一声が!
そこまです、呂布どの!
ズコー
疲れきった状態の帰りの電車の中、アルコールも入ってる状態でこのセリフ読んでよく声出して笑わなかったな、って自分を褒めたいです
校正さん頑張れ!
まとめ
2巻以降、この作品の本当の面白さが出てくると思います。
守りではなく、攻めの姿勢で妹を守ることを決意した秀一こと二代目劉備玄徳が示す勝利の道筋は?
『信奈』と同じく運命の強制力は、一度変えた史実の揺り戻しを発生させるのか?
諸葛亮を蒼天の下に引きずりだすことができるのか?
妹は妹のままなのか?
未だ空く嫁枠は誰が埋めるのか?
袁紹と劉備の本格的な接触はどんな化学反応が起きるのか?
楽しみに待ちたいと思います!
それまでの間に、多少は三国志の知識も頭に入れておきましょうかね……
以上!
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