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ネタバレを含みます ご注意ください

今日のラノベ!


ひきこまり吸血姫の悶々


ひきこまり吸血姫の悶々

著者:
小林湖底

イラスト:
りいちゅ

レーベル:
GA文庫


【あらすじ】

「……ふぇ? な、なに?」
 引きこもりの少女テラコマリこと「コマリ」が目覚めると、なんと帝国の将軍に大抜擢されていた! しかもコマリが率いるのは、下克上が横行する血なまぐさい荒くれ部隊。
 名門吸血鬼の家系に生まれながら、血が嫌いなせいで「運動神経ダメ」「背が小さい」「魔法が使えない」と三拍子そろったコマリ。途方に暮れる彼女に、腹心(となってくれるはず)のメイドのヴィルが言った。
「お任せください。必ずや部下どもを勘違いさせてみせましょう!」
 はったりと幸運を頼りに快進撃するコマリの姿を描いたコミカルファンタジー! 引きこもりだけど、コマリは「やればできる子」!?




感想:★★★★★



どもー!
読了直後のデスカイザーです!

早く2巻が読みたいので(既に手元に用意している)、今回の感想はいつもみたいに2時間とか3時間とか掛けずにブワアアアアアッッと思いつくままに書いていきたいと思います!!


大丈夫。できる。
何せ、言葉に迷わなくて済むくらいには面白かった!







①コマリが可愛い!





何はともあれ、この作品の良さを語るうえでは外せない主人公・コマリの可愛さを語ろうと思います!!



ビジュアル!! 100点!!!





サラッサラの金髪に芯を感じさせる紅の瞳!


慎重は小さいけれど、美の迫力でもって威厳すらをも感じさせる造形美!


薄めの胸と絶対領域!!







表紙だとちょっと困った顔してますが、表紙めくっての扉絵での嗜虐的な笑みがまた良いのなんの!!!






私やコマリ隊の面々がロリコンであるか否か、その真偽なぞ些事なのであります。
このオーラを前にしたら膝ついて頭垂れることに違和感は無いですね間違いない。




そんでもって、幹部クラスだけでなく部下のお悩み相談までしてくれる御心の大きさ……!

これで心酔しないわけがない。



あとあと!!
伊達に3年間引きこもって小説を読んだり書いたりしてきたわけじゃないんだな、っていうのが発揮されるシーンが良いんですよね。




それすなわち、
将軍として部下に虚勢を張るシーン!!





事あるごとにお披露目される口上は、内心冷や汗ダラダラなことを微塵も感じさせない素晴らしい文言の並びで、堅苦しいようでスルッと入ってくる分かりやすさなのがとってもコマリ様らしいと思います!!!








②コマリの周りを固める人たちも強い!






コマリの可愛さを全力で引き出していく、無茶ぶり四天王たちの活躍も忘れちゃいけない。




愛しい四天王たちを紹介するぜっ!!






娘のためなら何でもする(※比喩ではない)、父!


専属メイドにして凄腕の変態、ヴィル!


色情魔、皇帝!


アウトローの塊、コマリ隊!







うん、「ギャグ」の付かないファンタジーにしては盛りすぎなくらいにキャラが濃い!
よく空中分解しないな……




この四天王たちが休む隙もなく全力投球してくるのに、いささかも負ける事のないツッコミと涙目でもって相対しているコマリンの逞しさ!
そういう意味ではコマリはとても強いと言っても過言ではない……?









なお、こうした前半の「ぶっ飛んだおふざけ」が後半のシリアスパートを引き立たせているのは言うまでもなく、(少しだけ冷静になって文学作品として読み解くのであれば)私はこの点に小林湖底先生の力量の強さを感じました。


あ、そういう意味では「小難しいセリフ・情景描写」と「舌ったらずなセリフ・端的な内心吐露」の使い分けも素晴らしいと思ってます!
そういう文章ラブ!!!!!






③世界観




世界に存在する6つの種族がそれぞれ「魔核」を持ち、それの持つ無限の魔力のおかげで、死んでも回復する=魔核の範囲内では本当の意味では死なない、というベースが結構効いてきます。



ワンチャン、“コマリに隠された力がなかったとしても” 死んで蘇って逃げれば将軍職とはサヨナラできるという枠組み。
でも死ぬのは当然痛いから、頑張るしかない。
しかも無条件で死なないわけじゃない(魔核の範囲外だったらそのまま死んじゃう、etc)から、日頃から油断するわけにもいかない。


保険があるけど体をゆだねることもできないコマリの葛藤と、それに反してポンポン死んでいく周りの人たちとの温度差が面白かったです(笑)


また、そのベースによって戦争の価値観も現実のものとは大きく違っていて、コマリが曲がりなりにも将軍職をやれているのってコレのおかげなところがあるとも思います。
いくら名家の生まれだからって、なんの訓練もなしに「人を殺す指揮を執れ」だなんて言われたら病むもんね……








まとめ




結局感想書くの1時間はかかるんですよね知ってた






ということで、『ひきこまり吸血姫の悶々』の感想をネタバレしない程度にお届けしてきました。




真面目な引きこもりのコマリと周囲の変人たちとの掛け合いが面白かったですし、前半と後半の空気感の違いにグワシッと胸を捕まれて握りつぶされた気分です!
清々しい紅(あか)!!!!




そもそも何故コマリが引きこもったのか、何故コマリが将軍になることを皇帝が認めたのか等々、気になる方は是非手に取ってみてほしいです!
ちゃんと1巻で纏まってるです!

何なら表紙を見て「可愛い」と思った人は手に取って損しないと思います。
あー……好きな子がボロボロになるのを見たくなかったら、そこだけ目を伏せましょう。うん。




では、感想、終わり!
2巻を読んできます!!!!!




以上!



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今日のラノベ!

シンデレラは探さない。




シンデレラは探さない。

著者:
天道源

イラスト:
佐伯ソラ

レーベル:
講談社ラノベ文庫


【あらすじ】

 先月できたばかりの、五十階建てのタワーマンション。高校生の俺こと荒木陣は、買い物帰りに、妹の舞と一緒にそれを見上げる。
 おとぎ話に憧れる舞は、そのマンションを、お城みたいと表現した。お城ならお姫様がいるはず。お姫様に会いたい……そうつぶやく舞。でも俺は知っている。お姫様なんて、俺たちには関係のない存在だ。そう思っていた俺だが、世の中は俺が願うほど、単純ではなかった。お城の住人の一人である真堂礼と、俺はふとしたきっかけで出会う。そして俺は知った。俺の前にいる礼は、お姫様ではなく、学園のアイドルでもなく。ただの、可愛い女の子なんだと――。webで人気の青春ストーリー、書下ろしエピソードも加えて待望の書籍化!



感想:★★★★★





人を想う日常とは、おとぎ話のように不思議で色鮮やかなものである
しかしそれはおとぎ話ではなく、たしかな日常でもある







今考えた名言です。

みなさんこんにちは!

第23回スニーカー大賞特別賞受賞作『顔が可愛ければそれで勝ちっ!!』(受賞時タイトル『ググれんあい。』)の斎藤ニコ先生が新作を出されたということで馳せ参じました、デスカイザーです!





今作『シンデレラは探さない。』は、web名義の天道源というPNでカクヨムにて連載されていた同名作品の書籍化になります。(web版リンクはこちら

例によって例の如くwebで作品はほぼ読まない私なので改稿については分かりませんが、書き下ろし部は多いです!
80p!!
それも後日譚というか、映画で言うとEDテーマが流れながら描かれるその後の日常みたいなパートが80pですよ!

綺麗にまとまった物語でありながら、半永久的な「その後」を想像する余地を貰えたのがとてもうれしかったです!!
家族って……いいね……









逆順で感想書いちゃってごめんなさい。
本編の感想書きます。





主人公・荒木陣くんが、熱で寝込んでる妹・舞ちゃんの看病のために学校を休んでいた時のこと。
学校から至急のプリントが配られ、それを家が近かった“シンデレラ” 礼ちゃんが届けに来たところから物語は動き始めます。


第一印象は無表情で気難しい子

でもその翌日に些細な理由を付けて再び荒木家を訪れたあたりから、要するに割とすぐにその印象は崩れていきます。
あえて「変わっていく」とは言わないです。
「崩れていく」です(笑)



まるで好きな人を前にしたかのような可愛い反応をちょこちょこ見せるレイちゃん。
かわいい。
とてもかわいい……!







でもそんな好きになるようなシーン無かったし、チョロインってわけでも無いだろうし……

いや待てよ、そういえば陣くんはやけに忘れっぽいだとかの描写が多い……

どことなく不穏な空気も漂っているし……





そうか、これは陣くんの記憶が飛んでるパターンなんだな(名推理)








と、無駄に覚悟を決めて読んでいましたが、結論から申し上げれば違ったので恥ずかしい……









そんな勘違いをぶっ放したちょっと前のシーンの感想にはなりますが。
「あ、斎藤ニコ先生の面白さが健在だ!」となったのが、63p。
レイちゃんからの謝罪のお礼をするため、陣くんがレイちゃんに話しかけるシーン。



「皆、ごめんなさい。わたし、陣くんと出かけてくるわ」
『よろこんでー!』
なんだよその掛け声……。
本文63pより




このワードセンス、やっぱりすごくないですか??



まず、パッと読んで面白い!

次にじっくり考えてみると、「いってらっしゃい!」ではない所からレイちゃんが陣くんについていくことをレイちゃん以上に喜んでる状況が見えてきます。

それが野次馬的なものなのか友情的なものなのかは分かりませんが、無表情という印象がまだ残っていたレイちゃんのキャラも、ここで更に緩んできます。
少なくともイジられることを許容できる距離感、もしかしたら恋バナもしているのでは?というところまで考えると最早最初の印象はどこへやら。

また、レイちゃんが舞ちゃんのお見舞いに来るという所から始まり荒木家での今後のシーンを想像していたところに、「学校パートも面白いキャラがいそうだぞ??」というイメージを置いていくというおまけもあります。

そして最後に、ツッコミまで込みでやっぱり端的で面白い!









作者買いして良かった!!!










シンデレラ




タイトルにも入っているこの物語のキーワード。
舞踏会の後、ガラスの靴を頼りに王子様がヒロインを迎えに来るというところから、タイトルの「シンデレラは探さない」という状況も見えてきます。

名前の語感だったりその美貌だったりで、シンデレラと称されるレイちゃんの存在はまさしくキーワードそのままではあるんですが……仕込みはそれだけじゃありませんでした!
これのおかげで面白さが一段階上がってるんじゃないかなぁ、と思うくらいには巧妙。
是非読んで「そういうことね!」と唸ってほしい……!



落とされたガラスの靴とは、王子様とは……そゆことなんですよ~~!
んふふ~~~~









まとめ





「シンデレラ」以外にも、この物語の根幹を形成する仕込みとしてラノベの常道的なことも1つありまして。
しっかり読書メモには残していたんですが、ばっちり天道先生があとがきで解説されていたので私からの説明は自粛いたします(笑)
気になる人は……本編を読んだうえであとがきをチェックだ!!!





ということで『シンデレラは探さない。』の感想でした!



掛け合いでのワードセンス、キーワードの出し方、会話で逸るテンポを地の文で落ち着けるタクト捌き、ストーリーのアップダウン……


どれを取っても好きです!!

そしてレイちゃんの可愛さが上乗せされてさらに好き!!




絶対2巻も読みたいです……!



以上!



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