どもー。
かき氷を食べると頭より先に歯にダメージがくるデスカイザーです。

氷属性ダメージ(小)



今日のラノベ!

気ままで可愛い病弱彼女の構いかた

気ままで可愛い病弱彼女の構いかた

著者:
竹原漢字

イラスト:
MACCO

レーベル:
富士見ファンタジア文庫


【あらすじ】

「これから放課後、私のそばに居てほしいんだ」病夜宮係。高校に入学した直後、クラスで謎の係に任命された僕は何もわからないまま、放課後の保健室へ案内される。そこで出会ったのは―体が極端に弱く、保健室登校の美少女・病夜宮美闇。僕が入学式で一目見て、ときめいた女の子だった。肌が白く、物静かな深窓のお嬢様。一見そんな印象だけど…「この相談、超気になる。一緒に調べよう!」好奇心旺盛すぎて。「甘口くんは何でも構ってくれて、優しいなー」そして結構調子に乗る。相談を集めて、生徒全員の悩みを治す。彼女の活動のサポート役として、ずっと一緒に付き添うことに!?




感想:★★★★★

第28回ファンタジア大賞審査員特別賞受賞作!


相談を受けて解決するけど、その内容も結末も日常生活にありふれたもので。
一人一人に主人公が能力名を命名しているけど、本当の意味での異能があるわけではなく。

途中でブレずに。
そこにあるのは、気ままで可愛い病弱彼女との学生生活。




と、圧縮するならそんな感じになります。


以下解凍版の感想。



フィジカルガラスシンドロームという病気(ザッと検索した限りではヒットしなかったので架空の病名か?それとも本文にあった通りにあまりにも稀な病気だからネットでもヒットしないだけ?)の影響で保健室登校を余儀なくされている病夜宮美闇。
彼女の出席日数を補填するため生徒の悩みを解決!
とはいえ自由に動き回れたら保健室登校をしてないわけですので、そんな彼女を支えたり手助けしたり構ったり構われたりする係、それが病夜宮係なのである!!


相談の内容は「本の借りられ方が変」とか「保健室の骨格標本がない」とか、そのくらいのもの。
ミステリものみたくその謎がお話の構成の主軸に来るのではなく、あくまでもそれらは気ままで可愛い病弱少女との生活についてくるものであって、この本で魅せたいものは気ままで可愛い病弱少女とのいつもの日常、なんじゃないかと思います。


その日常というのは、主人公・甘口廿日と病夜宮美闇がちょっと特別な力を持っていても周囲の人と何ら変わりないんだよ?っていう意味もきっと含められているんですよね。

廿日のちょっと浮くような発言や能力の命名等がそこに起因すると「エピローグもしくはプロローグその2」で語られていたのですが……うん、この17ページで物語の印象がだいぶ変わりました。
だって、病気のヒロインをメインに据えてるのにこじつけ的能力を脇に持ってくるとか理由が無かったとしたらただのキャラ殺しにしかならないもん…。
エピローグ前の時点でそこだけ惜しんでたんですが、エピローグ読んで「おぉ、さすが!」となりました(笑)


地の文の心の声ダダ漏れ感と、ヒロイン達が廿日の心の声を異様に読み取るという2点に関しては、読者の好み次第というところでしょう…。
私はそういうの大好きというかむしろ好きだからこそ厳しい目でチェックするタイプですが、この本は……理想形にはちょっと届かないものの結構高いクオリティだと思います。
ややしつこく感じる部分が何箇所かあったんですが、すごく良いです!
(逆にいえばそういうのが好きな人がしつこく感じるということは、あまり好きじゃない人からしたら……)

地の文の三次脱線とかなかなか珍しいものもありましたしね?
(話の脱線の脱線の脱線〉






何よりタイトルに「可愛い」と銘打った作品でこれだけガチで純粋に可愛いヒロインがどれだけあっただろうか!
むちゃくそ可愛いぞ病夜宮美闇!
外見もそうだけど仕草とか反応とか!

「いるかー」
「いないよー」
「いるじゃねーか!」

のやり取りが好きなところとか!

病夜宮係になりたい……



あとどうでもいいといえばどうでもいいんですが、腕に装備するタイプの杖を「ロフストランドクラッチ」っていうの初めて知りました。



ということで、この二人のありふれた日常をまた見たいと切に願います。




以上!

気ままで可愛い病弱彼女の構いかた (ファンタジア文庫)
竹原漢字
KADOKAWA/富士見書房 (2016-07-20)
売り上げランキング: 42,799

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