感想テーマは 「思ったことを、そのままに!」
ネタバレを含みます ご注意ください

今日のラノベ!



無双航路 3

無双航路 3
転生して宇宙戦艦のAIになりました

著者:
松屋大好

イラスト:
黒銀(DIGS)

レーベル:
レジェンドノベルス


【あらすじ】

 ソハイーラの身体に入り込んで彼女の身体を操作し、皇帝として立ちふるまうことになったアサガヤシン。彼のもとに、帝国軍を我がものとした憎き敵・オクタヴィアヌスが襲い来る。アサガヤシンは自身の「AI」としてのアドバンテージを活かし、操艦や増殖でアクロバティックに応戦。しかしオクタヴィアヌスは衛生サイズのAI「月」をはじめとする大艦隊を持ち出し、執拗に攻撃を仕掛けてくる。アサガヤシン=ソハイーラに逆転の機会は訪れるのか? 果たして敵の真の狙いは? そして、高次空間で人を繋ぐ“クオリア”がもたらす奇跡とは――!? すべての事象が明らかになる、驚天動地のシリーズ第三巻!




感想:★★★★★














ソハイーラの残滓って何!?

2巻読了後の私の悲しみを返してッ!!







そんな感じで、冒頭から心の叫びが全力でした。
驚き半分、喜び半分。


いやだって死者は死者、高次空間のクオリアとの接続が切れてしまったら、肉体は蘇っても魂の名前としてのソハイーラはもう戻ってこないって……
そう思って覚悟して読み始めたら、10pでソハイーラ in アサガヤシンが何てことないようにソハイーラの残滓と体内会話繰り広げるんですもん……


ソハイーラの口調で、ソハイーラらしい考え方で、ソハイーラらしい態度なのに、そこに居るのはソハイーラではない存在。
「AIのよう」と本文中で評されていましたが、まさにそれで。
人間では無いんですよね。
「AIでありながら人間のよう」であるアサガヤシンの真逆の存在とでも言いましょうか。



退場したキャラがずっとそこに居続ける虚無感は筆舌に尽くし難く、でも「そこに在る」ことに僅かな希望を持ってしまう読書体験。

2巻までがガツンと重い一撃を食らわせてくる系であるのに対して、今回はジワジワ追い込んでくる系でしたね!











とはいえ、とはいえ!





「ジワジワ」の1ジワあたりの情報量が大きいので読み応えが今巻もすごかったです!





アサガヤシンがいざという時のためのバックアップとして残した別個体・シンから始まる復讐劇と、そこから決定的に動き始めてしまうオクタヴィアヌスまでの流れとか、特に綺麗で好きです!


本体よりも怨嗟の想いが強く出てきているシンって人格、漢字の“真”ではなく英語の“Sin=(宗教・道徳上の)罪”に掛かっているんですよね、きっと。
人格の複製、死者蘇生、輪廻転生への叛逆に手を出し、神に等しいまでの支配力を持つオクタヴィアヌスへの殺意の現れですよ。

でそのシンが、あーなって、こーなって。
やれたと思ったらやれてなくて、でもやれてはいてみたいな(ネタバレ配慮)








オクタヴィアヌスのアレが決行されてしまう162p以降のシーンでは、いくつもの身体に入り込んだアサガヤシンの通してアレの惨劇を描いていたりします。
群像劇ならぬ個像劇
「アサガヤシン」という概念が複製されて同時展開されているからこそ描ける一人称・多視点の良さが顕著に出ていて、とても印象的です!






あと「第四章・三次元ネルソンタッチ」はもう全体的にジワジワというよりジワジワジワジワジワジワみたいな。
アサガヤシンの複製、クオリアの抜けたソハイーラときて、さらに追加された「同一にして異なる存在」である組み合わせが、事態を明確かつ決定的なものに変えてくれたおかげで加速が止まりません……


あの人とあの人が帰ってきて、たかだか1巻分でしかないのに長らく別れていたかのような錯覚を覚えましたし。
冒頭から述べているソハイーラについても「この展開のためのAI化なー!」って納得する展開になっていましたし!

クオリアのある高次空間への意識的なアクセスが今後の展開の要(メモ)






最後の最後には「ありがとうっ!!!!」ってシーンと「だめだったかっっっ!!!!!」ってシーンがトントンと連続で来るので、ミリ残しだった読書HPが丁度削りきられるような感覚でした。
素晴らしいHP管理に拍手!






まとめ









今巻も面白かったです!!





「楽しめば楽しむほどラストが響くので、魂をかけて楽しんでほしい。」




……と、今巻の帯コメントに寄稿させていただきましたが、えぇ、まさしくラストバトルで響きましたね!
特に「あの艦長」のあのセリフは、これまでのソハイーラの物語をどれだけ楽しんでるかで響き方が全然変わってくると思います。
私の心は感動で泣いた。






引きは「第一部・完!」みたいな印象だったので、願わくばこの先の物語も読みたいところです!
……どの星系がメイン舞台になるかとか、色々大変だとは思いますが!(荒廃した大地を想起しながら)








以上!


今日のラノベ!



三角の距離は限りないゼロ 3


三角の距離は限りないゼロ 3

著者:
岬鷺宮

イラスト:
Hiten

レーベル:
電撃文庫


【あらすじ】

 文化祭実行委員なんて、柄じゃない。でも僕らの関係を変えようとする春珂の願い、春珂を想う秋玻の気持ちから委員として動き始めた僕は、かつての僕を知る庄司霧香と出会う。再開なんてしたくなかった。霧香は僕が別れを告げたはずの「過去の自分」を育てた人だから……。
 華やかな文化祭の裏側で、彼女は僕らの恋に隠れた、何より僕が隠した欺瞞をこそ残酷に暴いていく。
 もう戻れない僕らの関係。揺さぶられる『僕自身』のあり方。そして、舞台の幕が上がる――。
 僕と「二重人格」の彼女たちが紡ぐ、三角関係恋物語。




感想:★★★★★




気づかされることの痛み















今記事は終始ネタバレありとさせていただきます!!


未読の方はご注意ください!!!














私、2巻の感想でこんな言葉を書き残していたんですよ。


みんなで幸せになる結末が訪れないことは分かっていますが、それでも尚願います。
どうか、みんなが後悔しない結末が訪れますように……





今巻、その「後悔しない結末」へ向かう為の物語でした。
自分の心に従うだけでも他人との付き合いで意見を変えるだけでもない。
己で考え、自ら道を拓き、時にはぶつかり、納得するまで諦めない。
そうする為に、今まで積み上がってきたものをリセットする。
そういうお話だったと、私は解釈しました。



皆に合わせていた頃の矢野くんを作り上げたと言っても過言ではない存在・霧香の指摘は、鋭く的を射たものばかりで、矢野くんのこれまでの成長に共感して読んできた私にも鋭いものがグサグサと……(笑)
……いや、割と笑えないレベルで。

でもそこはやっぱり矢野くんと同じ反応になるんですよね。
あれだけ言われても怒りは湧いてこなくて、否定したいけど出来ないくらいには身に覚えがあって。
どうしようもなく彼女の正しさを認めたうえで、「今の自分を認めてくれている秋玻を理由に」意地を張ってしまう……

ふむ……



あぁ、そういうことですか(毎度唐突に失礼します)。





恒例の感想書きながら考えている奴ですけれども、
今回秋玻は目の前で見てしまっているんですよね。作られた矢野くんによって周囲の歯車が噛み合う瞬間を。
決定打というほど強烈なものでは無かったでしょう。
ほんの1メモリ、2メモリ気持ちが傾いただけ。
でも春珂の気持ちを知っていて、霧香の指摘に怒りつつも部分的に納得していた秋玻だからこそ、矢野くんに「選択してもらう」方へ向かったのかなぁと。






百瀬の「恋は終わり際が肝心です」というフレーズが今巻で登場した時には、思わず自分があの完結から今まで生き続けてこられた事への感謝と感動でガッツポーズを決めましたが、決して『ももせ』ファンへのご褒美というだけではありませんでした。
今巻はまさしくひとつの恋の終わり際であり、それはまた三角関係の本格的な始まりでもあり。
4巻は矢野くんの感情が大変なことになっていそうですが、そんな矢野くんに対して春珂と秋玻がどんなアプローチをしてくるのか……楽しみです!!




私はこの作品のファンであり、岬鷺宮先生の大ファンです。
だから、あえてこう残します。






ハッピーエンドじゃなくても良い。
失恋が待っていても良い。

三人の三角形の恋の終わり際に、後悔がありませんように。





















つらいようぅぅぅぅぅぅぅ……………











以上!




↑このページのトップヘ