どもー。
イスラム語とハングルとヒンディー語を読めるようになりたいデスカイザーです。


今日のラノベ!

リア充になれない俺は革命家の同志になりました1 (講談社ラノベ文庫) 

リア充になれない俺は革命家の同志になりました 1

著者:
仙波ユウスケ

イラスト:
有坂あこ

レーベル:
講談社ラノベ文庫


【あらすじ】

“スクールカースト”とは、誰が作るわけでもなく気がついたときには自然と構築されている不思議な階級。その最下層に位置する白根与一は図書部に入るよう命じられる。図書部の廃部にハンストで抵抗する問題児を止めるための人数合わせ(と監視役)とのこと。どんなおかしな奴が待っているのかと恐れながら部室に行った白根だが、彼を待っていたのは純真可憐な黒羽瑞穂と名乗る美少女。しかし口を開けば過激思想発言が止まらない危険人物でもあった。その中に掲げられたスクールカースト紛砕計画に白根は心を動かされ、気がつけば彼女の理解者に?カースト一軍のリア充で黒羽の幼馴染み・中禅寺さくらを交え、おかしな図書部の活動が始まる!!




感想:★★★★★


要点
・社会主義・共産主義入門編とも言える危険度MAXな作品
・手段が危険思想MAXなだけで、やろうとしてることは真っ当
・その危険思想からも人として学ぶべきことは、ある
・パロディー多め





スクールカースト最下層「プロレタリア」の主人公・白根と、スクールカーストという階級社会の存在を憎み討ち滅ぼそうとするマルクス主義的「革命家」なヒロイン・黒羽の、社会の是正を目指した物語。


端的に言うなら超←主義で
学生運動全開のすごく危ない作品です!



これオーバーラップ文庫の『デスニード・ラウンド』に迫る危険度だよ!?
大丈夫!?


現代の民主主義社会においてはそういう一面持っちゃってるけど、学校という腐敗した民主主義社会においてはその限りでは無いんじゃないか、と割と真剣に思いました。

上層階級からの一方的な”搾取”を下層階級が耐え忍ぶ。
そんな構造を打ち壊す。

その手段がプロレタリア革命って言い方だからちょろーっとやばいんだけど、やろうとしていること自体は全面的に応援したいくらい。



ちなみにプロレタリア革命っていうのは、プロレタリアート(資本主義社会における賃金労働者=下層階級)がブルジョワジー(資本主義社会における資本家=中・上層階級)からの不当な搾取(労働者にはわずかな賃金しか払わず、資本家である自らが商売の利益を不当に得る等の事態)に不満を募らせ、ブルジョワジー国家=資本主義国家を打倒し、プロレタリアート独裁国家=社会主義国家を樹立する革命のこと(参考資料:wikipedia)



普通に生きてたら絶対に触れる機会が無いであろう、社会主義・共産主義的な言葉・考え方が次々と出てくるので、苦手な人には苦手かもと思いつつdeskyzerとしてはとても楽しめました。
『資本論』とか『リヴァイアサン』とかそういえば教科書に載ってた以上の知識が無いし、読んでみたいなぁ…。
とても、とても難読書だということだけは知ってるから悩む。


マクロ規模での考え方としては時代にそぐわないということが歴史によって証明されてるけど、ミクロ規模の考え方としては学ぶべきことがある主義だと、改めて知れたのがでかいですね。
「他人の痛みは自分の痛み」とか。
うん。本当に、一回ちゃんと”そういう本”読んでみようかな!



と、こってこてな内容だけど、主人公の主観で進むこの話。
結構最近の有名アニメのパロネタ豊富なので、内容の危険度の割には読みやすかったです。
タイトルからして『勇者になれなかった俺はしぶしぶ就職を決意しました』のパロディですし。
本文でも『まどマギ』のソウルジェムネタ、「Anotherなら死んでた」ネタ等々。


これ以上なく非現実的な手段で超現実的な学校を描いた良い作品!






最後にひとつだけ言わせてもらうけど、

黒羽さんの容姿、性格……最っっ高…………




以上!

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