どもー。
デスカイザーです。


今月創刊のKラノベブックスを早速買い逃していることに今さっき気がつきました…。
探さな…。



今日のラノベ!


クロックワーク・プラネット1

クロックワーク・プラネット Ⅰ

著者:
榎宮祐 /
暇奈椿

イラスト:
茨乃

レーベル:
講談社ラノベ文庫


【あらすじ】

―唐突だが。世界はとっくに滅亡している。
死んだ地球のすべてが、時計仕掛けで再現・再構築された世界―“時計仕掛けの惑星(クロックワーク・プラネット)”。落ちこぼれの高校生・見浦ナオトの家に、ある日突然黒い箱が墜落する。中にいたのは―自動人形(オートマタ)の少女。「あんな故障一つで二百年も機能停止を強いられるとは。人類の知能は未だノミの水準させ超えられずにいるのでしょうか―?」
破綻と延命の繰り返し。作り変えられた世界と、変われない人類。理想と現実が悲鳴をあげる時、二つの出逢いが運命の歯車を回す!榎宮祐×暇奈椿×茨乃が共に紡ぐオーバーホール・ファンタジー!




感想:★★★★☆


なんというか、猛烈。




序盤~中盤は、リューズの正体とかマリーたち「国境なき技師団」の派遣理由とか、きな臭さはあったけど「ただのドタバタ」に収まるのかなぁ?という印象でした。

ナオト&リューズサイドじゃ普通に学園もの始まってデートまでしてたし、「あぁ、榎宮先生が本気で学園ラブコメ書いたらこうなるのかー」と関心してました。
実際にそのシーンを榎宮先生が執筆されているかは分からないけれども!
そこはある意味共著の嫌なところですよ…。
『クズと金貨のクオリディア』みたいに文体・主観違いでなんとなく察せるものでさえ真相を本から知ることはできず、ましてや今作は書いた本人たちですら把握してなさそうな…。

マリーサイドはナオトサイドとは違いほのぼのしているわけではなかったですが、集団を率いるには若いマリーが見せるプロ意識に関心していたり、そんなマリーに忠実な部下の仕事ぶりに関心したり。
関心してばっかり!





そんな印象が崩れたのが、派遣の真相と京都に迫る危機を知った190pのマリーの絶叫。
そしてこれから面白くなると確信したのが、195p~225pのマリー&ハルターとナオト&リューズの邂逅と話し合いのシーン。


それぞれ独立して動いていたものが、まさに歯車が噛み合ったかのように滑らかに回りだすんですもん。
あんなん面白いに決まっとるやん…!

特にあの一連の中の、ナオトの耳の良さについての流れね。
ナオト主観だとまだ「ちょっと特殊」の範囲に収まっていたのに、客観的に見た途端に「異常だこいつ!」ってなるやつ!
ノイズキャンセリング機能が現代と同じレベルだと、どうして思った?とばかりの遮音率100%。
そして遮音率100%越しに平然と会話するナオトきゅん。
一周まわって呆れるよ…。




225p以降は、まさしく猛烈。
ナオトのリューズ愛も吹っ切れ、マリーのプロ意識はまだまだ序の口で、事件計画者の“護権”主義は思っていた以上にくそったれ。
そのままの勢いでフィニッシュ!そして冒頭に繋がる…のかな?というエピローグ。
最高ですね!



残りの★1つ分は、単純に歯車機構についての理解不足です。
マリーの見せ場だったぶら下がり高速修理のシーンがうまく状況をつかめず「……?」だったり、リューズの機構の核心とも言える「右回りに回るのに、左回りの運動エネルギーを出力する歯車」の存在だったり。
いや、そりゃ「存在するからしょうがない」んだけど、マリーと同じく「ふざけんなあああああ!!」と叫びたくはなりますよね。
どこまでを「そういうもの」として受け入れられるかがこの作品の楽しみ方のポイントになりそうです…。




アニメED「アンチクロックワイズ」が何故あんなに熱い曲調なのに、物悲しい歌詞なのか。
その一端を知ることができた気がします。
…………アニメ見なきゃ。


以上!



クロックワーク・プラネット1 (講談社ラノベ文庫)
榎宮 祐 暇奈 椿
講談社 (2013-04-02)
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