どもー。
デスカイザーです。


メリークリスマス!

ところで。
ラノベ感想ブログなのに、ラノベの感想書くのが1週間ぶりなんですが…。
この調子だと社会人になったら更新頻度がどうなってしまうのかと不安です……。




では、今日の…今週のラノベ!

魔法少女育成計画


魔法少女育成計画

著者:
遠藤浅蜊

イラスト:
マルイノ

レーベル:
このライトノベルがすごい!文庫


【あらすじ】

大人気ソーシャルゲーム『魔法少女育成計画』は、数万人に一人の割合で本物の魔法少女を作り出す奇跡のゲームだった。幸運にも魔法の力を得て、充実した日々を送る少女たち。しかしある日、運営から「増えすぎた魔法少女を半分に減らす」という一方的な通告が届き、16人の魔法少女による苛烈で無慈悲なサバイバルレースが幕を開けた…。第2回『このライトノベルがすごい!』大賞・栗山千明賞受賞作家の遠藤浅蜊が贈る、マジカルサスペンスバトル。




感想:★★★★☆

アニメ放送前から……具体的には確か3年前くらいからタイトルとしてはチェックしていた作品。 
『最弱無敗の神装機竜』『落第騎士の英雄譚』などなどと同じく、アニメ前に読んでいれば…、という後悔で一杯です……。



内容は……16人の魔法少女による「殺し有り」の蹴落とし合い!
魔法少女モノ、という枠の中で語弊を恐れず説明するしたら「まどマギと龍騎を足して2で割った」ような…。


1人の魔法少女につき1つ固有の魔法があるんですが、これの応用のさせ方が物語を大きく左右してた気がします。

「困った人の声が聞こえる」というスノーホワイトの魔法が、死に際の最期のメッセージを拾うのは「困ってる」に含めていいのだろうか、とか。
「手裏剣を投げたら百発百中」なリップルの魔法が手裏剣以外にも適用されるのだとしたら、他の魔法の拡大解釈も…、とか。


決定事項を他の側面から見て抜け道を探すような応用力って生き残るのに大事だなぁ、とこの先の人生で役に立つ機会が少なさそうなことを、改めて学ばせてもらいました。

けど、拡大解釈のしようによっては他の魔法少女が生き残っていた可能性も十分ありえるので、四歩くらい引いて見ちゃうと冷めてしまうかも。
……引くな進め抉り込むんだっ!!





16人の魔法少女。
生き残るのは8人のみ(当初予定、実際人数2人)。

この手の小説で、「積極的に殺す側に男性が居ない」っていうのは初めての経験でした。
そういう視点での感想ですが……、根本的に狂気に染まっている人はいなかったですね。
大なり小なり、理由があって「あの状況」に置かれているわけで、1冊読み終わった今振り返ると誰に対しても「そういう理由があるなら…」と納得できるだけのものは持っていたように思います。


「男性=狂気に染まっても理由が語られない」というイメージは何処かにあるんですよね……。
ミステリーでの殺人犯はともかく、殺される側で狂気に染まってる人とか、街中の酒場で見かけた狂人の出自とか……。
そもそも街中の酒場で狂ってる女性ってあんまりいないですね……。
中世世界だとそうなる前に奴隷市場に流れるかー……。





この作品のどういうところが一番面白かったか、と聞かれるならばこう答えましょう。
「ストーリーが進めば進むほどキャラクターが壊れていくのが面白かった」、と!!

スノーホワイトが抱いていた「魔法少女=困ってる人を助ける」っていう概念。
彼女が魔法少女としての矜持を見失っていくのと同じペースでこちらの抱いていた魔法少女像も崩れていくので、彼女自信は何もしてないのに彼女への親近感ばかりが募っていくという。

ストーリー上「何もしてない」スノーホワイトは、16人の魔法少女の中では一番人助けをしていて。
「権謀術数テロ殺人何でもござれ」な他の13人の魔法少女は、人助けの優先順位がどんどん下がっていて。
1人は本当の意味で「魔法少女として何もせず」死に。
1人は「巨悪に立ち向かうために小さい悪を見逃す」形になり、その巨悪にも立ち向かえず死ぬ、と。


『まどマギ』とこの作品の2例だけ見ると、決断せずのらりくらりな主人公(ヒロイン)の魔法少女って生存力的に強いという結論に……。



あぁ、そうか。
過程はともかく、生き残った二人は本当の意味で「他人のために」動ける人材なのか!

誰かを救うために必要なのは決断することではなく、助けを求める声に気づけるようにしておくこと。
誰かの復讐を遂げるために必要なのは相手を恨む気持ちを持ち続けることではなく、誰かを想い続ける気持ちを持ち続けること。



やっぱり結果的には質の良い魔法少女を選出できるようになっているんですねぇ……。
本当「結果的には」なんだけども。



キャラが16人いるぶんスポットが当たる密度にバラツキはありましたが、その分凝縮されたスペースのなかで最大限キャラの背景を膨らませるような書き方をしていたのが好印象でした。
色々な意味でバラバラな彼女たちの想像の余地があるのは、決して投げっぱなしなんかじゃなく良い塩梅のステータスの空白になってて読後も楽しいです。

……まぁ大半死んでるんだけどね!!
想像したところで多分今後一切出てこないんだけどね!!





2巻以降はどういうお話になるのでしょう…?
彼女がマスターとなって……、また絶望するのでせうか?





以上!


魔法少女育成計画 (このライトノベルがすごい! 文庫)
遠藤 浅蜊
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