どもー。
デスカイザーです。

バイトの疲れが抜けきらない日々が続いています。
そのおかげで動く気が起きないので読書へのインセンティヴは高まってるから結果オーライよ!

……それに比例して金遣いも荒くなるのだけは問題よねー…



んじゃ、今日のラノベ!

バビロン 1 ―女― (講談社タイガ) 

講談社タイガより
『バビロンⅠ -女-』です。


【あらすじ】

東京地検特捜部検事・正崎善は、製薬会社と大学が関与した臨床研究不正事件を追っていた。その捜査の中で正崎は、麻酔科医・因幡信が記した一枚の書面を発見する。そこに残されていたのは、毛や皮膚混じりの異様な血痕と、紙を埋め尽くした無数の文字、アルファベットの「F」だった。正崎は事件の謎を追ううちに、大型選挙の裏に潜む陰謀と、それを操る人物の存在に気がつき!?


感想:★★★☆☆


講談社タイガの本をラノベとしてカウントするかどうかがまず謎なんですが…。
とりあえずその問題は脇に置いておくことにします。
まぁメディアワークス文庫的な立ち位置なんだろうから、つまりはラノベと一般文学の間ってことなんでしょ。



特捜部の主人公・正崎が、異常な証拠を発端に奇怪な事件を追い、その中で「正義とは何か」について考えさせられる物語。

ジャンルとしては警察モノのミステリ。
……と思わせといての、本筋はもっと別の場所にあります。
ミステリであることは間違いないけど、この話は一般的な「事件⇒捜査⇒解決」という流れには当てはまらないんですね。
政治学でもあり、人間の闇に触れる心理学でもあり、宗教論でもある。
そして、上でも書いたように正義論が中心的な役割を担ってます。

個人的には、「正義とは何か?」より先に「悪とは何か?」を定義するほうが考えるのが楽だと思います。

”悪がいないと、正義も成り立たない”

っていうのをどこかのラノベで読んだのが結構こころに残ってて、まさにその通りなんじゃないかと思ってます。
だから、悪とは何か?、が必要。
この本の主人公・正崎も「正義とは何か?」という問に最後まで(少なくとも1巻ラストまでには)明確な答えは出せずにいるけど、「あいつは間違いなく悪だ」という断定だけはしっかりしています。
……その断定の根拠も”悪”に言いくるめられたら揺らぎそうなものではあるけど。
悪がいるから、その対局に正義が存在し得る。
そういう消極的正義もあっていいと思います。



そして最後でも再びテーマの転換。
それは、「死」という概念そのものへの挑戦。
そうですね…
物語中では結構過激な死に方してたけど、「安楽死を認めるかどうか」という論争にも結びつく結構重要なテーマだと思います。
(どうでもいいけど個人的には安楽死賛成派)
このテーマに踏み込んだからには、絶対に低クオリティな議論では終わってほしくないですね…
野崎まど先生なら何も問題ないとは思いますが。


ということで2巻(2016年春発売…!?)に期待ですね。



以上!


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