感想テーマは 「思ったことを、そのままに!」
ネタバレを含みます ご注意ください

今日のラノベ!


異世界居酒屋のぶ 二杯目

異世界居酒屋のぶ 二杯目

著者:
蝉川夏哉

イラスト:

レーベル:
宝島社


【あらすじ】

ある日から店が異世界にある古都と繋がってしまった居酒屋「のぶ」。訪れるお客たちは寡黙な店主、ノブ・タイショーと給仕のシノブが振る舞う酒や料理が好きになり、たちまち古都では「のぶ」が受け入れられていった。そして迎えた秋。にわかに街の人々の間で不穏な“魔女”の噂が広まりはじめていた。さらに、魔女の噂を聞き付けた大司教まで古都に来訪して…。人と人の縁を結ぶ小さな居酒屋の物語。「小説家になろう」から生まれた異色グルメ小説第二弾!




感想:★★★★★




常連から初来店まで、庶民から王侯貴族まで。
今巻も幅広いお客様で賑わう「居酒屋のぶ」の、心温まる様々なエピソードが詰め込まれていました!



今回のテーマは「淡い好意」といったところでしょうか


『女傭兵』では、リオンティーヌという東王国(オイリア)出身の女騎士が、かつて戦場で見えたとある騎士を探して古都に来るのですが……
運命のイタズラとはかくも面白く、残酷なもの。
つい、そう思ってしまうようなお話です。
ダシのように胸に沁みるんですよこれがまた……



『古都の秋刀魚』では、水運ギルド<鳥娘の舟歌>のギルドマスター・エレオノーラが「のぶ」で秋刀魚を食べていたら、近くで呑んでいたニコラウスが……?なお話。
大人な恋の始まりの予感……?な トゥンク 案件です。
混ぜご飯に喩えるなら、どっちが秋刀魚でどっちをコメにするか。それが問題だ。



『秋の味覚の天ぷら』では、吟遊詩人を目指す青年・アルヌが「のぶ」で天ぷらを食べたことで、自分の目指す場所を「料理と美酒」を歌うクローヴィンケルという詩人に定めます。
アルヌはこの巻の最重要人物と言っても過言ではないキャラなんですが、家業か吟遊詩人かの間で定まらず、ついにはアルヌの詩を読んだクローヴィンケル本人にまで指摘されてしまう始末。
(テーマにこじつけてるようかもしれませんが)『秋の味覚の天ぷら』時点でのアルヌにとって、家業とは尊敬する先代のように完璧にこなさなければならないものという強迫観念があったんだと思います。
だから、「好き」だけどそこに未熟な自分が入ることで踏み躙りたくない、というのを無意識に思い吟遊詩人の道に逃げていたのかなぁ、と。
その逃げは消極的ではあるけれど、なんだかんだ「古都を知る」という点においては家業に役立つものでもあったので決して無駄にはならないんじゃないかと思います。
頑張れアルヌ!


上の3篇以外にも恋愛、親愛、友愛、もちろん食やお酒も含めて、色んな形の好意が「のぶ」で生まれ、伝播していく様が描かれています。




それらの良さを引き立てているのは、暗に示す事柄(回収されないフラグ)の多さかもしれません。
回収されないフラグという語弊があるでしょうか……。
んー……。
回収された事に気づかないフラグ、というほうがいいですかね……。
『ナスのあげびだし』でのトマスとエトヴィンの会話なんかが良い例です。
最後の最後まで読んだ後にこのシーンを読むと「あぁ、そういう!」ってなるんですが、回収のタイミングではなかなか気づけないんです……!
他にも大なり小なり細かい仕掛けが散りばめられているんで、パラっと読み返すのが楽しいです。

そして、それらのフラグがまるでカレーに入れたチョコのように影に隠れて周りを引き立てているんですよ!(これが言いたかった)
3巻はもうちょっと注意深く読みたいと思ってはいますが、料理の美味しそうな空気に負けてちょろっとしたフラグが頭から抜け落ちるんですよね、きっと……。

それもまた魅力。かも?




読書メモ




18p:いつもの
⇒素人考えだと「いつもの」という注文はお店側にとって「いつものでスタッフが分かるほど通ってくれるお客様」という、絶好の好材料だと思っていました。
しかし、本当のプロは……やっぱり違いますね。
「いつもの」は体の良い停滞とも取れることを認識して、常に新しいものを提供できるよう考えているんですね……。素晴らしい……!



69p:ラインホルトは出来る子
⇒タコは食えるけど、ラインホルトは食えない奴



79p:レモン
⇒ベルトホルトさんの奥さんにして「のぶ」の給仕・ヘルミーナさんが、旦那さんの皿の絞った後のレモンをひょいパクするシーン。
レモン……
酸っぱいもの……
……いや、まさかね?



120p:ナスぅー
⇒ナスのあげびたしは、一人暮らしの時に常備菜としてよく作っていました。
作り置きなのでお酢を多めにしてましたが、やっぱり作りたてのあげびたしは良いですよ本当に……。
美味しそうに食べるトマスを見て、久々に食べたくなりましたー



137p:この一体感
⇒あの広さの居酒屋だから生まれるこの一体感。
「のぶ」がファミレスだったらこうはならない。



143p:おおおおぉぉぉぉぉ!!
⇒79pの自分が凄い



171p:アルヌの居た理由
⇒酔拳使いのアルヌが、毎日、昼間から「のぶ」に入り浸っていた理由。
なーるほどぉ?
彼が只者じゃないというのを察したシーンでもあり、113pのフラグを思い出すきっかけになったシーンでもあり。



189p:だし巻き玉子
⇒料理人の最初の一歩にして究極の一歩がだし巻き玉子
みたいな風潮ありますよね、すごいわかります。
だってあれめっちゃ奥が深いって、素人の私でも思いますもん。
味、形、火入れの時間、食感、触感、色合い、香り、etc……



198p:茶碗蒸し
⇒これもまたフラグ回収がアナウンスされないパターンでしたね……
「私はそのフラグ、認知しておるぞ!」って万能感やばいです



239p:チビ
⇒同上。難易度はこちらのほうが下。



**:イカ二貫
⇒イカと「のぶ」を掛けた結果のメモですね。
メモのクセがすごい




まとめ




古都の片隅にある居酒屋に、近隣の王侯貴族が味を求めてやってくる。
考えるまでもなく途轍もないことです。

現代日本の味が古都には珍しく先進的ということもありますが、「つい足が向いてしまうお店」を作っているのは何より信之さんとしのぶちゃんあってのものです。

このまま帝国と近隣諸国との微妙な軋轢も「のぶ」の魅力でどうにかしちゃえ!




以上!



今日のラノベ!


永遠姫の嫁入り

永遠姫の嫁入り

著者:
葉原鉄

イラスト:
みやま零

レーベル:
美少女文庫


【あらすじ】

 「この年で生娘だなんてみっともないねぇ」
 異形の鬼。千年生きつづける桃姫。可憐な童女にして鬼女。そして、俺の初恋のひとで今夜からは俺の妻……。
 「俺もはじめてで……というか俺、トワさまとはじめて会ったときから大好きで……」
 あふれ出す気持ちと一緒に、初夜だというのに腰が加速する。つなぎあった粘膜をこすればこするほど想いが伝わるような気がして。
 「そんなまっすぐ言われると、照れるねぇ」
 トワが、にへぇとだらしない笑顔で応える。
 俺しか知らないトワの笑顔。俺しか知らない、最高に可愛い俺のお嫁さん。
 「ああ、もう!鬼っていうか小悪魔だろ!可愛い、ああ可愛いッ、超エロいッ!ああ、くそッ!俺、トワさまが好きすぎる!」
 何度も妻の名を呼び、彼女の内面を掘り起こす。いとしくていとしくて仕方がない。



感想:★★★★★



ぁぁぁぁぁぁっぁぁぁぁっぁぁぁぁっぁああぁぁぁっぁっぁあ




最初から最後まで身悶えることになるのは想定通りでしたが、少しくらいは期待を裏切ってくれても良かったと思います。
じゃないと骨抜きになってしまって生活に支障が。鬼だけに。






大学一年の香坂幹春と、齢千年の鬼・トワの新婚生活の一部始終。

不器用ながらも誠実にトワにふさわしい夫になろうとする幹春の姿はトワ目線に見るととても微笑ましく、無性にナデナデしたくなるというか、ぎゅーってしてあげたくなるというか。
「入魂王子」という過去が影響したのかどうなのか、折角持っている自分の意思を胸に留めてしまうために周囲との関係を一歩引いてしまうところが可愛いです。
そのくせ夜になり、トワを体を重ねる段になると途端に自らの欲望に素直にトワを求めるようになってキャー


逆に年甲斐もなく照れりんこしちゃうトワさまは誰が見ても「何だこの可愛い生き物は」になりますし、照れりんこさせてる幹春本人からしたら「何だこの可愛い嫁は」になるのも当たり前。
もう一度だけ言わせてください。
何だこの可愛い鬼幼妻は。




「口に出さなきゃ分からない」
という教訓を得ることもできますが、何はともあれトワの照れりんこを愛でるために読むことをオススメします!

(難しいことを考えることができないほど脳髄を蕩けさせた挙句の結論)
(難しいことを考えないほうが良い)





荒れ狂う感情の発露 
と書いて読書メモと読む。

読書メモ


18p:ご婚約
⇒もう既に胸いっぱいでハッピーなんじゃが?
え、あと300pもあるの?
いいの?そんなにいいの?やったー!!

……というメモが残されていたのでそのまま掲載。
いや、でも本当にこの通りで、まるでアニメ最終回のような涙と感動に包まれる告白シーンでした。
扉絵の「封印された右腕」とか序盤でご婚約とか、普通に考えれば後々大喧嘩して大変な騒ぎになるフラグです。
が、この告白シーンを見たらそんな不安は杞憂に過ぎないと言うしかなくなりますね(笑)
何があってもこの二人なら大丈夫。
そもそも喧嘩が起きるにしても、それはお互いを想うが故のものだろうことが明らかですもん。

そういうわけで、18pにして深く考えることを辞めました。
トワを愛でることに集中することこそが、この本を初見で最も楽しく読む方法です!



27p:つよいブラック
⇒気になってメモしておいたけれど読み終えて振り返ったらそういうことですか戦隊ものねそういうことですか!!!!!(早口)

え?むり。とうとい。



75p:あぁ!年上幼妻呼び捨てぇ!!ぁぁぁぁ!!
⇒ここまで「トワさま」だったのが、新婚初夜もフィニッシュ間近のこのタイミングで勢いあまって呼び捨てキタ━(゚∀゚)━!キタ━(゚∀゚)━!キタ━(゚∀゚)━!

幹春が自制してトワに接しているのは傍から見て明らかで、その彼がうっかりで距離を詰めているこのシーンの尊さについてはトワさまと語り合いたい……。
それで、たまに幹春をイジって遊びたい……



126p:あー
⇒このシーンのトワの可愛さを伝える言葉。
私には「あー」しか思いつきませんでした。

あー



154p:ギャップこそトワそのもの
⇒幹春くん良い事言う……
すごい……
部外者の私はこの段になっても「あー」しか言い表せないのに、彼はこんなにも的確にトワのことを形容してしまうのだから……
すごい……



209p
⇒最早「あー」すら無くなってますね
幹春の男らしさが光るシーンでもあり、それを見て好きだという気持ちを再確認しているトワさまの可愛さに悶えるシーンでもあり。
どちらか一方でも劇薬なのに、それを混ぜるんですから……ね?
洗剤を混ぜたら危ないのと同じくらい危ない。



271p:美しい
⇒物語が、文章が素晴らしいのは言わずもがなですが、その素晴らしさに拍車をかけているのがみやま零先生の透明感ある美麗なイラストであることは表紙でご理解いただけると思います。
そしてもちろん挿絵についても同様に素晴らしく、もう素晴らしいしか形容詞を持ち合わせていないことが腹立たしくなるほど素晴らしいのですが、その中でも一番素晴らしいのが271pのイラスト。
トワが返り血を浴びて振り返る構図の一枚。
彼女が鬼であることを否応なく意識させ、且つこれまで感じてきた色気や美麗さも損ねることなく混在していて。
猛毒的に蠱惑的。


まとめ



そういえばここまであまり触れていませんでしたが、夫婦の営みはそれはもう激しくエッチでした!
これだけ深く想い合って愛し合っているんですから当然と言えば当然ですが!



もっと二人の生活の良い所を語りたいような気もするんですが、如何せん語彙が足りません。
むしろ言語としての様相を成してないとも言います。

しかし、愛とはそういうものなのかもしれません。
遥か古から星の数ほど語り継がれてきた愛の物語も、その恋の当事者の気持ちを語り尽くすことができたものなど存在しないのです。
そして読者の気持ちもまた同様に千差万別でありながら唯一無二。

語り尽くせないからこそ言葉を重ねるのです。




そういうわけで。






ぁぁぁぁぁっぁぁぁぁぁぁぁんんんんんnぁぁぁぁぁぁあぁぁぁあぁっぁぁあぁぁ




以上!



↑このページのトップヘ