感想テーマは 「思ったことを、そのままに!」
ネタバレを含みます ご注意ください

今日のラノベ!

幼女さまとゼロ級守護者さま


幼女さまとゼロ級守護者さま

著者:
すかぢ

イラスト:
狗神煌

レーベル:
GA文庫


【あらすじ】

 ネテスハイム公、雨宮透華は「切り札」たる守護者を召喚して告げた。「雨宮羽玖。雨宮の娘を守って欲しい。忌まわしき天球儀ゲームから」
「十三血流れ」――その眷属たちは名だたる能力使いであり、世界史を裏から操ってきた。だが、その近郊を揺るがしかねない存在が羽玖であり、彼女は「不死」にさえなりうる希有な能力《節制》に覚醒する予兆を示していたのだ。
 十三血流がさらなる力を得るべく眷属を送り込む「天球儀の迷宮」。能力者たちが集う閉鎖空間において誰かが羽玖を亡き者にしようと狙い、誰かが羽玖を守護する切り札となる。
 各家の思惑が交錯する中、その趨勢を決する迷宮探索が幕を開けた――。




感想:★★★★★







質問箱で「このライトノベルがすごい!」投票前までに読んで欲しい作品!というテーマで募集した際にオススメいただいた作品です!
ありがとうございます!!



姫を守りながら迷宮を攻略する従者一行のお話







序盤はネテスハイム公をはじめとした十三血流による会議の様子と、ネテスハイム公が切り札へ役割を与えるシーン。
とっっっっても迂遠で重厚で雰囲気に満ち溢れています。

いやー、やっぱりこういう厨二感マシマシな世界観の設定は苦手です。
もう何を言っているのか全く頭に入ってこなくて、同じ文章行ったり来たり。
冒頭二行目、
「巨大時計の動作機構ムーブメントが大きな音を立てて廻る」
だけでもう苦手スイッチオン……


これが続いたら読了までに5回寝るな、と思いつつ1度の寝落ちで1章をなんとか読み切りました……
寝落ちの最速記録を叩き出しましたね……



2章からはそんな重苦しい雰囲気が一度なくなり、皇目線で描かれる学園生活と天球儀ゲームのお話。
世界の行方と自らの命をかけた迷宮攻略にハラハラドキドキ。
無事に元の世界に帰れるのか?
姫の命を狙う不穏分子は誰なのか?






とかいう普通の話だとねー、思ってましたよねー





迷宮の最新部にたどり着いてからの大アルカナ同士の戦いは、それまでの戦闘シーンがあまりにもちっぽけで児戯にも等しいものだったと思い知らされ。
今まで認識していた戦力図が全くの虚像で。
あれほど苦手だった序盤のシーンがカモフラージュと最初の仕掛けだったことに気づいて無性に読み返したくなり。

それら全てのトリックが、絶妙にプライドを守れるくらいの場所で気付けるように構成されている安心設計で。







読後の満足度が今年随一です!

これはオススメしたくなる気持ちがよく分かります……




適度に頭をパンクさせつつ、僅かに働いている思考も「迷宮からみんなで生きて帰るにはどうしたらよいか」というところにうまく誘導されているので、うまくカモフラージュされているんですよね。多分。
木を隠すなら森の中。
謎を隠すなら謎の中。
愚者を隠すなら愚者の中。

……いやこれ本当に迂闊に何も話せない(笑)






ネタバレずにしゃべれる部分もあるんですよ。
アルカナにまつわる設定部とか、十三血流の出自とか。
でも、冒頭にお伝えしたとおりどうしてもこのあたり苦手で、ネタバレ云々関係なく理解が語れるレベルに及んでいないためにしゃべれない……
パラケルススならFGOで名前だけ知ってるぞ!とかくらいですよ……?





まとめ





未読の方に言えることとすれば、

「序章と1章を乗り切って、
 2章以降普通に能力ものとして楽しんで、
 9章以降であたふたしてください」


というところでしょう。
幼女すばらしい。



とりあえず「サクラノ詩」を絶賛していた友人に今度押し付けてきたいと思います!



以上!



今日のラノベ!

ヒトよ、最弱なる牙を以て世界を灯す剣となれ

ヒトよ、最弱なる牙を以て世界を灯す剣となれ
グラファリア叙事詩

著者:
上総朋大

イラスト:
細居美恵子

レーベル:
富士見ファンタジア文庫


【あらすじ】

 人間がヒトと呼ばれ、他種族の家畜や奴隷として虐げられている世界。奴隷の身ながらも、ヒトが誇りをもって生きられる国を作るという大望を抱き、知を磨き続ける少年ジノがいた。
 そんなジノを見初めたのは、ヴァンパイアの姫ヘネシー。ストーリア公国の後継ぎ候補ながら辺境で燻っていたヘネシーの想いを見抜いたジノは、彼女に仕え、内政・交易・軍事と様々な分野で天才的手腕を発揮。彼女の領地を瞬く間に豊かにする。
「ジノの夢はあたしが叶える。だからずっと傍にいてくれる?」
 そして、ストーリア公国に未曾有の政変が勃発するとき、ジノの才能は最大の輝きを発揮する――天才軍師として!




感想:★★★★★





美しい!!!







ヒトが誇りをもって暮らしていける国を作るため、ヴァンパイアの姫ヘネシーと共にストーリア公国を変えていくであろうお話。
まだまだこれからなので一応未来形で。

(最近よく言っているような気がする「プロローグすぎて……」という残念な意味ではないのでご安心を)




読了したのが結構前だったりするので、残っている感覚でもって書き留めていきますが。
やっぱり何と言っても「美しさ」が段違いでした!






まず表紙よ!


ヘネシーのミニマムだけど気品に溢れたお身体、白く透き通るような背中のライン、優雅にたなびく白い髪、そして少し牙を覗かせて妖しい笑みを浮かべている表情。
何もかもが最高。

そんなヘネシーが手を伸ばす先にいる主人公・ジノはといえば、感情豊かなヘネシーとは対局に位置するような表情。
目は野望に満ちた表情とも絶望に満ちた表情とも違い……感情が抜け落ちそうな。
本にのめり込みすぎて現実世界に復帰できない時の本読みの表情に似ている気がします。
あるいは何百手も先を読もうとしている棋士の、現実ではないどこかを見ている表情とか。



ヘネシーは状況を見て、人を見て、自分の感情に従って動くタイプ。
ジノは状況を見て、人を見て、さらに知識に基づき未来を組み立て、そこに自らをも駒として組み込み動くタイプ。
さすがに読む前からここまで考えていたわけではありませんが、読後に改めて見てみると2人の性格がよく現れているイラストだなと驚かされます。
シンプルに美しいイラストですが、含まれている情報の数と精度まで見ても美しいです!









話の構成も素晴らしく美しいと思うんですよ!

序盤。
ジノという存在が、いかなる思想を持っているのかを聡明さと共に示しつつ、他種族から見ればたくさんいる奴隷・家畜のうちの1体でしかないという事実を突きつけてきます。

こう、ね。
ジノっていわゆるところの努力型の天才なんですよ。
なので……物語的に都合の良い存在という穿った見方も、展開によってはできてしまったかもしれません。
でもその懸念を冒頭の血抜きでぬぐい去ってくれるわけです。

「どんな野望を持っていようが、どんなに才能を持っていようが、他種族から見れば赤子のような力しか持たないのがヒト。
であれば、それ相応の人物でなければ革命を起こしたり得ず、それ相応の人物であっても革命を起こせるとは限らない」

という宣誓のような。

なのでとても素直に読めました。
ということで、これらの布石が美しい。






後半、ヘネシーの切り札として成長したジノの軍師としての初仕事。
ここまでジノの有能さをひたすらに述べてきてからの、あの最善の下策はズルいですよ……
2巻3巻でこういう仕掛けしてくる作品はよくありますが、1巻からこれ仕掛けてきて、かつ十分以上に効果発揮しているとか、構成がうますぎるんですよ……
私、いつの間にあのキャラに感情移入してしまっていたんでしょう……?
(一応名前は伏せておきます)



この「いつの間に」って、物語の滑らかさを如実に表していると思うんですよ。
分岐点やきっかけを悟らせないって、今みたいに感想書くぶんにはとても厄介なんですが(笑)、読んでいる時には全くストレスを感じずに読めるのでとても良いんですよね!
この滑らかさも「美しい!」とまとめさせていただきたい!
美しい!!





さて……


だがしかし。
「ヒトよ」というタイトルの呼びかけに相応しいほどの展開・見せ場があったかというと……やや物足りなさを感じる部分もあったり。
確かにジノはヒトでありながらヴァンパイアの国のお姫様に見初められたわけですが、これは「ジノ」であって「ヒト」ではないのです。
まだ、まだこのままではヒトが誇りをもって暮らせる国を作るには打点が弱すぎます。
要するに、ジノの1点張りだと、要職についたひとが自分に都合の良い政策を掲げているに過ぎない見た目になってしまうんです。

これが今後の展開にむけて多少懸念している部分です。
1巻の美しさが続くのならば、この懸念も何かしらのかたちで払拭されていくと思いますが!
信頼するに足る文章ですもん。







読書メモ





27p:イラスト
⇒久々に挿絵に見蕩れました……!



47p:ここまで描写してくれるとは……
⇒なかなかに惨いシーン。
でもこれがあるからヒトの置かれている状況と、ジノの想いの強さが理解できました。
ヒトに拘るのもうなずけます。



151p:トレーフル!
⇒少しずつ感情が出てくるようになるトレーフルに注目するのもまた面白いです
192pも。



187p:ルシール
⇒主要キャラの割に何故か扉絵にいなかった不遇な子の唯一のイラストがここ。
途中まで性別間違えて読んでいたりする人がいるらしいですよ?←






まとめ





ひとまずヴァンパイアの国でどうにかこうにかしていくことになりそうですが、大陸に存在する他種族との兼ね合いがどうなっていくのかが気になります。
そう、国を平定するだけではこの物語は終わらないんですよね。
大陸の中で、ヒトがヒトとして生きれる国を作る。
その目的を果たすためには、他の国に「ヒトがヒトとして生きるヴァンパイアの国」を認めさせないといけないわけですから……





いやー、それにしても本当に美しかったです!
美麗!!
サブタイトルの「叙事詩」というのもまた、物静かに品がある印象を後押ししてくれて最高です。
できるだけ長く読んでいきたい作品!!!





以上!









……バタバタして読了後すぐに更新できなかったことについては反省です。はい。
感想もふわっとしてしまいすみません……

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